代数和を「正の数に符号+をつけない加法」と見るか、「加法記号+を省略して」符号をつけた項を並べた加法とみるか。後者の立場をとると、今の啓林館はとても教えにくい教科書になっていないか?
アルゴリズムの最終ゴールは ●同符号異符号の加法のルール ●カッコはずしのルール の2つ。 でも、教科書では一旦カッコつきでやって、そのあとカッコはずし。どれが本物?本来の形?
もうひとつ、そこそこ複雑な式を見て、交換則・結合則(部分計算)の等式変形や、、筆算などの補助計算をまず書く習慣をつけるところから。目算でやってしまう(そして、そこから手を動かそうとしない)のを、どうシステム2の出番なのである、というところに移行できるか。
(1)点数計算は [?]+[-2点]=[-3点] たし算の式から[?]を求めるのがひき算で、[?]は[-3点]-[-2点]で計算できるよ これの抽象化が「加法←→減法」の形式性、 (2) □+△=● ⇔ ●-□=△ を使った説明。
フラッシュ暗算に(+3)+(-7)の計算をさせたいなら、この形式よりも3-7を与えた方が良いし、それこそ百ます計算の表を使った方がまだマシかな。 後は減法→加法の変換というか、“かっこはずし”のテクニックを瞬時に「書く」クセができれば。
代数和の計算技能がコア。しっかり計算ができるようにする(この際、目算だけに頼らず、ちゃんと筆算で答を求めるクセも) ↓ ( )がついているなど種々の問題は「装飾」。3項以上の問題は正負をまとめる。これらをやはり「書いて」素の代数和形式に変形できる技能を身につける。
すごろく→数直線(位置算)モデル すごろくモデルも言うほど直観的ではないかも。 (論点1) 基数的目盛(すごろく的目盛)→序数的目盛(定規的・数直線) (論点2) 「ひく」をどう表す? 位置算は「引かない」減法
わり算、÷という記号とわるという言葉を使わなくてもわり算の考え方はガンガン使う。 同じように、ひき算も反数のたし算に転換して、ひくという言葉を使わずマイナスに置き換えて、ひき算の発想が必要な時に立式ができるようにしておけば良いのでは。
何がわからないかがわからない人に教える人のための「正負の数」 小さな哲学者に向き合うためのヒント あるいは負の数をメタ的に理解するために 負の数をどのようにメタファーで理解しているのか
教科書では「減法は加法に直す」と表現されるやつを、バージョンアップしたのがカッコ外し。 あれ?直す? 加法はいいやつで、減法はダメなやつ?
でも、このルートの方が、最終的で次に進むための必要最小限の技能は最短でたどり着くし、むしろシンプルな形の「新計算」をまずしっかり基礎づくりした上で、()で数を修飾してある意味を後付けした方がいいかな。 +6が6と同じと最初に言っておきながら、しばらく+6と答えさせてるわけで。
受け取れる物の量も質も学習者によってかなり違う。計算問題が満点だったとしても。なぜその計算結果に辿り着くのか?その計算はどういう場面で使う(自分で文章問題作れるか?) でもまずは最低ラインとして計算ができることは保障するためのショートカット。必要ならあとで必要に応じて足せば良い。
たし算とひき算を同列に扱わなくていいのか? 減法を使うときは、意味と立式まで連れて行けば、答えの求め方は代数和に還元。必要なのは、減法の意味。 数学で使うのは、移項・連立方程式の文字消去と、関数の増加量(変化量)
やっぱり、小学校までの式は一旦置いてもらって、代数和を標準形として項で区切ってキャンセルタイル算なり、綱引き算なりで答えを出す「小学までとは違う新しい式・計算」としてもらった方がいい。小学までの計算は「どれだけ(絶対値)」を計算するためのツールに格下げ。
負の数の加減を考えるということは、これまで通り正の数の計算の考え方が使えるように負の数の演算を正の数の演算(具体的には〇より△大きい/小さい数を求める計算)に変換すること。その下ごしらえさえ終われば、あとは数直線上の操作を符号決定&絶対値計算のルールに持ち込むことができる。
負の数を使って表されたことばは、例えば、 「-3大きい」を「3小さい」のように、負の数を使わないで表すことができます。 このことから、ある数よりも負の数だけ大きい数、小さい数についても考えることができます。 (p19)
啓林館は負の数の加減計算を、これまでの正の数の扱いに変換して扱う準備をして、加減に入ることだ。
数直線上で計算結果を見つけさせるのは、指を数えて計算することに似ている!この素朴な計算結果の「探索」を経てから、便利なアルゴリズム(減法は、符号を変えた加法)を見せてあげたほうが、ありがたみがわかっていいのでは?
