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『人生万景』イサオヒロミ

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イサオヒロミの『人生万景』です。 仕事やプライベートで感じたことを書きまとめています。
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#先輩

『漆黒の罠』 〜人生万景〜

とんでもなくこわい思いをしました。今まで生きてきた中で1位かもしれません。幽霊とかよりももっとこわいやつです。

今日、ガチャガチャが出てくるところに前の人が取り忘れたかのようにガチャガチャが既に出ていました。説明書みたいなやつが入っていて重さ的に中身が入っているように感じたので、「マジかラッキーじゃんこれ」と蓋を開けてみるとなんと黒いゴギブリが入っていました。古い家に出てきそうな黒よりも黒のゴギ

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『生きていても、死んでいても。』 〜人生万景〜

『生きていても、死んでいても。』 〜人生万景〜

お世話になっていた先輩が亡くなった噂を聞いた。本当かどうかはわからない。でもきっと本当だと思う。信じたくはないけど。本当だと思う。そんな気がする。

あそこに行って、そこで訊いてしまえばちゃんとしたことが判ると思うんだけど。行っていない。行けていない、じゃなくて、行っていない。これからも行かない。行っちゃうと本当が確定になっちゃうから。

時々、先輩が住んでいた家の近くを通ることがある。わざわさ通

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『時を超えた告白』 〜人生万景〜

中学一年生。
体育委員として初めての業務は、お昼休みに体育倉庫で生徒にボールの貸し出しをする、でした。受付係です。
お昼休み中に体育倉庫にボールを借りにきた生徒にサッカーボールであったり、バスケットボールだったり、バレーボールだったりと、そういった丸いものを次々と手渡し、お昼休みが終わる頃には次々とそれらを回収する、という業務だったと記憶しています。

お昼休みが終わるまでは密室である体育倉庫の中

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『出前』 〜人生万景〜

「ごめん、外食べに行く時間あれだから今日は出前にしよう」

 仕事先で出前を注文することに。ここの出前屋は初めての利用だった。

 メニュー表を睨むように見た先輩は「俺は炒飯」と言った。

「普通の炒飯頼むんならこの四十円高いオム炒飯のほうがよくないですか? 炒飯の上に玉子が被さってて色ありますよ」と僕は勧めた。

 到着したオム炒飯。玉子のシートの下にオレンジ色が少し見えた。オム炒飯の中身がまさ

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『忘れられない味と道』 〜人生万景〜

『忘れられない味と道』 〜人生万景〜

「五反田なら、大江戸線から浅草線で移動しますか?」と訊くと、「いや歩き。ここから20分くらいだから」と先輩は答えた。
……20分? と疑問には思ったけど、「まあ話しながらいこうぜ」と数歩先を歩く先輩を追いかける形で僕は六本木ヒルズを出た。

全く車に興味がない、と言っている先輩が、ランボルギーニの横幅について語っていた。

40分くらい歩いたところで「正味な話、あとどれくらいで着きますか?

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『平和公園にて』 〜人生万景〜

『平和公園にて』 〜人生万景〜

帰郷時。

同じ日の同じ時間に、東京在住の先輩がたまたま平和公園にいた。

折角、広島にまで来ているのに。先輩は東京のどこにでもある一風堂に入り、ラーメンを食べた。

なんで広島にまできて一風堂なん?  ともやもやしながら僕は東京のどこにでもあるブックオフに入った。

『ヨドバシカメラ吉祥寺店』人生万景

『ヨドバシカメラ吉祥寺店』人生万景

建物を出ると、先輩と、先輩の子供・Yくんとバッタリ会いました。ゆっくり話がしたいなあ、と思っていたので驚きました。
先輩と僕は挨拶もそこそこに、それぞれ腕時計に目を落としました。僕はそのとき予定がありましたが、明日にズラすこともできるような予定でした。ただ、明日にズラすとバタバタしてしまうので今日の内に処理しておきたい用事でした。日も暮れかけていたので、先輩も早く家に帰りたいような顔をしていました

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