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#土木
第73話 「働き方改悪」VS鍋元さん
「働き方改革じゃなくて、働き方改悪だろ! 政治家とか官僚とかって馬鹿じゃねえか!」
「ねえ、大丈夫?」
鍋元洋司は、朝起きていきなり、妻の鍋元衣子から心配そうに声を掛けられた。
「寝言で得体の知れない文句を言っていたわよ。政治家とかって何?
変なことに巻き込まれてない?」
衣子は怪訝そうな顔をしている。
「大丈夫だよ。何でもない」
「ねえ、本当のことを言ってよ。この工事はすごいお金が動いて
ゲンバノミライ(仮)第43話 ファインの大橋さん
草木が生い茂った中で、リュックを背負ってゆっくりと上がっていく。現地に行くという基本は不変。
だが、肉体労働が待っている訳ではない。刻々と上がってくるデータと、現地に立った時の第一印象を基に、設計者に渡す基礎資料を作成する。これは究極のリモートワークだと思っている。
大橋亮は、建設工事の計画地に行って現地を測量して3Dデータ化し、計画用途を踏まえつつ、大まかなイメージ案を作る会社に勤務している
ゲンバノミライ(仮)第37話 レンタルの豊さん
頼まれたらすぐに持って行く。終わったら回収して、手入れをして、いつでも再出動できるようスタンバイする。シンプルだが、求められているのはそういうこと。ニーズを間違いなく受け止めることが何より大事。
企業向け資機材レンタルサービス会社で働く清水豊は、入社以来、そう教わってきた。伝票形式だった在庫管理を電子化して、稼働履歴を担当者間で容易に共有できるようシステムを構築したのは、顧客対応のスピードと正確
ゲンバノミライ(仮)第28話 境界線上の森田社長
ようやく最上階まで立ち上がってきた。設備や内装の工事はこれからなので完成にはまだ時間はかかる。最初の1棟ができても、周辺は更地のまま。だが、復興に進んでいることが見えてきただけでも大きな進歩だ。
森田真知子は、復興プロジェクトを包括的に手掛けるコーポレーティッド・ジョイントベンチャー(CJV)の下請企業で社長をしている。3代目続く小さな総合建設業の会社として若くして家業を継いだ。社長としての肩書