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文月の日記 世の中は『7割主義』で出来ている?



Ⅰ.ASDさんの完璧主義

ASDさんの特徴として
しばしば「完璧主義」が挙げられます。

ASDさんはこだわりが強い特性もあって
「完璧にやり遂げないと気持ち悪い」
という気持ちが強いです。

私自身もまたこだわりが強く
完璧にやらないと気がすまない性格です。

ASDさんは
基本完璧さを求めます。

ASDさんが
完璧主義になりやすい理由として

視覚の感覚が優位に働きやすい
『白黒思考(0か100か思考)』で物事を考える

などの特性が挙げられます。

ASDさんは
視覚で記憶する傾向が強く
これを「視覚優位」と言います。

最初に体験した経験は鮮明な映像で
ASDさんの頭の中に刻み込みまれます。

その影響から
少しでも前に見たものと違うと
「別物」として捉えてしまいます。

ASDさんは過去の体験を
映像として記憶するため

言葉と違って曖昧に考えることが苦手で
わずかでも一致しないと気持ち悪く感じます。

例え似たような経験であっても

少しでも違う部分があれば
別物と捉えてしまうので同じものと思えず
経験が蓄積されにくい
のです。

またASDさんは映像記憶に加えて

「白か黒か」(0か100か思考)という
ハイコントラスト思考で
物事を考える傾向があります。

その影響から

正確に一致しないと
同じと見なすことができず

「違う」と感じて完璧に一致させようと
懸命になりやすくなるのです。

Ⅱ.定型発達は7割主義!

反対に定型発達さんは
過去の経験から似ている経験を探し出し
その経験を応用して取り組みます。

新しいことに挑戦する時でも
過去の似たような経験を思い出して
そこから共通点を見つけて対応していき

「大体」「適当」といった
曖昧な判断基準でも
相手の立場で考えて動きます。

大体できていれば合格という
「7割主義」の思考が
定型発達さんの特徴
なのです。

Ⅲ.ほどほどのさじ加減

定型発達さんは何事も
7割一致すれば合格と見なしますが

ASDさんは
曖昧さや論理的矛盾があると
落ち着かずしつこく指摘します。

そのため定型発達さんはASDさんに対し

「融通が効かない」
「反抗的な人」

などと時には
自分が責められているように感じ
不快に思うことも少なくありません。

定型発達の世界は
基本『7割主義』でまかり通っています。

3割ができていなくても
7割完成できていれば大体OK
というのが
定型発達さんの考えなのです。

何事もほどほどでちょうど良いというのが
定型発達さんの『7割主義』ですが

ASD当事者の私からすると
『ほどほど』のさじ加減が難しいです。

ASDさんは
「大体」「適当」などの曖昧な指示が
分かりづらい
ため

基準が明確でないと
作業の手が止まりやすいです。

私も経験を重ねるうちに
「ほどほどさ」について
それなりに分かるようになりましたが

それでも
基準がハッキリしていないと
気持ち悪い
と感じてしまいます…

ASDさんが完璧主義になりやすいのも

何事もハッキリしていないと気持ち悪い
と感じる居心地の悪さだと考えます。

しかし完璧主義にこだわりすぎると
周囲との軋轢の原因にもなってしまいます…

私は『7割主義』という考えを
意識するようになってからは

支障がなければOKという意識が大事かな
と最近思うようになりました。

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