7月歌舞伎座に澤瀉屋
昨日、速報が出ました。
7月歌舞伎座夜の部に猿翁さんが手がけた作品がかかることになりました。
「千成瓢薫風聚光 裏表太閤記」(せんなりびょうたんはためくいさおし うらおもてたいこうき)
昭和56(1981)年に明治座で初演され、昼夜かけて上演されたそう。猿三郎さんのblogによると、大阪の梅田コマでも上演があったとか。その時以来、43年ぶりに甦ることになりました。
豊臣秀吉の出世物語「太閤記」をもとに、秀吉の華々しい「表」と、明智光秀らの悲劇的な「裏」を織り交ぜた裏表太閤記。猿翁さん(三代目猿之助)、奈河彰輔さんの脚本、藤間勘祖さん(六世藤間勘十郎)の演出・振付。。もうテッパンな澤瀉屋作品。
私はもちろん観ていないのでどんな話かは知りません。が、宙乗り、早替り、立廻りはあったようで猿之助歌舞伎らしく派手な作りだったと思われます。
記録を見ると「華果西遊記」の場面がありました。これも猿三郎さんのblogによると、もともとこの作品の一部だったそうです。それが今は独立して「華果西遊記」だけの上演になったとか。私は右團次さん(当時 市川右近)で観ています。
孫悟空が分身の術を使って楽しいのですよね。表裏太閤記の時は孫悟空の宙乗りがあったそうです。
それに昼夜通し!(笑)三代目らしい。。。
これを夜の部だけにまとめて上演するのだからすごい。
時短にこだわる四代目がいれば縮めることは「いつものこと」ですが今回はどうなるでしょうか。とはいえ、作品を観ていないから問題はなさそうです。
それに。。速報の座組を見た時に泣けました。
猿之助さんがいない今、澤瀉屋の狂言の復活は無いと勝手に思っていました。先代たちの演出や芸、スピリッツを体現できるのは四代目だけだと思っていたから。
それを幸四郎さんが!と泣けてきた。
猿之助さんがしていたことを幸四郎さんがしてくれる。
もちろんお一人でするわけではないけれど、違うお家の観たことがない狂言を復活だなんて心意気に感動してしまった。
三代目猿之助をリスペクトしていることは知っています。澤瀉屋の「伊達の十役」もご自身の襲名披露公演の演目として上演してくれました。
幸四郎さんが実現してくれるなんて。しかも白鸚さん染五郎くんも一緒です。また、猿之助さんの代役をそれぞれ務めた経験がある安心の右近さん巳之助さんもいるし、新作の演出経験者の松也さんも。
演出は、六世勘十郎さんの孫、当代の勘十郎さん。
中車さんも心強いでしょう。
そして、7月と言えば、三代目猿之助が約30年にわたって歌舞伎座で奮闘公演を行ってきた月です。ご縁がある月。
猿之助さん不在で、このままお家芸が復活されず時が経つことは覚悟していました。
私は素直に嬉しい。
どんな作品かワクワクします。
幸四郎さんが「新・水滸伝」に特別出演してくれたことを思う。何も言わずとも舞台姿で語ってくれるのがこの方。
いつかまた一緒に舞台に立つ姿を想像させてくれます。
この風に乗ろうと思います。
aya