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みなさんの現代語俳句 ~作品・記事集~

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現代語俳句の会の作品・記事集です。 #現代語俳句の会 のタグをつけて頂いた作品・記事を納めています。 2019年12月分より。
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#俳句

2020年下半期自句

2020年下半期自句

【夏】

  岐路ならばひょいと風鈴鳴る方へ

  飲み込んだ愚痴でいっぱい夏の雨

  厭世の夢さめて夢籐枕

  青田ひとつ球児引退帽子脱ぐ

  黒衣着る顔の煤けた梅雨の月

  新じゃがの岩戸ごつごつ光あり

  葛餅め九谷の笹葉すべり落ち

 ◯教科書を捨てて知ること鴎外忌

 ◯色落ちのあじさい落とす長雨よ

 ◯舞い降りた鷺が隠れて青田原

  茗荷の子もしや奥歯はジャズ奏者

  

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寒椿道ゆく人に温もりを

寒椿道ゆく人に温もりを

季語:寒椿(晩冬)

かんつばきみちゆくひとにぬくもりを

急に冷え込みがキツくなりました。体調や気分が天候で大きく左右されるタイプであることもあり、なかなかやる気、根気、元気をキープできずにいました。いくつか心配事もあったのですが、先週末にようやく解決したところで、久々に愛用のMacBook Airの電源を入れる気になりました。

2011年モデルとやや古いので、このnoteの執筆画面でさえ保存

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気まぐれなるままに俳句

気まぐれなるままに俳句


鍋かこみ手酌の顔もほころぶか

マグカップつつむ両手に寒茜

*古語と現代語

現代語俳句の会のタグを付けて俳句を詠むようになって一年ちょっと。句会にも参加させていただくようになった。
その前段階として、短歌を通して和歌を知りたいと思い古語使いを勉強、挑戦してもきた。
これはどうしても古語で行きたいと思った筆頭が、この矢口さんとのコラボだ。

古語は調べながらでも難しい。これも一点間違いを見つけ

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今年最後の句会

今年最後の句会

人はいつ飛ぼうとしたか落ち葉舞う

ホットワインミスターポアロに挑む夜

冬ざれよノイズの乗ったレコードよ

おかえりの言葉ひとつよ寒茜

冬の街だまって光輝いて

最後の句会でした。後で悠凜さんが仰ったのですが、ミスターじゃなくて、ムッシューだったら選んでたと😂
ただわたしは実際にはエラリークイーン派なんですけどね←

一年現代語俳句の会の投句、句会に参加して思うのは、古語文語を一切使わない俳

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湖上よりヴィオラの調べ鴨の陣(第11現代語俳句メール句会参加)

湖上よりヴィオラの調べ鴨の陣(第11現代語俳句メール句会参加)



湖上よりヴィオラの調べ鴨の陣



疫病に余白ばかりで日記果つ



冬霧に球体ならべ灯る街

一部改変しました



冬浅し駅にあらわるアキレス腱



今際さえ山茶花の見た夢の日か



↓コチラの句会に参加↓

Kusabueさん、句会の皆さま、
いつもありがとうございます!
#俳句 #haiku #詩歌 #冬 #現代語俳句 #現代語俳句の会

現代語俳句の会「都市を詠む句会」に参加しました

現代語俳句の会「都市を詠む句会」に参加しました

こんばんは、笹塚です。日本シリーズが終わってしまった。。ホークス強かったですね。

さて、現代語俳句の会で行われた、「都市を詠む句会」。冬の季語+都市を感じる作品をということで、今までにない感覚……今までとは違った産みの苦しみと一句詠んだ(詠めた)ときの喜びと楽しさがありました。

***

以下、投句作品+αです。

白い息はずませ進む交差点

クリスマス山手線で結んだ手

初雪を同じビルから見

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句会 滑走路背に冬銀河

句会 滑走路背に冬銀河

さあ行くぞ滑走路背に冬銀河

マフラーにうずまる頬も赤らんで

かじかんだ夜よぽつりと立つ街灯

冬銀河  【三冬】
マフラー 【三冬】
かじかむ 【晩冬】

滑走路を飛び立った機体の頭上には満天の星か。眼下にはイルミネーション豊かな夜景か。とは言え、飛行機には随分乗ってないな〜

さあ行くぞと、文末強調の「ぞ」を切れ字として使用した初めての句です。

そう言えは「土曜の夜は羽田に来るの」とハイフ

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夜夜中急ぎ手探り吸入器

夜夜中急ぎ手探り吸入器

季語:吸入器(三冬)

よるよなかいそぎてさぐりきゅうにゅうき

季語のなかには、意外なものもたくさんあります。吸入器が季語であることは、歳時記を眺めていて偶然見つけました。冬の冷たい空気は、気管支の収縮を引き起こすことがあります。そのため治療薬である吸入器が、冬の季語となったのでしょう。

気管支炎、喘息の発作は夜中によく起きます。息苦しくて目が覚め、あわてて手探りで枕元においたはずの吸入器をさ

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現代語俳句の会十月投句分+α

現代語俳句の会十月投句分+α

さよならを見送るだけか秋の風

林檎食む頬に夕陽のさしてこそ

稲妻と落ちる初恋閃いて

目をつむり亡き友と酌む紅葉酒

すすきまで手をふり返すひとりの夜

快速よ待ち人の住む街も秋

オルゴール遠い記憶に照る紅葉

赤とんぼ追い越してまた追い越され

***

「現代語俳句の会」メール句会に投句した五句と、出さなかった句を載せました。

秋は、いろいろ思い出します。亡き友のことや、初恋のことや、

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大きく空に五つの輪 10月句会

大きく空に五つの輪 10月句会

草笛さん主催の句会。10月分です。
今回の(も)わたしの句は、反省点ばかり目立ちました。

いきます!

歳月よ声遠のけば彼岸花
季語 彼岸花

秋刀魚買う庶民の味とはいつの事
季語 秋刀魚

つれ添って歩いた山よ斑紅葉
季語 斑紅葉

蓋の中まだまだ待てと栗ごはん
季語 栗

体育の日おおきく空に五つの輪
季語 体育の日

歳月よ声遠のけば彼岸花
つれ添って歩いた山よ斑紅葉

まずこの二句です。

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