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歌舞伎観てきました!シリーズ

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小学校の時から推しは片岡仁左衛門さん。ゆとりができて、やっと歌舞伎座で観劇できるようになりました。素人なので観たまま、感じるままに感想を書いて、時に妄想に発展しています。コメント…
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歌舞伎観てきました12『弥次喜多流離譚』

歌舞伎観てきました12『弥次喜多流離譚』

2022年8月 歌舞伎座にて観劇。(※別のSNSより転載)

「弥次喜多」何度も上演されているが、わたしは今回初めて観る。お目当ての染五郎さん、團子さんが19日からコロナで出られず、濃厚接触者で休んでいた幸四郎さんは、22日から再登場!

そんなトラブルにもかかわらず、この八月の歌舞伎座は熱かった!

猿之助さんの超人的な活躍のおかげで、3部を休演したのはわずか一日。猿之助さんは、幸四郎さんの代役

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歌舞伎観てきました11 『婦系図』

歌舞伎観てきました11 『婦系図』

2024年10月歌舞伎座にて観劇。

仁左衛門さんと玉三郎さんが初共演すると話題の新派演劇。新派演劇は歌舞伎(旧派)に抗して新派といい、泉鏡花作の『婦系図』は明治41年に初上演され、歌舞伎座では43年ぶりというお話です。

元柳町芸者のお蔦(玉三郎)と若き学者・早瀬(仁左衛門)は人目をしのんで同棲していますが、早瀬の師でドイツ語学者の酒井(彌十郎)はそれを聞いて激高。早瀬に問答無用で「お蔦と別れろ

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歌舞伎観てきました!10『義経千本桜・木の実、小金吾討死、鮓屋』

歌舞伎観てきました!10『義経千本桜・木の実、小金吾討死、鮓屋』

2023年6月。歌舞伎座にて観劇。(※別のSNSから移動しました)
『義経千本桜』木の実、小金吾討死、鮓屋。

仁左衛門さんのいがみの権太、わたしにとってはこれが最初で、たぶん最後かなと思い駆けつけました。2022年秋に国立劇場で菊之助さんのいがみの権太をみたばかりなので、違いがよくわかります。菊之助さんは、腰を曲げて小悪党然と歩いていてもどこか粋な物腰。台詞も江戸っ子風で明瞭。カッコよさが際立っ

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歌舞伎観てきました!9 『源氏物語・六条御息所の巻』 

歌舞伎観てきました!9 『源氏物語・六条御息所の巻』 

2024年10月歌舞伎座にて観劇。(※ネタばれあります)
光源氏に市川染五郎さん、六条御息所に玉三郎さんという話題の舞台。客席は満席でした。舞台のしつらえはモダンでシンプル。全面に和歌が記されたいくつもの壁に囲まれ、薄絹の垂幕が御簾のように並び、舞台奥まで見通せるような見通せないような…。会話の応酬なので、舞台上の動きは限られています。

もともと「源氏物語」は、麗しいモテ男の話。今回は、年上の六

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歌舞伎観てきました!8『松浦の太鼓』

歌舞伎観てきました!8『松浦の太鼓』

2023年11月歌舞伎座にて観劇。
仁左衛門さん主演『松浦の太鼓』。(※別のSNSから移動しました)

仁左衛門さんも名古屋公演でご不在だったりして、私も9,10月と観劇がなかったので久しぶりの歌舞伎座。

吉良邸の隣に住むお殿様、松浦鎮信が主人公。忠臣蔵の外伝のような作品です。いつもは重苦しい忠臣蔵の中で、これは明るめのお芝居ですが、その明るさは、松浦のお殿様が、山鹿流の陣太鼓(討ち入りの合図)

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歌舞伎観てきました!7『天守物語』

歌舞伎観てきました!7『天守物語』

2023年12月歌舞伎座で観劇。(他のSNSから移動しました)

「天守物語」。

姫路城の中村座で上演され、歌舞伎座凱旋上演です。姫路では、亀姫は鶴松さんでした。映像で見た若々しい鶴松さんの亀姫、その妖艶さも素敵でしたが、今回それを玉三郎さんがーーーーっ!

