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【インスリン使用患者さん向け】災害対策【有事の際に/備え方】

 こんにちは小野えあです、いざというとき大事なことは前半、能書きは後半。
 後半は落ち着いてからどうぞ。
 基本は、こちらの記載よりも主治医の指示を優先してください。事前に聞くべきことも後半で。


命がいちばん大事

インスリンがないよりも、がれきの下敷きになったり波に飲まれた方がすぐに命にかかわります。
以下のものを持ち出すのに危険があったり時間がかかってしまう場合は、避難を優先してください。

★ 持ち出し物品(優先度順)(細字は補足)

※ できれば1週間分以上

❶ 持効型インスリン、注射針 (全員共通)

※ 生き残るためにいちばん大事
持効型インスリンは1日1-2回打つインスリン
= トレシーバ、ランタスXR、ランタス、レベミル、グラルギン、ライゾデグ(超速効型+持効型)、ゾルトファイ、ソリクア
※ N、〇〇ミックス製剤もここの括りです。

❷ 超/超超速効型インスリン注射器(全員)
  インスリンポンプ消耗品(ポンプ患者さん)

食事の直前や血糖補正のとき打つインスリン
ポンプ消耗品 : カニューレ(針)、シリンジ、電池、必要ならサーター等
ポンプの人もインスリン注射器はかならず持ち出しましょう。

❸ 補食 : 緊急時用とおやつ用

レスキュー : ブドウ糖、飴、ラムネ、ジュース類
おやつ : カンパン、クッキー、チョコレート類
※ 両方もっておくこと
低血糖時はレスキュー、動く前にはおやつを食べます。

❹ 血糖測定器と消耗品

指ではかるやつをおすすめします。
針入れも忘れずに。電池は予備をもっておくか、定期的に確認しておきましょう。

❺ 内服薬、お薬手帳

内服の要否については事前に確認しておいてください。

下記はできれば

糖尿病手帳
保険証
メモとペン(体調、血糖記録)
災害時の心得帖(下記にあるリンクよりDLできます)
1型糖尿病お役立ちマニュアル(下記にあるリンクよりDLできます)


★ 困った時の対応

現在の災害情報

地震・災害情報
@UN_NERV (Twitter)
▶︎今後はTwitterあらためXでの更新は縮小予定につき、アプリまたはマストドンでの使用を推奨するとのことです。

アプリはこちらから

災害時の最新情報はYahoo!でも確認できて、近くの避難所検索なんかもできるようです。便利。


薬や消耗品がない、トラブルがある、飲み方がわからない

@IDDM_network (Twitter)
インスリンや血糖値のことで困ったら(日本IDDMネットワーク)

インスリンやポンプに関する災害時問い合わせ先(メーカー連絡先一覧)

食事がとれないときの一般的な対応
(2型糖尿病患者さん向け、リンク下部シックデイルール4を参照)
下のツイートは以前私がつくったまとめです。

糖尿病防災リーフレット、ハンドブック
(事前に準備しておくのが理想)

災害とか関係なく具合が悪い

救急車の要否判断(Q助)


☆ 落ち着いてからの心得

 ここから先は避難して、身の安全を確保してからのお話です。
 まず、インスリンがなくなると死んでしまうので、

① インスリンを切らさない。食事がとれずとも、持効型インスリンは打ち続ける。
ポンプが壊れたり続けられなくなったタイミングからは持効型インスリンに切り替える。

(用量は主治医と相談が必要ですが、相談していない場合、ひとまず半分の量を打っておきましょう)

 インスリンポンプの場合は最低限ベースが入っていれば大丈夫で、血糖推移次第で一時基礎レートを使用しベースを減量するのがよいかとおもいます。
 ただポンプは壊れるし針やシリンジも手に入りにくいです。かならず持効型インスリンと注射針は肌身離さずもち、トラブル時にはそちらを打つようにしてください。
 インスリンポンプの注入が止まってしまった場合、タイムリミットは2-3時間程度しかありません。
 持効型インスリンの用量は事前に主治医に相談しておきましょう、わからなければ1日べーサル総量の半分程度を打ちましょう。

 持効型インスリンがない場合は可能なら医療者に相談してください。手に入らなければ3時間毎くらいに少量ずつ超速効型インスリンを打つしかないです。
 最後に持効型インスリンを打ってから24時間以内になんとかする方法をみつけましょう。
 針が少なければ有事の際は再利用しても仕方ないですが、折れや汚れには注意しましょう。