このように考えると、直観的にひき算を考えるにはやはり「取り算・残り算」であって、負数個残る、ということはあり得ないわけだから、負数のの減法は「推理・考察・判断などによる」「説明や証明をまつ」ことになる。その推理や説明をどのくらいすんなりと、推理しやすい理屈にするか?が勝負。
ひき算を直感的にとらえるには・・・? 求残(取り算・残り算) 「何かが減る、消える」取る、なくなる、食べる・・・ そして、残る ↓ 求部分(求補)(分け分け算) ※減るわけではない。 分かっているものを取り除く 分からないものが残る ↓ そして求差(比べ算)
直感: 推理・考察などによるのでなく、感覚によって物事をとらえること。(大辞林)説明や証明をまたないで、直ちに物事の真相を心で感じ取ること。(精選版日本国語大辞典)
ダメだったらこれかもあれかも、という切替ができるというか、学習者はこう考えているだろう、ということが見えるというか。学習者が説明したがっていることを、よく分からない、違う、ナンセンスと切り捨ててしまわぬように。そうきたか!を楽しめるように。
なぜひきざんにこんなにこだわるんだ、というと、これだけ「ひき算」と言ったときの出てき売る可能性について考え尽くして、そのうちでこれがいちばんスッと行くだろうということを考え尽くしている、という安定感がほしいから、かもしれない。
-7+5 の見方 1)数直線で-7がスタート地点、そこから右(+)に5進む *位置と移動量 2)-が7個、+が5個、対等で自在に入れかえ可能 *正量と負量(キャンセル量) 求答の根拠としてはどちらでも良いが、計算アルゴリズムの説明原理としては、後者がいいかな。
100マス計算の弊害。計算式を見たら、パッと答を出さなきゃいけない、という強迫。「基礎計算」と、順を追って計算をすることの区別。順序だてて計算する。頭の中ではなく、書いて計算を進める「忍耐力」、めんどくさがらない。アルゴリズム。2項演算でも、むしろ四則やカッコの計算に近い
もらう・ひかれるが加減立式の意味におくなら、ババ抜き的ゲームの点数計算を意味づけするのは、とてもよいかも。
変化量の推論 「原点から西(左)に3m」地点から「原点から東(右)に2m」地点に移動しました。どちらに何m移動した? || りんごを3個もっていました。何個かもらったら5個になりました。何個もらった? 2つの時間のものを比較していて、いちばんパッとつかみにくい?
変化前推論の位置算 [東(右)に2m]進んだら原点から西(左)に5mの位置まで移動しました。その前にいたのはどこ?…もっとこんがらがる。 位置1+移動=位置2 ←→ 位置2-移動=位置1 数直線を使ったとしても、ちょっと説明的過ぎて「ああそうなるのね」止まりにならないか?
変化前推論。 [+3点]獲得したら、合計[-5点]になりました。獲得する前の持ち点は何点だった? || りんごを3個もらったら、あわせてりんごが5個になりました。最初にりんごは何個持っていましたか? 同型とみて、同じ立式をする。う~ん無理がある?
(3) [+3点]を持って行かれるのと、[-3点]をもらうのとは、同じ点数になるよね → 式表記にもっていく n-(-3) = n+(+3) *同じ点数になることと、同じ操作であることは、本質的にはちがうけど、そこさえ納得できれば、いちばん直観的?
そこで負数減法の説明方法としては、負数が適用可能な (1)直観的な点数計算 (2)「加法←→減法」の形式性 (3)負数=逆量の操作の表現 (4)さかのぼり算1変化量推論 (5)さかのぼり算2(変化前推論) のいずれかになるが、各々意味が直観的に了解されてるわけではない
負数ひき算の説明に「直観的でないひき算の使い方」を持ち出すしかないのが苦しい。説明には求補・求残・求差がベスト。空間的(同時的)で素朴で直観的。ところが、りんごの個数に負数は使えない。テープ図も負数は使えない。
記法の問題。 何が上書きされるべきか、という学ぶ順序の問題。 もう一つモデル(意味付け)の問題。文字式、方程式を反重力ありの重さタイルモデルを使いたいのだ。
代数和の様式美。研ぎ澄まされた様式美。洗練された様式美。 小学校の計算との混乱。100マス計算的な見た目の引力からのモードチェンジ(100マス計算を使うのは、見た目に反応するところじゃないよ)
小学校の計算とちがう! 100ます計算のアンラーン(学びほぐし?) (1)項に分ける。+-の記号の前で分解。 (2)数は 符号・絶対値 のセットで答える。 (3)符号が+のとき、式や数の頭なら省略。 (4)カッコはずし・カッコつけ (5)加減・乗除は大きくちがう!
3-7 や -5-6 を減法として見ず、 3 | マイナス7 マイナス5 | マイナス6 と、数を並べたものとして見る見方を徹底。 その後で、 3 ひく +7 -5 ひく +6 という見方もあるよ、という説明。