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あれから夏は、彼女の不在と共にやってくる。
毎年、6月。夏が始まる季節。彼女に会うため、高尾へ行く。
空の青、湿った空気、虫の音、世界が今年も夏が訪れることを告げている。
7年前のあの夏、私たちは、彼女を失った。
彼女を見送った日は梅雨らしくシトシト降り続けていて、
会場に入りきれない人たちが、傘をさして並んでいた。
誰かが煙草を買いたいと言いだし皆でコンビニに寄り、
各々ジュースや酒を買い、涙として流れた水分を補った。
雨を見ては「彼女
「老い」は克服せずにシェアしよう
たいへんなデータがあります。日本人の死亡率はどれくらいか知っていますか?…100%です。
上智大学・デーケン神父が話の導入につかう、十八番のフレーズだ。私たちは、みな、いずれ死ぬ。デーケン氏は、死をタブー視する現代日本人に、死生観形成の大切さを説いてきた。
そんな全ての人にやがて訪れる死の前に、ほとんどの人が迎えるものがある。「老い」だ。人間は生まれた瞬間から老いる運命にある。そして、その老いも、
誰がアパレルを生かすのか サブスクリプションが叶えるは「お得感」より「納得感」
2017年に話題となった本『誰がアパレルを殺すのか』は、ロングランでよく売れた。ちょうど書店で研修をしていた時期で、老若男女に広く買われるのが印象的だった。
アパレル関係者以外にも受けたのは、書名のインパクトとポップな装幀が功を奏したからだけではない。多くの人にとって、自らのビジネスの危機感や生活の変化に響いたのだろう。
私自身、正直オシャレとは縁遠い生活をしているものの、出版業界へのヒントを求
究極のオーダーメイドたる家庭料理
むかし、人んちの晩ご飯を覗き見するテレビ番組があった。しゃもじ片手に不法侵入するアレだ。気付いたら番組終了していたが、制作にかかわっていた友人によると、どうやら本当にアポなしで突撃していたらしい。
あの番組の面白さは、強引な芸能人と慌てふためく素人とのやり取りだけでなく、本来であれば極私的な空間である「他者の家庭料理事情」を見られる点にあった。自分と違うとか同じだとか、そういう楽しみ方ができた。こ