姫路にある白鷺城の天守最上階には、美しい異界のものが何百年の時を経て、住んでいる。下界では、白鷺城の主、武田播磨守がさわがしく鷹狩をしてい

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歌舞伎観てきました!6 花形歌舞伎『与話情浮名横櫛』ほか

歌舞伎観てきました!6 花形歌舞伎『与話情浮名横櫛』ほか

2024年1月新春浅草歌舞伎観劇。昼の部。(別のSNSから移動しました)

「源氏店の場」。実はこの演目、昨年、仁左衛門・玉三郎で拝見してしまっていました。その時は、「源氏店の場」より以前のお話もありまして。

与三郎が、やくざの親分の妾のお富と一目で恋に落ち、それが親分にバレて、与三郎は総身に34もの刀傷を負う。お互いに死んだものと思っていたのに、ひょんなことから再会するのが「源氏店の場」。与三

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歌舞伎観てきました!5『京鹿子娘道成寺』

歌舞伎観てきました!5『京鹿子娘道成寺』

2024年1月歌舞伎座観劇。夜の部。(※別のSNSから移動分)

初春興行なので、なにかと賑々しく明るい演目が多いです。わたしが観たのは尾上右近さんの白拍子花子。(中村壱太郎バージョンもありました)

期待を完全に上回るすばらしさでした。右近さん、こんなに上手く踊れるんだ!という驚きと(不勉強ですみません)、上手いというより身の内から発光して、指先まで揺るがずに光が届くような踊り、というか、とにか

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歌舞伎観てきました!4『籠釣瓶花街酔醒』

歌舞伎観てきました!4『籠釣瓶花街酔醒』

2024年2月歌舞伎座観劇。勘三郎追善猿若祭。(※別のSNSから移動分です)。

幕が開くと、満開の桜の下、まぶしいばかりの吉原の街が目に飛び込んでくる。ほーーっというため息が客席から聞こえるようだ。

はじめて吉原見物をしようかという田舎の商人・次郎左衛門(勘九郎)が吉原を見た驚きを、わたしたちは一瞬で共有できる。舞台のしつらえの見事さ。

次々に現れる華やかな花魁道中。最後に花魁・八ッ橋(七之

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歌舞伎観てきました!3『義経千本桜・渡海屋、大物浦』

歌舞伎観てきました!3『義経千本桜・渡海屋、大物浦』

2022年二月歌舞伎座にて観劇。(※他のSNSからデータ移しました)

仁左衛門さんが一世一代と銘打った最後の義経千本桜「渡海屋」「大物浦」です。コロナで突然休演になることもある昨今、また、仁左衛門さんの体力が持つのかも気がかりで、やきもきしながらこの日を迎えました。

一世一代とは、もうこのお芝居は演じませんと封印することです。体力的に厳しいとか役柄に合わない年齢になり過ぎたとかが理由です。この

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歌舞伎観てきました!2「妹背山婦女庭訓」

歌舞伎観てきました!2「妹背山婦女庭訓」

2024年六月歌舞伎座昼の部。『妹背山婦女庭訓』三笠山御殿。

仁左衛門さんの女方をはじめて拝見しました!仁左衛門さんの豆腐買いのおむら役。案外かわいかったですねぇ~。

この六月は中村萬壽さん、時蔵さん、梅枝さん、三代の襲名披露でした。「中村時蔵」という名は、立女方のなかでも主役を演じることが多い大名跡です。今回は、

小川大晴→5代目梅枝    4代目梅枝→6代目時蔵  5代目時蔵→初代萬壽

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歌舞伎観てきました!1 「狐花」

歌舞伎観てきました!1 「狐花」

歌舞伎座八月納涼歌舞伎。
京極夏彦脚本「狐花」を観てまいりました。

主役は、勘九郎さん、七之助さん、幸四郎さんの3人ですが、若手の躍動が凄まじい舞台でした。虎之介さんのお実弥と新悟さんのお登紀の悪女っぷりが半端ない破壊力。

話は、江戸末期。

25年前、作事奉行上月監物(勘九郎)は、人妻・信田美冬に妄執し、密かに辰巳屋と近江屋と結託して、信田家を皆殺しにして美冬をさらう。上月監物は、実に良心の

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