【napo_fitness】コラム④意味がないニセ健康食?トクホの闇!特定保健用食品について
前回は人工甘味料についてお話しました。
人工甘味料が使われている食品の代表例に、トクホ(特定保健用食品)があると思います。
なんとなく、「体脂肪を減らす」とか「脂肪の吸収を抑える」といったキャッチコピーに釣られてついつい買ってしまう、なんて経験をしたことはありますか?
もちろん筆者もあります。
今回は、そんな【特定保健用食品】について、
・トクホってそもそも何?
・どんな効果があるの?
・本当に効くの?
といったところをお話していこうと思います!
●そもそもトクホとは?
特定保健用食品、トクホとは何なのでしょうか。
特定保健用食品とは、厚生労働大臣の認可を受け、健康増進法という法律に基づいて運用されており、
「食生活に置いて特定の保健の目的で摂取するものに対し、その摂取により当該特定の保健の目的が期待できる旨の表示を行なうもの」
と定義されています。
特定保健用食品には、「特定保健用食品」を含めて5つの種類があります。
特定保健用食品(疾病リスク低減表示)
…疾病リスクを低減させる効果が医学的に認められている成分に対して、疾病名を表示することが許可される。
具体的には、「骨粗鬆症のリスクをカルシウムが低減する」「二分脊椎症の子どもが生まれるリスクを葉酸が低減する」の2パターンあるそうです。
通常、食品のパッケージには疾病名の表示はできません。
特定保健用食品(再許可等)
…既に特定保健用食品の認可が降りている製品に対し、味や製法のマイナーチェンジを行った際に表示される。
まあいちいち申請するのめんどくさそうだしね…
特定保健用食品(規格基準型)
…他の製品での許可実績に十分にある成分に対して、製品個別の審査ではなく基準に当てはめて許可される。
(なんかきな臭くなってきたぞ…)
条件付き特定保健用食品
…有効性の科学的エビデンスが不十分であっても、一定の有効性が確認された成分を、限定的な科学的エビデンスであるという条件付きで表示される。
(なんだそれ…)
出典:消費者庁による特定保健用食品の分類(PDF)
●トクホに似つつ非なるもの
1.機能性表示食品
食品科学的エビデンスに基づいて、消費者庁長官に届け出が必要。
認可は必要ない点がトクホとの違い。
2.栄養機能食品
厚生労働省、消費者庁への届け出は必要なし。
事業者(メーカー)が自己認証している。
●つまりトクホとは
・身体にいいとされている成分を含んだ食品である
・その成分には科学的エビデンスがある
・科学的エビデンスを含めた製品化について、国が認可している
という特徴が挙げられます。
これだけ見ると、悪いところはないように見えます。
しかし、見方を変えてみるとどうやら手放しで褒められるものではなさそうです。
●トクホの三大ツッコミポイント
1.余裕がある企業しか認可が取れない
トクホは、国の認可が必要です。
認可の審査にかかる手数料は、約15-30万円で、企業が商品開発にかける費用としては雀の涙に過ぎません。
しかし本当に問題となるのが期間と臨床試験費用の問題です。
審査にかかる期間については、SPEEDAの記事を読む限りでは申請から許可まで2年、申請から販売までだと3年かかるとされています。
根拠となるデータを取得する試験費用も、ヒト試験では2,000万円以上かかるケースが大半です。
資金に余裕のある大企業専用の制度だという批判もあり、手続きがより簡便な機能性表示食品の申請数が伸びているようです。
2.コストに見合った効果があるか?
トクホの代表的な商品である、「体脂肪の吸収を抑える」と謳われた各種ドリンク。
成分の正体は、難消化性デキストリンというものです。
詳しい説明はいつか記事にしようと思いますが、要は食物繊維と理解してもらえば大きな間違いはないでしょう。
食物繊維は、腸内細菌のエサになるため、腸内のゴミを掃除できたり、効率的な栄養の吸収を助けたりします。
確かにこれなら健康に良さそうです。
食物繊維はトレーニーにも馴染みの深いサプリメントです。
難消化性ではないのですが、水溶性デキストリンでイヌリンというサプリメントが最も好まれています。
イヌリンはAmazonで2kg3,000円で手に入れることができ、ほぼ無味(ほのかに甘い)なのでコーヒーやプロテインに混ぜて飲むことができます。
さてこのイヌリンは2kg3,000円ですので、1g当たり1.5円。
トクホの成分表を見ると、だいたい難消化性デキストリンが5g含有されています。
コカ・コーラのメーカー希望小売価格は140円。
トクホであるコカ・コーラ プラスのメーカー希望小売価格は158円(しかも、470mlと少し量が減っています)。
何が言いたいかというと、
イヌリンを自分で仕入れれば7.5円だけど、
普通の商品とトクホ商品の差額20円を払う価値があるか?
というお話です。
何度も言うように筆者はコスパ厨なので、原価も気になってしまうほうです(減価厨ではない)。
モノにもよりますが、原価は3割程度であることが一般的です。
そう考えると、7.5円と20円の差は目くじらを立ててメーカーを責め立てるほどのものではないと言えるかもしれません。
イヌリンは5-10gの摂取で十分な効果があるとされており、このことからもトクホに含まれる難消化性デキストリン5gにはある程度の根拠があることが伺えます。
(難消化性デキストリンに関しては、肯定的なエビデンスもあれば否定的なエビデンスもありますが、今回は割愛します)
しかし、食物繊維が上記の効果を発揮するには、摂取から2-30分の時間が必要です。
つまり、食事の2-30分前に摂取するなら効果があるということです。
「そんなの知らねえよ!!!!!!!!」
と思った人が大半でしょう。
メーカーからすると、「そんなの別に表示義務がないし表示していないよ~ん」といったところでしょうか。
トクホという表示の最大の罠がこれなのです。
効果を得たいのであれば、効果の根拠となる実験結果を見ないと、つまり
どんな成分をどんな人がどんなシチュエーションで摂取したのか
を知らないと、全くの無駄になりかねません。
3.「トクホ飲んでるからいいか」という妥協
とある研究によると、
「通常のメニュー」から注文する群と「健康食品が載っているメニュー」から注文する群で比較した際に、
「通常のメニュー」のほうが健康的な食品を注文する傾向が高い
ということがわかっています。
どういうことかというと、
メニューに健康的な食品が載っていたとしても、それを見ただけで満足してしまい、「こういう選択肢もあるのか、今度試してみるか」みたいなテンションで通常よりもジャンキーなものを選んでしまう傾向がある
ということです。恐ろしい。。。
「二郎食ったけど黒烏龍茶飲んだから大丈夫!」というのがまさにそれです。(本気で言ってる人はいないと思いますが、、、w)
前述の通り、食事の2-30分前に摂取しないと最大効果を発揮しないにも関わらず、「トクホを飲んだ」という心理的影響で、普段よりも摂取カロリーが増えてしまうということが問題になります。
これは人工甘味料の問題点にも似ていますね。
●まとめ
・トクホは確かに科学的エビデンスや国のお墨付きがついたもので、悪いものではない。
・目的や使用法が合っているかの確認を。
・過信は禁物。
●終わりに
前回の人工甘味料に引き続き、今回は皆さんの関心が高いであろう【特定保健用食品】についてお話しました。
これらを踏まえて、次回こそは【正しい情報の見抜き方】をアップします!
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