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レビーのお父さん

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レビー小体型認知症を患った父と家族のドタバタ劇。 父の運命のハンドルは突然奪われてしまったけれど、あちこち体当たりしながら、皆でハンドルに手をのばして最後まで走り抜けました。私た…
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#介護

ミモザの候 9: レビー小体型認知症

認知症というのは、多くの病気の中で唯一、自分の治療について自らが決定権をもつことができな…

jala
10か月前
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ミモザの候 10: 修羅場

レビー小体型認知症専門医のもとを離れ、認知症専門の町医者にかかっていた父。しかし、しだい…

jala
10か月前

ミモザの候 11: ズボン

私の住む街にはお年寄りが多く住んでいる。だからだろうか、民家を借りたデイサービスの施設や…

jala
10か月前
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ミモザの候 13: 特売チラシと穴子どんぶり

父が施設にお世話になった約2年の間、家族は週に一度、大きな荷物を抱えて面会に通った。 こ…

jala
10か月前
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ミモザの候 15: 父と息子

父と弟には長く葛藤があった。私には詳しいことは分からないが、いつの頃からか、互いが言葉を…

jala
10か月前
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ミモザの候 17: 「その人」をさがして

「お父さん、最近笑わないねぇ」 今振り返ると、あの頃すでに、父の異変は始まっていたのだろ…

jala
9か月前

ミモザの候 19: 吹き寄せあられと白桃

7月のある日、父は一時帰宅をした。介護士Uさんとも彼女の右腕となって働いている介護士さんを引き連れ、VIP待遇で戻ってきた。 それはわずか2時間ほどの帰宅だった。しかし、この日に向けた父の想い、介護士さんたちの想い、家族の想い、それぞれがぎゅっと凝縮していた。 私自身、ありえないことが起こっているのだ、奇跡を目にしているのだという震える空気に包まれていて、それもあってか、家族としてふるまう自分をどこか演技をしているかのようにも感じた。 父は、1年6か月ぶりに自宅に戻った

ミモザの候 23: 介護士Uさん

同世代の介護士Uさんは元看護師で、父が入居した介護付グループホームの副施設長をしていた。…

jala
9か月前
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ミモザの候 24: みどりいろ、だいだいいろ

外来の受付を通ってホールを抜けたその先に、閉鎖病棟につながるドアがある。ドアを開け、先導…

jala
9か月前
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ミモザの候 25: チーム「ジャージ」

私たちは父を「盛大な家族葬」で送った。盛大な、というのは旅立ちにむけた誇らしさのようなも…

jala
9か月前
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ミモザの候 27: breath ーエピローグー

セージを焚き、その煙に身をくぐらせる。 ひとつ、大きく息を吸って、ふぅーっと吐いていく。 …

jala
8か月前
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