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【読書感想文】落合陽一「忘れる読書」

皆様、新年あけましておめでとうございます。
2025年も、変わらず読書を続ける男、小栗義樹です。

本来ならば、新年1発目の記事であれば、抱負や気持ちなどを書くべきなのかもしれません。しかし僕からすれば、2024年だろうが2025年だろうが日々の延長でしかないということで、変わらず読書感想文を書かせて頂きます(笑)

ということで、新年最初の題材はコチラです。

落合陽一「忘れる読書」

です。

落合さん、今話題になっているのをご存じでしょうか?

彼が経営しているピクシーダストテクノロジーズ株式会社が、わずか1年でナスダックでの上場を撤廃したことで、ネット民や投資家から叩かれているのです。

株主からすると、株の流動性が落ちるということは資産価値が圧倒的に下がるということなので、怒りたくなる気持ちも分かります。騙されたと感じてしまう人がいてもおかしくないのではないでしょうか。

しかも、非上場化に伴う説明というか、株主へのケアが全然なされないという部分も火に油を注いでいるみたいですね。保身に走らず説明せよという発言・空気に満ちているという印象です。

ちなみに僕はピクシーダストの株主ではないですから、文句を言う権利はありません。この件で落合さんがどんなスタンスを取ろうと、知った事じゃない。

今まで支えてくれた株主・スポンサーに対して誠意を見せるのは当たり前というか、そうしないと遺恨が残ります。一方で株主やスポンサーも、そういうリスクを常に孕んでいる事を承知で出資したのだから仕方がない。

そんな感じじゃないでしょうか。

でもまぁ、ピクシーダストの業績だけを見ると、現時点ではビジネスセンスが無かったと言わざるを得ないですね。圧倒的にプロモーションにかけている費用が大きすぎます。にもかかわらず売上が上がっていない。考えられる
可能性は2つで、そもそもプロダクトが大きな市場に刺さっていないか、プロモーションが検討ハズレなのかです。

プロダクトが市場に刺さっていないのであれば、すぐさま目的を変更をするなどの対処が必要です。これだけ広告費をかけて売れていないのだから、プロダクトにニーズがない可能性は十分にあります。あるいは、トレンドを先取りしすぎているのかもしれません。

プロモーションが上手くいっていないということは、そもそもマーケットの分析が弱いということです。マーケットの分析が弱いということは、優秀な専門家を人材として囲い込めていないということです。ここからも、人事の問題や業務の不足などの予測が立ちます。

ピクシーダストの売上は開発を代行する費用がメインです。典型的な職人会社であり、民間から費用を集めた研究機関であるともいえると思います。

もしかしたら逆転の一手があるのかもしれませんが、現段階では、事業改善・業務改善に注力した方がいいでしょう。外部から、そういうのが得意な専門家に入ってもらった方がいいレベルだと思います。

そんな苦しい状況の中にいる落合さんが書いた読書に関する本が題材です。大分話が逸れましたが、トレンドの理由を簡単にご説明させて頂きました。

本の内容、ベースは「これからの時代を生き抜くために必要な持続可能な教養を育む」です。その為の手段として、読書がとても有効ですといったことが沢山書いてあります。

ピクシーダストの話をしたので余計に思うのですが、やっぱり落合さんは教育や学習、研究などの話をしている方が面白い気がします。彼の行っている研究が、たまたま世界のトレンドの前線にいるからビジネスの話っぽく聞こえるだけで、基本的には学欲に関する話が根底にあり、ビジネスは、言い方は悪いですが「ついで」みたいな感じに見えてしまう。

もちろん、本人はそんなつもりはないのでしょう。ただ、それくらい深度が違うとは思うんですよね。

題材となっている本に書かれている読書法については、基本的に僕も賛同しました。実際、沢山の本を読むにつれて、色々な読み方があることにも気づきましたし、その読み方から得られる効果みたいなものも言葉で表せるようになってきました。

そんな状態でこの本を読むと、「あ、確かに」と思う部分が沢山あります。

題材本の中に、紹介図書が数冊出てくるのですが、多くが思想や哲学に関する本でした。本の内容というよりも、内容の解釈やその結論に辿り着くまでの思考の道筋を推察・想像し、モノを考える方法に置き換えていくということが大切であるというメッセージが随所に散りばめられていて、大変読みごたえがあるなと思いました。

実際、それ以外に教養を身に着ける方法ってないと思うんですよね。教養を身に着ける系の本のほとんどは、このメッセージに集約されるような気がします。落合さんはその中でも、説明するために必要な語群が圧倒的に多いなと思うし、あまりにも色々な角度から説明しようと試みている。

そういう意味で、かなりボリュームのある本ですから、はっきりいってお買い得かなと思います。自分のためにもなるし、この本をベースに、お子様に対して教養を身に着けるための訓練メニューを組んであげることも出来るはずです。

冒頭に会社の話をしましたが、ビジネスと学問・研究は、密接ですがプロセスはまったく別物です。仮にビジネスがうまくいっていなくても、彼が持つ語群の豊富さ、論理的思考法数の多さは、疑いようがありません。

忘れる読書、オススメです。ぜひ、見かけたら読んでみてほしいなと思います。

というわけで、本日はこの辺で失礼いたします。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
2025年も、どうぞ宜しくお願い致します。
また明日の記事でお会いしましょう!




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