摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~117
「やっぱり自分一人の力だけでは限界がある。人に話しを聞いてもらったり、人の話を聴くことで、今まで気が付かなかったことに気付くこともある。そうやって、少しずつ、一つ一つ変えられることから変えていければいいのかもしれない・・・」
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部屋の時計を見るともなく眺めていた。こうして、何も行動することなく、ただただひたすら考え事をしていても、買い物に行っても、過食していても、そして吐いていても。何なら寝ていても、時間は同じスピードで過ぎていく。延々と続く、先の見通しが立たない、終わりが見えない摂食障害も、もしもいつかは克服することが出来るのならば、その(いつか)に向かって、確実に時は刻まれている。いや、そうであるはず、そうであるに違いない、と信じたかった。
「時計の秒針は、わかりやすく時を刻んでいるけれど、短針は、一見すると全然進んでいないように見える。だけど、確実に進んでいる。秒針は、1分間で1周、1時間(60分)で60週。短針は、12時間で1周だから、その間に秒針は(60✕12=720)720周・・・私は、秒針のようにわかりやすく進んでいる訳ではない。けれど、短針のように、一見すると全然進んでいないように見えたとしても、確実に進んでいる、と信じていたい。720分の1のスピードでもいい。少しずつ、一つ一つ変えられることから変えていければいい。だって、今の私には、そうすることしか出来ないから。それが精一杯だから。それでも諦めないで、今出来ることを続けていくしかないから。たとえ短針だとしても、秒針の720分の1のスピードだとしても、それでも12時間経てば、必ず1周することが出来るのだから・・・」
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摂食障害という、長い長いトンネルに、まだ出口は見つからない。
そして、完璧主義やマイルールで窮屈な状態から自分を解放して、追い込まないようにすることが、自分を許すことであり、自分を大切にする・・・そうする私に立ちはだかる、私自身が長い間かかって作り上げてしまった分厚い壁を取り除くための答えも、まだ見つからない。
「出口も答えも、どこにあるのかなって、どこかにはあるはずだって、必死になって探しているうちは見つからないのかもしれない。でも、もしかしたら、出口も答えも、探すものではなくて、自分で作るもの・・・そう、どこかに落ちてたり、転がっているものではなくて、自分で作るもの。それは、必ずしも自分一人で、ということではなくて、人に話しを聞いてもらったり、人の話を聴くことで、今まで気が付かなかったことに気付く。そういったことを繰り返すうちに、少しずつ自分の中に作られていく・・・そういうものなのかもしれない」
今日もありがとうございます。