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#詩

詩「ぶつ切りのリオウ」👁️18

詩「ぶつ切りのリオウ」👁️18

20240916

「よう お前ら クソども 殺しちまうぞ
 どけ カナエって 女に 用が あんだよ」
リオウは村人たちを鋭く睨んだ
「カ カナエさんは 村の一番奥の家にいるよ」村人の一人が答えた

「うるせえ 俺の 顔を 見ろ! さあ お前ら 全員だ!」
そう叫ぶと リオウの身体中の火傷が紋様となり浮き出て来た
すると村人たちは一斉に叫び始めた
自身の内面の 最悪の悪夢が眼前に広がった

村人の

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詩「切り札のジュン」👁️17

詩「切り札のジュン」👁️17

20240916

「想像よりも到着が早かったようですね
 一つ目の秘密は どうでしたか?」男は防護服を着ていた
「ああ 正直驚いているよ
 今までの人生は無意味だ」彼はモニターを見たまま言った

男が部屋の中に入っても 機械は何もしなかった
人間だとわからないように防護服を着ているようだ
この部屋の秘密を知っている人間 彼は興味を持った
誰であろうと 自分より物を知っている人間に話を聞きたかった

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詩「幾つかのクロウ」👁️16

詩「幾つかのクロウ」👁️16

20240914

『生体認証を実行いたしました お帰りなさい クロウ』
遺跡の中から声が聞こえた
彼とジュンは辺りを見回してみたが
誰かが居る気配は無かった

洞窟の中にある小さな遺跡は 彼を確認すると動き始めた
民家ほどの遺跡が崩れ 中から鉄のパネルが四方八方に展開した
大きく開けた空洞を覆い尽くし 大きな鉄の部屋になった
その間 ずっと青白い光が放たれていた

「クロウが来たからこうなったん

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詩「思い出のレンゲン」👁️15

詩「思い出のレンゲン」👁️15

20240912

「お前なぁ せっかく出られたのに何で戻って来ちまうんだ
 歓迎するわけがねえだろ 一つ目の男なんてよ
 気味が悪くて仕方ねえ この村ではな
 昔から 一つ目は悪魔だって言い伝えられてるんだ」

彼はそう言われて 黙って立っていた
ジュンは不安そうに 立ち塞がる村人と彼を交互に見た
「しかも妙な小僧連れてよ 誘拐したのか?
 そいつを食うつもりなんだろ? 一つ目」

生まれ育った

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詩「囚われのケント」👁️14

詩「囚われのケント」👁️14

20240912

朝 目覚めると外が騒がしかった
ホテルを出て村の様子を見ると 
ドラゴンを繋いだ建物に人だかりが出来ていた
彼はジュンを起こさずに そのまま様子を見に行った

村長が彼を見つけて言った
「ああ! 昨日の若いの 名前はたしか……」
「クロウだ」建物を覗きながら彼は答えた
「そうかそうか クロウさん 大変なことになった」村長は慌てていた

朝 餌やりに入るとウロが苦しんでいたらしい

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詩「人斬りのアンジェ」👁️13

詩「人斬りのアンジェ」👁️13

20240911

彼はウロに付けられた苔を取ろうとして
服を着たままホテルのバスルームに閉じ籠っていた
ジュンはベッドに寝そべりながらトランプをいじっていた
タロット占いでもするように並べたり混ぜたりした

着替えにはバラクサ特有の民族衣装をいくつか買ってきた
ジュンとお揃いの帽子も買って来た
お気に入りの服たちはしばらく使えないだろう
苔とにおいをとった後にクリーニングに出すつもりだ

目を閉

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詩「物知りのウロ」👁️12

詩「物知りのウロ」👁️12

20240911

バラクサの村長は陽気でご機嫌な老人だった
「良く来た良く来た どうしたんだ?
 そんな暗い顔して! 若いのに!
 そういう時ゃあ うちの藻を食うと良い! 元気になるぞ」