② 低血糖症状があればレスキューを食べる

 可能であれば血糖測定した方がよいですが、余裕がなければ症状だけで判断してブドウ糖をとりましょう。
 本来であれば休むべきですが、飴を舐めながら行動するのも選択肢になります。

③ 体力を使う前には補食を食べる

これから山を登るとかがれきをどけるとか、体を使う前にはおやつ(補食)を食べておかないと低血糖で動けなくなってしまうかもしれません。
 特に普段あまり活動量が多くない人は、事前にクッキーやチョコレート等の捕食を取っておいた方が安心です。

④ カーボカウントは続けてよい、食事内容には要注意

 食事量や活動量の安定しない災害時には、固定打ちよりもカーボカウントの方が応用がききます。
 災害時の食事は糖質が増えやすいので血糖値が上がりやすいですが、緊急時のことを考えると血糖値はやや高めがよい気がします。
 ひとまず最低限持効型インスリンが投与されていればすぐ死んでしまうことはないので、多少の上昇は許容しましょう。

ちなみに避難所の食事はどうしても糖分・塩分が多くなり、逆に総エネルギーや食物繊維、ビタミン、ミネラルは少なくなってしまいやすいようです。参考にしてください。
 なお災害時には、早めに打つのは推奨しません。

⑤測れるときは積極的に血糖測定を

 いつもと食事も活動も環境も変わるため、血糖変動は大きくなるし、血糖値は低くても高くても動けなくなります。
 落ち着いている時は積極的に血糖値を測り、対応しましょう。
 リブレやDexcom、ガーディアンはスマホの電池を消費するのでおすすめしません。
 安定した補正も得られないと想定されるのでCGMは無理して続けず、適宜測定し対応できるとよいでしょう。

⑥ 薬が切れたらお薬手帳をもって薬局へ

 基本的に、災害時にはお薬手帳さえあれば薬局から薬を出すことができます。
 ただしそれは在庫がある場合。ないものは出てこないので、事前の準備が望ましいです。多めにもらっておき、分散させて在庫を保管しておくとよいです。
 また薬の情報がないと使用薬剤がわからないので処方が難しくなります。お薬手帳本体や写真、処方箋の控え等があるとスムーズです。
 ポンプの備品は薬局では無理です。かかりつけの病院にあればもらえるかもしれませんが、病院が無事かはわかりません。
 注射の方が圧倒的に手に入りやすいので、切り替え方は知っておきましょう。

⑦困った時、具合が悪い時は人を頼る

 低血糖で動けなければ運んでもらうとか、インスリンがなければ薬局にいくとか、どうにも困ってTwitterで相談するとか。
 困った時はお互い様なので、困った時はちゃんと困ったって言いましょう。

こんなところですかね。ここまでが有事の対応です。



 ここから能書きタイム
 災害への備え方例

 というわけで改めまして小野えあです。糖尿病の糖尿病医です。落ち着いたところで、能書き垂れていきましょうね。
 ここから先は安全な時に読めばよいです。

 日本ってやばいですよね。全国津々浦々で自然災害が起きてるし、起こりうる。
 地震、台風、津波、大雨、土砂崩れ、氾濫、落雷、噴火、エトセトラエトセトラ。

 でもこういうときも治療は続けないといけない。
 そりゃ理想は良好な血糖コントロールの維持ですけど、血糖コントロールを優先するあまり命を危険に晒したり、資源や体力を浪費するのは避けたいものです。
 だからこそいま余裕があるうちに、対策 / 対応を考えておきましょうね。 

いのちだいじに

 まず、インスリンが出る人も出ない人も、波に攫われたり巨大な看板の下敷きになったら命を奪われます。

 なにより大事なのは、身の安全を確保すること。そして最低限の動きで避難に動くために、事前の準備が必要なんです。
 3.11の経験がある先生から伺ったのですが、無理にインスリンを取りに帰ろうとして大怪我した患者さんもいたらしい。
 インスリンは、どこがしかには在庫があることがほとんどですし、1番優先すべきは命で、インスリンはその次でいいです。

