こんにちは、小野えあです 1型糖尿病と共に生きる糖尿病内科医です。 以前から何度か「スティグマ」「偏見」について書いているのですが、時間が経って読み返してみたら言いたいことが少し変わってたので、書き直すことにしました。 最初に、それぞれを簡単に説明する図を置いておきます。 最初に聞きます。 「あなたは偏見をもっていますか?」 「スティグマ」とはスティグマという単語、耳慣れない方も多いと思いますし、間違った認識をしている方もいます。 スティグマを日本語訳すると、 特
どうもえあです。誕生日です。 去年の誕生日、noteやるぞ!!!って決めてから1年になるんですね。んー、感慨深い。 せっかくなんで(いつも通り)自分語りでもしていこうかと思います。いつも通り。 私、4歳の時に1型糖尿病を発症したんですよ。 母方の祖父は2型糖尿病で、まあいわゆる「2型糖尿病らしい」2型糖尿病といえばよいでしょうか。かなり生活には問題があったようです。 それを見て育ってきた母親は、「えあちゃんは父とは違うんだ!」って思いがとても強かった。 私はことある事に
存在することを証明するのは、簡単とは限りませんが単純です。 「ここにある」それが動かぬ証拠。 それを突き付けられれば「そんなものはいない」という主張はいとも簡単に否定されてしまいます。 不在の証明は存在によって簡単に覆されてしまうから、「いないこと」の証明はとても難しいのです。 あれやこれや理論を組み立ててありえないという証拠を積み重ねて、ありえるかもしれない可能性を高いものから低いものまでひとつひとつ潰して、それらしいと結論づけて証明とするものの、それだって本当に不在の証
どうもえあです 今回のテーマは「transition」長いですね。読み方は「トランジション」 これ、聞いたことがありますか? 医療現場においてこの言葉は「移行期」を指します 基本的に小児科から内科への移行ですね 移行期ってなんのこと? 移行期とは ざっくり言えば、「思春期に少年から大人に変わるにつれ、必要な医療が変わる」ことに関わる話です お読みになっている皆さんの多くは、風邪をこじらせて寝込まなきゃいけないようなとき、内科にかかると思います 境目はだいたい15歳、
どうもどうも、小野えあです。 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私自身が1型糖尿病をもっている糖尿病内科医です。 一応自己紹介がわりのnoteを貼っておきますね。 https://note.com/eajoydm/n/nc5da40dbf488 さて、先日11月14日は「世界糖尿病デー」でした。 今回はせっかくなので、糖尿病と関連して「Twitterしたら血糖下がった」を表題として「SNSを活用した血糖管理」についてお伝えできればと思います。 前置きさて、私がTw
世の中には色んな基準があります。 突然ですが、今回はその中からふたつ、「善悪」と「正誤」を取り上げていきます! まず。 「正誤」の方がわかりやすいですね。 食塩はNaClである→正 ペンギンは哺乳類である→誤 みたいな。 ここでいう「正しい」は定義や理論に基づいた正しさのことで、感情に左右されるものではありません。 正しさを積み重ね正しい証拠を集めて、誰が聞いても客観的に正しいとされるもの、を正しい。そうじゃないものを誤っている、という基準。 (科学の世界ではこの正しいで
どうも小野えあです。 突然ですが、好きな食べ物の話でもしようかと思います。 サヴァラン。私の大好きなスイーツ。 知らない方はWikipediaの概要を読みましょう。 ちなみに私は、お酒の香りが残った、フルーツたっぷりの、シロップびったびたなサヴァランが好きです。 「1型糖尿病のわたしが サヴァランをおいしく食べる方法」 いやまあそんなの簡単ですよ、多少こえなきゃいけないハードルはありますがね。 私にはお気に入りのケーキ屋さんがあって、そこのサヴァランは絶品です。 で
厚生労働省によれば2020年の日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳。 すごい時代ですよ。80年以上生きる日本人が過半数らしい。 現在ギネスブックに載っている最高齢者はフランス人の修道女さん118歳、過去の最高齢さんは122歳。 人生が120年あるとしたら、60歳でやっと折り返しです。 とはいえ全員がそんなに生きるわけじゃない。 そもそも平均寿命に達する前に、だいたい半分は死ぬわけじゃないですか。 平均寿命は平均死亡年齢とは違うんで、この言い方はいまいち
「インスリン4回固定打ち」 私の記事を読む人のうち、そこそこの人がこの言葉の意味するところをイメージできると思います。 食前インスリン3回と、持効型インスリンを1日のうちどこかで1回、決まった量打つこと。 それを理解できるのは、あなたがインスリン注射をしていたり、している患者さんに関わっているからこそでしょう。 インスリンなんて打ったことも処方したこともなければきっと、 (え?4回?えーっと、ご飯は3食だから……おやつ分かな?で、固定…………???) とか、そもそもインスリ
「かつてのわたし」は私の事をとても嫌いでした。 はやく死にたいとか消えたいとか、どうして私は私なんだろうみたいなことばかり考えていました。 ちなみにそこに糖尿病は関係ありません。 ただ理由もなく漠然と、自分が嫌いだった。 それはまあ、強いていうなら自分の価値をすり減らしていく家庭環境によったのかもしれませんが、本筋と関係ないので今回は語らんどきます。 さて。敢えて「かつての」という枕詞をつけました。 実は今私、昔みたいに自分のこと嫌いじゃないです。なんなら割と好きです。
「あんな風になりたいな」 そう思うこと、ありますよね。 世の中には自分より優れて「みえる」人がたくさんいる。周りを見れば、あの人もこの人も、自分よりずっと○○ができている。自分みたいに××なんてことはない。 できることならあんな風になりたい、って。 憧れることも嫉妬することも。 夢や目標はありますか? 今よりお金を稼ぎたいとかかわいくなりたいとか痩せたいとか、あの子に振り向いてほしいとか。 今より健康になりたいとか。 憧れ、嫉妬、それから希望、目標、欲望。
こんにちは小野えあです、いざというとき大事なことは前半、能書きは後半。 後半は落ち着いてからどうぞ。 基本は、こちらの記載よりも主治医の指示を優先してください。事前に聞くべきことも後半で。 命がいちばん大事インスリンがないよりも、がれきの下敷きになったり波に飲まれた方がすぐに命にかかわります。 以下のものを持ち出すのに危険があったり時間がかかってしまう場合は、避難を優先してください。 ★ 持ち出し物品(優先度順)(細字は補足)※ できれば1週間分以上 ❶ 持効型イ
どうもえあです。糖尿病の糖尿病内科医です。 前回のnote、たくさん読んでいただきありがとうございました。まだのひとは読んでみてね。どっちから読んでもいいですけど。 今回は前回も語っていた、偏見について。語りきれなかった部分を、より詳しく語っていきます。 前回は「偏見をやめよう!」くらいの話でしたが、今回は「なぜ偏見が生まれるのか?」「なぜ偏見はなくならないのか?」「偏見を払拭するために私たちがすべきことはなにか?」みたいな、話をしていきます。というわけで、
どうもえあです。しがない糖尿病内分泌内科医です。ちなみに、私自身は糖尿病です。 私はツイ廃なのですが、この病気について140字で語るのはちょっと無理かなと思って、noteに書いてみるをやってみようと思います。 そんだらめちゃくちゃ長くなりました… 私は4歳から1型糖尿病で、病歴は25年くらい?年齢を考えるのはやめてください。 今はインスリンポンプで治療しています。ちなみに持効型インスリンは打ったことがありません。 物心ついた頃にはインスリン分泌は途絶えていて、注