博物館から、歌舞伎を解放した猿翁が亡くなった。「天翔る心、それがこの私だ」のなかで、ちからがこもっていたのは、「この私だ」だったように思い出す。
芸には「変わるもの」「変わらないもの」「変えた方がよいもの」「変えてはいけないもの」の4つの面がある。 伝統とは時代と共に進化してなお根幹が揺るがぬことだ。 【図解40】あり方とやり方、変わるものと変わらないもの|山田太郎|図解描き https://note.com/yamadakamei/n/n33fd02985b40
猿翁さん亡くならはった。 高校生の時初めて観た歌舞伎がこのかたの義経千本桜だった。 南座の三階席で狐装束の宙吊りを間近に観た。 嬉しげな表情、舞い落ちる白い糸端や伝う汗まで見て取れた。 あたしの歌舞伎の始まりのひとがなくなり、あたし自身の何幕目かの幕が降りたような気がする