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記事一覧
1人百人一首〜藤の傘〜
雨の日は交差点が滲んでていつもよりかは決められなくなる
雨濡らす丸い額と藤の傘今日はビールの気分じゃない
一人百人一首〜来航〜
星空はあばたのように降り注ぐ愛し愛し海鳴りの人
星々は見守るようで殺伐とただ私の気持ちを飲み込む
海鳴りは紫煙を吸い込む化け物で孤独に寄り添う妖かもす
大人にはなりきれないから真っ黒な海岸線をただなぞるだけ
海は生き空も生きてる午前2時私の輪郭曖昧のまま
波招く境界のない真っ黒に拐かされてチェーンを解いてる
下田の海は残酷に境をくれず真夜中の誘惑をする6月3日
1人百人一首〜憧憬〜
越えられぬ壁ならすり抜け遠回りなんでもいいけどなんにもできない
半袖のあなたに会ってみたいのよ聞きたい触れたい脱がせたい
家飲みは奴ケチャップが1番だそんなお酒をあなたと飲みたい
恋心隠して熟れる繊細な実であるけれど摘んだら終わり
もう少し黙っていればその心我と少しは近づいたのか
忘れない夜中に歩いたこの道をもうないふたりの小さな思い出
他愛もない仕草も癖も横顔も永遠にきらめく北斗七星
一人百人一首(二束三文)〜修学旅行〜
潮風が香る横浜珍しく襟巻した君
小船が揺れるJan.21
すれ違う異国の言葉も無意識に探し出してる君の声など
粉雪が城を隠して降り積もるはしゃげど残した心のこりと
漂白をしてもなにかに染まるわけではないこともゲレンデの白
人生で一番の雪を誰と見る見なくても白い苗場の粉雪
ゴーグルと帽子で見えぬ本心を雪玉に託し吹雪けよゲレンデ
場所と時間決心伝わる伝言に応えられねど向かうさみしさ