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ポルトガル ポルト1泊~女子ひとり旅日記~

リスボンで2日間を過ごし、早朝にポルトに移動する。日本からの移動3日、滞在3日の時間のない旅行なので、まだ暗いうちから動き出した。


まだ夜の気配しかない朝の5時台にホテルを出るのは、なかなかに緊張する時間だった。泊まったのがリスボンの中心地で、朝からバスや電車が動いていて良かった。そわそわしながらバックパックを抱えて出て、でも人がいなくても穏やかな街の様子が変わっていないことに安心した。

この滞在中に何度も通った中央の広場から、バスでSanta  Apolonia駅へ。ここからポルト行きの特急に乗る。駅の中まで可愛らしくて、東京とはまた違う電車のいかつさに朝から驚く。

特急列車で3時間。一等車に乗り込み朝食がわりにエミレーツでもらったパンをかじる。列車はリスボンを出る頃にはすっかり満席になり、またも緊張していた私も、周囲の人が眠り始めたのをみて仮眠をとった。

10時。ポルトのCampanha駅に到着。ここからメトロで市の中心へ向かう。この街の最初の印象は、青だった。地下鉄のエスカレーターを上がると、晴れた空と青い壁画が出迎えてくれたのだ。

ヨーロッパは、建物に惚れる。私は木造建築もとても好きなんだけど、それでもヨーロッパのこの街並みを歩く優雅さには、22時間移動しただけの満足感がある。

ポルトは、リスボンよりもっとコンパクトでカラフルで、街並みが観光然としていた。けれどもそこに流れている穏やかな時間は変わらずで、どんどん沼に引き摺り込まれている気分になる。

ポルトも坂の街。リスボンよりももっと傾斜がきついので、ここもスニーカー必須だと思う。すれ違う人もふうふうと言っていて、この街では見知らぬ人とも謎の一体感があった。

お昼ご飯を食べようとカフェに入ったら、号泣している青年が入ってきた。まだ18歳とか、22歳とか、そんなもんだろうという白人の子。声をあげて泣いているので、お店の人がジュースをあげて、横のおじいちゃんがサンドイッチをあげて、ポルトガル語で私は何が何だかわからないまま、店を出た。本当になんだったのか教えて欲しい。じゃないと失恋かなあと思っちゃうよ。

男の子に後ろ髪を引かれながら、賑わう通りへ。私は人前で失恋で泣いたことがある身なので(オークランド空港のフードコートで、ひとりでうどんを食べながら静かに泣いた)、まだ彼の出現の衝撃を引きずっているのだけど。

中心街に出ると、まさしくポルトガルという景色に出会った。カラフルな建物と、トラムが行き交っている。

私がポルトで一番来たかった場所であるLivraria Lelloへ。ハリーポッターの著者も執筆中に通ったと言われる、世界一美しいと言われる書店なのだそう。

とても満足だったので、別記事にしている↑(この記事は今日の注目記事にも選んでいただきました!)

自分用のお土産も買って、ほくほくとしながらお店を出た。ジェラート屋さんがあるので、入ってみる。イタリアで食べた時にあまりにおいしく、その時からジェラートがあるとつい食べてしまう。

一休みしたら、街歩きを再開する。この教会(Igreja do Carmo)も、青の壁画が有名なのだそう。建物ひとつひとつの重厚感がすごい。

この街は歩くといろんな色を見せてくれる。坂道や路地を散歩して、また新しい景色を見つけると、思わずカメラを向けてしまう。

魚の缶詰が有名だそうで、こんなふうに店頭に鮮やかな魚が並んでいるのも可愛らしい。

またまた、歩く。私は歩いて回れる場所が好きで、ひとり旅でそういう場所を巡れると本当に嬉しい。

そして歩いてポルト大聖堂(Porto Cathedral)へ。あまりに眺めがよく、惚れ惚れとする。ストリートミュージシャンの歌声が響いていた。

そしてポルトガルでは、カモメによく出会う。こんな街の中にもいるのね。

裏路地を欧米の観光客の団体が抜けていった。こちらも歩けるのか。私も少し間を開けてついていってみる。ぐるりと大聖堂を囲むように道は繋がっていて、さっき通った道に出た。

