マガジンのカバー画像

ほんのひととき編集部が気になった記事

564
ここでは、旅と本のウェブマガジン「ほんのひととき」の編集部が気になったnoteをまとめています。おもに、旅や文化歴史にまつわるもの、本や書店を紹介したもの、ほんのひとときの記事を…
運営しているクリエイター

2024年4月の記事一覧

ポルトガル ポルト1泊~女子ひとり旅日記~

リスボンで2日間を過ごし、早朝にポルトに移動する。日本からの移動3日、滞在3日の時間のない旅行なので、まだ暗いうちから動き出した。 まだ夜の気配しかない朝の5時台にホテルを出るのは、なかなかに緊張する時間だった。泊まったのがリスボンの中心地で、朝からバスや電車が動いていて良かった。そわそわしながらバックパックを抱えて出て、でも人がいなくても穏やかな街の様子が変わっていないことに安心した。 この滞在中に何度も通った中央の広場から、バスでSanta  Apolonia駅へ。こ

ポルトガル リスボン1日目~女子ひとり旅日記~

久しぶりのヨーロッパ。憧れのポルトガル。ドバイ乗り換えでほとんど1日かけてやってきたリスボンは、まだ少し寒く、でも街を歩くと汗が滲んでくる気候だった。 空港に着いたときにはエコノミークラスと時差ボケが効いて、ふらりとしていたけれど、着いてしまえば電車への乗り換えもそんなに難しくない。少し肩を強張らせて乗った地下鉄だったが、リスボンのそれは日本のものと同じように、程よく穏やかな空気が流れていた。 目的地のBaixa Chiado駅に着く。地下から長いエスカレーターで登りきる

たんぽぽの綿毛が飛ぶように

 深夜、居間に一人でテレビを観ていると、祖母が入ってきた。 「親方は? ねぇ、親方は?」  祖母の口から親方なんて聞いたことがなかった。思い当たる人もいない。何のことを言っているのかわからない。  こんなとき、どうすればいいのだろうか。  返答に窮する間に、祖母の注意は切り替わる。少しバランスの悪い歩き方で、暗い廊下を歩き、玄関の方へ向かっていった。   「親方はここにいないよ」  慌てて祖父母の寝室へ連れて行く。  深夜に居間にいると、しばしばこのようなやりとりをしな

春爛漫東京ひとり旅 1日目

先日、東京旅行に行ってきました! 今回は、リッチに一泊二日。やりたいことをたくさん出来た二日間を記録したいと思います。 東京駅に到着したら、最初の目的地の最寄り駅である中目黒駅に移動しました。 せっかくなので、川沿いへ。 桜は満開を通りすぎて葉っぱも目立っていましたが、まだまだ綺麗。しかも、風に乗って桜吹雪になるのが美しくて、気持ち良い朝です。 桜を見ながら歩いていたら、目的地に到着しましたよ。 4階建ての特別なスタバ。オープンしてからずっと気になっていたのですが、

長崎の旅〜2日目は晴天、そして強風。大三東駅、島原の素敵な時間

長崎の旅2日目は打って変わって晴天。 しかし物凄い強風。 初日の岩戸神社の登りと朝が早かったこともあり(特くに飛行機の出発時刻が早かった訳ではなく、早朝3時からのドジャース戦のテレビ中継を観たからですが。苦笑) 美味しい宿の夕食を頂き、長崎の地酒をたらふく飲み、午後9時過ぎには爆睡していたのでこの日も朝6時頃には目覚めました。 何より風の音が凄い! この日は全国的に強風の予報でしたが、ここ長崎も物凄い強風。 早朝に目が覚めまだベッドでゴロゴロしている時から風の音が凄

森鴎外も学んだ東ドイツの小さな街・ライプツィヒにて

こんにちは。 ドイツ・ミュンヘンで留学生活を送る大学生、桜です。 昨日ベルリンで年越しをしたばかりなのですが、新年早々やってきたのはザクセン州最大の都市・ライプツィヒ。 森鴎外も学んだ小さな町を、ふらっと歩いてみました。 ヨーロッパいちの駅 前回のベルリンで年を越し、新年早々やってきたここ、ライプツィヒ。 到着早々、駅の美しさに魅了されてしまいました。 実はこのライプツィヒ中央駅、2021年の「European Railway Station Index」という

暗渠 担当:須田さ紀え

 上京してきたばかりの頃のわたしをイラつかせたもののひとつ、それは 「至るところにあるうねうねした道」 だった。  18歳まで過ごした北海道では、こっちに行けば目的地に着くはず、と確信して進んだ道の先があらぬ場所につながっている、ということなんてほぼなかった。街の道路はだいたい碁盤の目状に整備されていたから、どんなにぼんやりしていても方角さえ間違わなければ目的地にたどり着けていたし、それが当たり前だと思っていた。けれど東京の、このうねうね曲がる道は何なんだ?? 行こうと思って

絵本「森のおくりもの」が私たちに届けてくれたおくりもの

絵本「森のおくりもの」杉の子ジュウちゃんの大冒険 とは?  私たちが生きていく上で必須ともいえる、ふるさとの森が持つ力(=森のおくりもの)をテーマに、小国町森林組合が絵本を制作しました。森と地域、森と子どもたち、そして親子の接点を増やすことを目的とし、2024年1月に完成したばかりです。  物語の主人公は、森に住む杉の子・ジュウちゃん。ジュウちゃん(といつもまわりを漂っている友達の妖精さん)は、大好きな森の元気がなくなってしまったのでお手入れをしていたところ、川辺でうっか

パジャマで行ける本屋さんが四国にあったっていう話

ホテルの風呂上がりに行く売店感覚で、本屋に行ける宿。 夜、子供を寝かしつけた後、本屋に忍び込める宿。 子供をブランコに任せ、親は本屋でじっくり本を選べる宿。 朝、起きてすぐに、本屋でコーヒーが飲める宿。 おい!世の本(屋)好きの皆々様方!そんな楽園が四国にあるぞ!渡れ!瀬戸大橋!明石海峡大橋!!しまなみ海道!!! 徳島県は美馬市脇町にある泊まれる本屋さん、まるとしかく。こちらに家族4人でお邪魔してきた。四国の本にまつわる場所を、家族4人で巡る旅だ。 到着して、この

【エッセイ】「日常」を楽しんでいこう

 「わー!ブルーインパルス?!」  大きなジェット音と、見上げた青空に3本並んで描かれたまっすぐな飛行機雲。思わず声を上げた私に、同じ職場の人達が笑った。  去年の秋、東松島市のとある工事現場でのこと。  「シノブさん、北海道だもね。ブルーインパルス見るの初めてか?」  「子供の頃に一度だけ、見たことあります。札幌で。」  現在は宮城県で暮らしているが、私の出身は北海道である。  幼い頃、札幌の丘珠空港にブルーインパルスが来るとのことで、家族で見に行った。初めて間近で聞く飛行

春の京都の片隅を歩く。桜の行方を追いかけ彷徨う日には

4月1日。新生活にドキドキしたり、そうでなくてもなんとなく背筋がピンとしたり。フリーランスで特に環境に変わりはない私ですら、「新しい区切りだな」と思えるこの時期が好き。4月1日、桜の開花も進みつつあり、そして京都の天気予報は大きな晴れマーク。いいスタートを切るためにも、始まりにふさわしいこの日を、桜巡りDayに充てることとした。 気づいたら、1日で10キロ近く歩いていた。歩こうと思って歩いたわけではなく、桜を追い求めていたら、歩いていたのだ。バスは混雑していてあまり乗る気に