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生きづらさの根源、壊れた本能。『フワっと、ふらっと、精神分析(フロイト心理学)Ⅱ』


1. 壊れた本能

 人間の本能は、動物のそれよりも「誇張された本能」で、

精神分析学(フロイト心理学)などでは、「壊れた本能」ともいいます。

 人間が地球環境下で生きて行くのはままなりません。

 他の野生動物と異なり裸のままでは冬の寒さをしのげませんし、住むところがないと雨風をしのげません。

 都市部では自給自足が困難で、貨幣経済システムの中に取り込まれてしまっています。

 野生動物は生まれたままの姿で家などなくても金もなくても、ガスも電気もエアコンも、風呂も車も電車も飛行機もなくても生きていけます。

 そのようなものは全く必要ありません。

 地球環境にベストマッチしているからで、逆に人間は自然のままでは生きていけないということですから、地球環境に全くマッチしていないということになります。

 人間はこのように動物的な本能を満たすことすらままならないのに、それよりも誇張された本能を持っているので余計にままなりません。

 例えば動物の場合は、食欲などなら「満腹になればそれでいい」わけです。

 ですが、人間の場合、そんな動物的本能を満たすだけでは、満足ができないわけですね。 

「高層ビルの最上階の雰囲気のいい店で食べたい。」とか、

「綺麗な盛り付けをしているものを食べたい。」とか、

「流行の食べ物を食べてみたい。」とか、

「エスニック料理を食べてみたい。」とか、

「オシャレな食べ物を食べてみたい。」とか、

思ったりするわけですから、

本能が「誇張」されており、単に空腹を満たすよりも、大変なことを求めてしまい、

ですがそれは、単に食べるよりも大変なことですから、

欲求が満たされない場合が多く、「欲求不満度」がさらに高まることになります。

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