彼は少し押され気味に答えた
「ああ 食って来たよそれ 美味かった
 そんなことよりもほら 約束忘れてねえよな?
 ウロってドラゴンと話して良いんだろ?」

「もちろん! 好きなだけ話していけ!
 そこのちっこ

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詩「息抜きのジュン」👁️11

詩「息抜きのジュン」👁️11

20240906

(今頃 リオウはどうしているかな?)
バラサクのホテルの一室でジュンは考えていた
(エミリさんの復讐をするのは良いけど
 無茶して怪我でもしてるのかな?)ドアが開いた

「どうした?」彼は買い物袋をぶら下げていた
部屋にある机に置くと「食料だ」と言った
「どうもしないよ ありがとう」ジュンは上の空だった
「ついでにマフィアの連中に電話をしたんだが ヤバいことになった」

「え?

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詩「黒焦げのリオウ」👁️10

詩「黒焦げのリオウ」👁️10

20240906

リオウはジュンに別れを告げた後
迎えの車を待っていた
勢いで飛び出したのは良いが 時間がかかるのはわかっていた
なので レストランの近くにある古びたホテルに泊まった

何もせずに次の一日を過ごした 腹が減ったらレストランに行った
やきもきしながら 迎えの車を待つしかなかった
彼とジュンは今頃バラクサにいるだろう
(一言でも謝っとけば良かったかもな)と 少し後悔していた

二日目

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詩「強がりのクロウ」👁️9

詩「強がりのクロウ」👁️9

20240906

「ダメじゃない……リオウ 約束だったでしょ?
 早く金を返してって言ってるの わかる?」
冷たく言い放ったエミリはまだ十代だった
リオウは借りた金を返せずに責められていた

その頃のリオウは まだ火傷を負っていなかった
ギャンブルに溺れて 女に溺れて 酒に溺れて
自暴自棄に過ごしている若者だった
リオウはエミリを見つめると 弱々しく言った

「いや 少し待ってくれよ あと少しな

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詩「鈍色のエミリ」👁️8

詩「鈍色のエミリ」👁️8

20240905

エミリの負った傷は想像より深く
入院することになってしまった
流石に部下たちへ言い訳をしなければならなくなり
「短いが海へと旅行に行く」と伝えた

病室で外を眺めた 街がよく見えた
「アイツら大丈夫かな」独り言をそっと吐き出した
「失礼 エミリさんはここに居るかな?」
振り返ると そこには若い男が立っていた

「はい 私ですが?」エミリは答えた
咄嗟に悪い予感がした 男は笑った

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詩「行き先のバラクサ」👁️7

詩「行き先のバラクサ」👁️7

20240905

彼は車を走らせていた
リオウは助手席で ジュンは後部座席で眠っていた
ゲンゾウが撃たれた後 外に出たが誰も見つけられなかった
街の近くの病院にエミリを送った時 次に向かう場所を決めた

その途中 教団の信者に見つかり車を止められたが
ジュンを毛布で隠していたことと
エミリがマフィアのボスだと言うことを知ると
面倒ごとを恐れたのか通してくれた

彼とリオウの顔もバレていた可能性も

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詩「道化師のゲンゾウ」👁️6

詩「道化師のゲンゾウ」👁️6

20240904

「それで? うちの可愛い部下に何の用だ?」
気の強そうな女は椅子に縛り付けられながらも気丈に言った
「エミリさん わかっているでしょう
 あの罪多き子供の居場所を言いなさい」

エミリに話しかけているのはジュンに殺されかけた教団の幹部の一人
名前はゲンゾウ 薄気味悪い笑みを浮かべた老人だ
「そんな子供はうちには居ない まあ リオウのバカが一緒らしいけれど
 でもお前らに教える気

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詩「在りし日のマリン」👁️5

詩「在りし日のマリン」👁️5

20240904

「ああ そうか いや 心配すんな
 ああ ああ わかったよ ありがとう
 それで? ああ そうなのか
 まあ 仕方ねえな おう わかった」

砂浜には誰もいなかった
プライベートビーチなんてものがあると彼は知っていたが
海に入って泳ぐような季節ではないから
なおさら静かな場所だった

「で? 街の連中 なんだって?」
リオウは心配そうに聞いた
彼は少しだけ困った顔をしながら

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