少し上を見上げたら2階の窓から犬が出てきた。そうだよね、ここも人が暮らしている場所だもの。こんにちは。お邪魔してます。

路地を曲がると、眠っている猫もいた。あまりにもいい。日常すぎる月曜日。

そして、私が今回ポルトを大好きになった景色がこちら。ドンルイス1世橋から見下ろすドウロ川とポルトの街並みだ。

もう、めっちゃポルトガルって感じする。こののどかさと穏やかさ、私が求めていたもの。

橋を渡る間、電車ともすれ違う。街と川が太陽の光に撫でられてるみたいで、最高の景色だった。

さて、対岸に着いたので川べりまで降りてみよう。ここもかなり急な坂で、みんなひいふうと言っている。目が合うとお互い少し笑う、そんな坂。

これがドンルイス1世橋。ここにもストリートミュージシャンがいて、60年代から今に至るまで、さまざまな歌を歌っていた。聞いている人たちも楽しそうで、めちゃくちゃバイブスが高い場所だった。

さて、またも夕飯にありつけなくなりそうなので、市場に行ってみる。ここはお土産を買うにもいい場所だそう。

私はバックパッカーなので、お土産はあまり買わない。というか、買えない。でもポルトガルではなんだか選びたくなって、市場でチョコレートを見ることにした。

魚の缶詰風のチョコレートをいくつか買ってみた。まだ溶けもしない気温だし、持って帰れるだろう。

そして自分用にサーモンを食べることにする。海鮮が美味しい国だということで、いろいろ試してみたくなった。

さて、夕飯を食べにどこか入ろうかなと思ったら、橋に向かう人と西陽に気がついた。夕日が見えるのかもしれないと思ってきて予定を変えて足早に橋へ。ちょうど陽が沈む時間だった。

落ちていく夕陽に、街が照らされている。なんて綺麗なんだろう。たくさんの人が景色を眺めている横で、私も川をただ見つめてみる。しばらくして、緩やかな時間を抜けて、気になっていたバーへ。

なんと言っても、ポルトガル最後の晩餐なのだ。最後の夜くらい、外食をしたいと思っていた。ここはArco Das Verdadesという、橋から6分ほどにあるバー。

明るいお母さんが出てきて、お店のコンセプトを紹介してくれる。1人でも大丈夫と出迎えてもらって、最後の夕食が最高になりそうな予感がしている。

夕食代わりにしたかったので、何か食事はあるかと聞いて出てきたのがこちら。白ワインに合わせて、硬めのパンをディップして食べる。あまりに美味しい。

2杯目はポートワイン。ポートワインは度数が15度とか20度とかあるそうで、年数が経てば経つほどに強くなるそう。色が抜けてオレンジや透明のようなものは、古いものでその分度数も強いらしい。

強いポートワインにくらりとしながら、ゆっくり時間を過ごす。窓辺の席からは橋とドウロ川が見える。お客さんが途絶えたタイミングで写真を撮らせてもらった。

 

メニュー表になくても、ワインが壁にもたくさん並んでいる。カップルもひとり客も思い思いに楽しんでいて、本当にいいバーだった。

もっと暗くなったら、窓からの夜景も一層明るくなる。ポートワインでふわふわとしながら、お店を出た。「あなた全部飲んだのね!」とお母さんには喜ばれた。お酒、好きなんです。

こんな隠れ家のような場所を見つけられて嬉しい。ここはみんなにおすすめできる。

さて、もうすこし河辺の夜景を見ておこうということで、階段を下ってみる。ここは迷路みたいで、でも他にも歩いている人がいるのでなんとなく怖くはない。

レストランの裏を抜けたら、一気に川沿いに出た。テラス席の人たちの賑やかな声が聞こえ、少しだけ夜の風にあたって満足した。そろそろ帰ろうかな。

急な坂を上がって、ホテルの方に戻ってきた。お酒でまだふんわりしているけどもう少しお腹に入れておきたい気分で軽食を探す。海外で軽食を探すことの難しさを感じながら、この国には救世主がいた。

それはタルト。この旅行中に思いがけずハマってしまったものの一つだ。甘すぎもせず生っぽくもなく、サクサクじゅわっとするのがたまらない。

歩きながらタルトを齧る。翌日も早朝から移動。まだ暗いうちなので、安全そうな道を夜のうちに下見した。またまた駅からホテルが近くてよかったと思う。

翌朝6時の駅。これが駅かと驚く美しい場所だ。昼間は人が多いけれど、早朝は観光客はほとんどいなくて、また写真を撮る。

やっぱり黄色と青の壁画。この後は空港に向かうので、これがポルトガルでの最後の観光になる。ありがとうポルト。

ここからリスボンまで、また特急で3時間。そして日本へ20時間ほどの帰路につく。ポルトガルを思ったより好きになってしまって、帰る前からまた来たいなと思った場所だった。直行便が出て欲しい!切実に!



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mayu
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