乃井 万

昭和期から生息する"言葉好き類"の亜種です。気ままに言葉を使い、文章を書いています。何かを表現したがる特徴を持っています。エサをもらうと喜びます。

乃井 万

昭和期から生息する"言葉好き類"の亜種です。気ままに言葉を使い、文章を書いています。何かを表現したがる特徴を持っています。エサをもらうと喜びます。

マガジン

  • 古蓮町物語

    2000字前後の1回読み切り集です。 でも実はストーリーがつながったりしています。

  • ツッコミ神様見聞録

    1話1000字以下の4コマ小説?です

  • 世界と世界をつなぐもの

    一記事2000字前後です。創作大賞に挑戦しよう!と思って、人生で初めて仕上げた小説です。読んでもらえると嬉しいです。

最近の記事

  • 固定された記事

心の中へのお引っ越し

霧の朝 私の扉を叩く音が聞こえた 今までありがとう 大好きだよ どうしたの? 急に お別れしにきたの どうして? え……だって 知ってるでしょ? 住む所がちょっと 変わるだけじゃない 住む……ところ? 今まではね お家に住んでいたでしょ? うん これからはね みんなの心の中に住むの 心の中? ほら 今私のドアを叩いたでしょ? ここが私の心 ここに住んでいいの? 当たり前じゃない ずっと居ていいんだよ でも そしたら他の人と 会えなくなっちゃうね

    • 【ショートショート】「それ効果ありますか?」/風を治すクスリ

      「どうされました?」 「南東風っぽくて」 「えーと…寒井ふゆさん…ですね」 「はい」 「熱は何℃でした?」 「東京熱が…1月で18℃です」 「高いな。これは最近流行の温暖化菌ですね」 「ああ、やっぱり」 「薬を出しておきますから」 「効く薬あるんですか?」 「いやぁ〜、今一番効果があると言われている薬を出すしかないんですけどね。CO2ブロッカーとか」 「ああ、その薬は持っています」 「あまり効果はないですか?」 「今のところ…あまりないです」 「わっかりました。じゃあカーボン

      • 【勉強遊び】歴史の年号で定型詩を作ろう!奈良〜平安時代前半

        奈良時代以前の年号遊びはこちらです↓ 奈良時代710年 平城京遷都 モデル長安 シュトシュトの実の亜種か? 7 モデルちょうあん 10 シュトシュトのみのあしゅか? ワンピースネタっすね笑 ヒトヒトの実 モデル ニカ シュトシュトの実 モデル 長安 似てるぅ〜!🤣 ……。 はい。 次いってみよう! 712年 日本書紀が編纂される 日本最古の 書 だね 7 にほんさいこの 1 しょ 2 だね まんまなので特にコメントもありません笑 次行ってみよー!

        • 【ショートショート】「君と迎える朝」/シロクマ文芸部"働いて"

           働いているんだよね。私達のために。  知ってるよ。一生懸命働いているの。  でも収入が減って大変だったんでしょ?  だから借金して……  その借金を返すために借金して。  なぜ言わないの?なぜ相談してくれないの?  ふざけないでよ!  私はあなたのすべてを受け入れるつもりで結婚したの。将来あなたに起こる運命もひっくるめて。  そしてすべてを受け入れてきたつもりだった。  ……あなたのすべては私のすべてなの。  借金だってそう。  生活費を補うために、私たちを苦しま

        • 固定された記事

        心の中へのお引っ越し

        マガジン

        • 古蓮町物語
          11本
        • ツッコミ神様見聞録
          5本
        • 世界と世界をつなぐもの
          50本

        記事

          ひと夏の浮具物語/不眠症浮袋

          フーコの抵抗も虚しく、扉は簡単に開いた。 「この浮輪とエアバックだろ?」 「ああ。そうだ」 リンとクーゴは人間達に抱えられた。

          ひと夏の浮具物語/不眠症浮袋

          【ショートショート】「リスト入り」/無人島生活福袋

          31世紀となった今年、日本の人口は2000人を切った。 人々は本州各所の川沿いで共同生活をしている。 隆盛を極めた情報社会も人口の激減で情報量が枯渇し、コンピュータ自体が過去の遺物と化していた。 集落一の若者で好奇心旺盛な43歳がコンピュータを開いて見た中に『無人島生活の必要品』という記事があった。 昔はこんなことに興味があったのか。 ナイフ、テント、釣り竿…? 「あははは。そりゃ人間が絶滅危惧種になるわけだ」 100年ほど前に人間が人間をレッドリストに登録したという

          【ショートショート】「リスト入り」/無人島生活福袋

          【返答詩】変わらないよいつまでも

          この詩への返答詩として、これを書いていましたが順序が逆になってしまいました。 何度も消そうと思いましたが、消すに消せず、消したくない気持ちが強くなり、公開させて頂くことにしました。よろしければご覧ください。 忘れるわけがないじゃない あなたは心の支えなの あなたが迎えてくれるから あなたが家で待っているから 私は毎日頑張れた ゲージにいるのがイヤで よじ登って飛び跳ねて 骨を折った子犬の頃 ホントに心配したんだよ 私がご飯を食べてると エサをくわえて運んできて 一緒に

          【返答詩】変わらないよいつまでも

          【わたしの勉強法】真面目にふざける

           こんにちは♪  開業してから20年以上、学習塾の塾長兼講師として生徒たちと接してきています。  勉強法に関しては、ある意味プロとも言えるのですが、今回は私の勉強法ということなので紹介させていただきます。  いつも変な話ばかり書いている私ですが🤣、ここは『真面目ふざけて』話していきたいと思います。 真面目ふざける勉強法 そもそも、私は勉強というものが好きではありませんでした。だから、普通にやっていても飽きるので、自分なりに楽しさを見つけてやっていたように思います。それは今で

          【わたしの勉強法】真面目にふざける

          【ショートショート】「缶蹴りの決意」/缶蹴り恋愛逃走中

          「缶蹴り!どこに行くんだ」 「逃げるんだよ!俺じゃいくら頑張っても恋愛にならねーんだ」 恋愛の国の掟。 すべてを『恋愛』に結び付けること。 缶蹴りの俺には無理だ。 『缶蹴り』では… 「やったー♪」 「イェーイ!」 …って、 こうはなっても… こうはならんのよ! 「社内!遠距離!お前らはいいよな。まさに恋愛の代名詞だもんな」 社内は申し訳なさそうに頭を掻いた。 「確かにそうだけど、俺だってそう簡単にはいかないんだよ。上司とか周囲の目とか色々気を遣うんだから」 「そ

          【ショートショート】「缶蹴りの決意」/缶蹴り恋愛逃走中

          【詩】ただそれだけなんだ

          ただね 一緒に居たいだけなんだ ただね 顔が見たいだけなんだ ただね あなたが好きなだけなんだ 僕がふざけた時 僕を見て全力で笑ってくれる 僕が疲れた時 何も言わずにそっとそばにいてくれる 僕が嬉しい時 僕より楽しい笑顔で喜んでくれる 僕が悲しい時 僕より涙を流して寄り添ってくれる そんなあなたが大好きで そんなあなたと一緒にいたくて そんなあなたがいる世界だから こんな僕でも生きている 僕はね、あなたより早くいなくなる あなたもそれは知っている もしもね、僕がいなく

          【詩】ただそれだけなんだ

          【ショートショート】「人生傾向箱」/長距離恋愛販売中

          きーめた! あたし、あのお父さんとお母さんの子供になる! だからもう下界に行く準備しなきゃ。 でもその前に『人生傾向箱』を買わないと! 『人生傾向箱』とは下界での 人生の傾向を決めるものである。 下界に行く魂の必須アイテムだ。 ※ この店キャッシュレスなんだ。スゴッ! 「いらっしゃいませ」 「あの…」 「『人生傾向箱』でございますね」 「はい」 「この辺りがお勧めです」 「安心安全で」 「承知致しました」 「ん…"OP長距離恋愛"?何これ」 「はい。人生傾向箱のオ

          【ショートショート】「人生傾向箱」/長距離恋愛販売中

          【シロクマ文芸部】「遠慮深くて気を遣う紅葉」

          紅葉からご鑑賞中の皆さまに『是非ご挨拶をさせて頂きたい』との申し出がありました。 紅葉さん、どうぞ。 あ、お耳汚しで失礼致します。 毎年、私を見て喜んでもらえてありがとうございます。とても嬉しいです。 嬉しいんですけど……。 あの…。 それ……私のパジャマ……なんです。 ご存知かと思いますけど、皆さんが喜んで見てくださっている私の姿は冬眠前に着るパジャマなんです。 落ちれば布団になって私を包んでくれます。 その後、虫たちが分解してくれて来年の栄養になります。 私のパジ

          【シロクマ文芸部】「遠慮深くて気を遣う紅葉」

          【ショートショート】「秋縛りのしりとり」/紅葉から

           紅葉から始まったんだよね。  2人で家のお迎え待っていて、暇だからって始めた秋縛りのしりとり。 「じゃあ俺から始めるぞ。紅葉」 「じ?じ…自然薯!」 「スゲ!よく出てきたな。よ…よ…夜長」 「が?また濁点ずるくない?が…雁行!」 「ガンコーって何だ?」 「空を飛んで行く雁の行列のこと」 「ゲ!語彙数ゴイスー!」 「はいはい(笑)、続き」 「う?う……う、盂蘭盆会!」 「やるじゃん!枝豆」 「名月」 「蔦」 「た……体育の日!」 「今はスポーツの日じゃない?」 「い、いいんだ

          【ショートショート】「秋縛りのしりとり」/紅葉から

          【ショートショート】「伝説の池が輝くとき」/ キンモクセイ盗賊団の池

          数十年前に忽然と姿を消したという『キンモクセイ盗賊団』。そのお宝が沈んでいる池が存在するという伝説がある。 国家予算を軽く超えるほど莫大な額にのぼるとも言われ、その宝を多くの盗賊団が血眼になって探していた。 そして、とうとうその池が発見された。 木星の第2衛星エウロパ。 火山活動で熱された氷が一部液体となっている場所。それこそがキンモクセイ盗賊団の池らしい。 「とうとう見つけた」 宇宙服(ウルトラライト)を着た一団が池を囲んだ。表面は厚い氷に覆われている。 「しかし綺麗な

          【ショートショート】「伝説の池が輝くとき」/ キンモクセイ盗賊団の池

          【ショートショート】「廃寺の最後の言葉」/沈む寺

          ここにあったお寺のことを僕は忘れない。 今は十数件しかないが、昔は百件以上が生活していた山間の集落。 交流の場でもあった皆集寺が人口減少に伴って廃寺になったのは十年以上も前のことだ。 だが、廃寺になった後も人々は草刈りや落ち葉掃きなどの整備を欠かさない。 「ここには思い出が詰まっているから」 みんな口々に言う。 そんな集落に百年に一度と言われる大雨が襲来した。 過度に森林伐採されて露出した山肌。 豪雨は土を少しずつ削ぎ落とし、集落へポタポタと不気味に流れ落ちていた。

          【ショートショート】「廃寺の最後の言葉」/沈む寺

          【小説】「過去と未来の中間地点」

           少年は雷に打たれたように立ち止まり、目を大きく見開いたまま近づいてきた。 「ねぇ、なんで文章なんて書いてんの?」  私はペンの運びを止め、少年を見て微笑んだ。 「伝えたいことがあるからだよ」 「伝えたいこと?」  少年は奇人を見たかような瞳で私を見る。その目は奥底まで澄んだビー玉のようだった。 「そうだよ。文章を書くのは嫌い?」  その問いに少年は何度も首を縦に振る。 「だって、何書いたらいいか分からないんだもん。『自由に書け』って先生は言うけど、ホントに自由に書いたら怒る

          【小説】「過去と未来の中間地点」