命の次に、インスリン

 でも。インスリンがないとひとは死んでしまいます。
 先程の先生の経験では、病院内の持効型インスリン在庫が不十分で、代わりに超速効型インスリンを使うしかなかったんだとか。
 これ、言うのは簡単ですが、非常に難しい対処法です。

 上記はわたしのまとめですけど、仮に血糖値が高くなかったとしても、インスリンがないという状況そのものが命に直接関わります。

 血糖値が高くても必要最低限のインスリンさえ体内にあれば、ある程度までは死にません。通常、500くらいじゃ喉が渇いてトイレが近くなるくらいですみます。
 血糖値が低くても、体内には血糖をあげるホルモンがたくさんあります。意識さえ失わなければまあ、ゆっくり休んでいれば時間がかかっても大抵、なんとかなります。
 そして血糖値は測っても測らなくても、命には関わりません。

 インスリン切れは話が違います。とった栄養を体が使えなくなる、すなわち飢餓、それからケトーシス、そしてそのまま死に繋がります。
 インスリン切れを防ぐために、長く効くインスリン=持効型インスリンは確実に打つべきなのです。

 あと針がないと打てないからね。忘れないでね。
 ちなみにインスリン、冷蔵保存が基本ですけど、未開封であれば常温でも1ヶ月以上使えます。
 でも直射日光や超高温、冷凍すると使えなくなってしまうので、肌身離さずもっておくのが安心ですね。

ポンプの場合

 インスリンポンプ療法、という治療があります。24時間365日、少量の超速効型インスリンを皮下注射してくれる機械を体に装着します。
 ポンプ患者さんは、持効型インスリンを打ちません。インスリンの効果を切らさないように、少量ずつ超速効型インスリンが注入されるからです。

 逆に言えば、仮に持効型インスリンがなくても数時間毎に超速効型インスリンを少量ずつ打ち続ければインスリンの効果は切れません。
 ただ有効時間を考えると、3時間に1回程度は打たなければなりません。

 それはつまり、ポンプが止まったら、3時間程度でインスリンが体内から失われてしまう、ということです。

 持効型インスリンであれば24時間程度の時間をかせぐことができますが、ポンプトラブルで注入が遮断した場合、数時間以内になんとかしないと危険ということです。
 起こりうるトラブルは、電池切れ、針が抜ける、チューブが切れる、インスリンがなくなる、針が詰まる、ポンプが壊れる、ポンプをなくす、電池蓋の調子が悪い、などなど。
 普段からもこういったトラブルは起きるし、災害時にはより起こりやすく、かつ対応が難しくなるでしょう。
 また全国的に、ポンプを扱える病院やわかる医療者限られています。トラブルがあっても対応できないことも往々にしてあるはずです。
 動き回る時にも、体に機械がつきっぱなしだと邪魔ですよね。

 ポンプの患者さんは、針、インスリン(注射器も瓶も)、シリンジ、電池をすぐ持ち出せるようにしておきましょう。
 災害時には最初から外して注射に切り替えてしまう方が身軽かもしれません。
 以前より注射器からもインスリンが引き出せるとお伝えしていましたが、少なくともフィアスプにおいてはゲル化したという報告があり、おすすめできなくなりました。
 そしていかなるトラブルにも対応できるように、持効型インスリンの準備はわすれずに。

 なお上でも述べましたが、生活変化を考えるとCGMを続けたい気がするものの、安定した血糖測定や較正が難しくなることや荷物が増えること、電池消費が早まることより、一旦血糖測定は指に切り替えるのが無難だと思います。

頼れる手帳

 災害時、お薬手帳さえあれば、処方箋がなくても薬局がお薬を出せるようになります。
 お薬の使用履歴さえわかれば対応してもらえるようなので、お薬手帳の写真や処方箋のコピー、くすりの説明の紙でもよさそうです。
 記憶を頼りにすることもできますが、色やかたちだけでは特定できないことも多く、薬によっては色々な用量、かたちがあったりするので、なんらかの記録をもっておくのが安心です。

 薬局は、必要になるとわかっている在庫を置いておいてくれます。
 置き場には限りがあるものの、いつも同じ薬局を利用していれば、ある程度自分のための在庫を確保しておいてもらえる可能性があがります。
 一般的によく飲まれている薬であればどこの薬局でも対応してくれるでしょうが、特殊ななお薬では在庫がまったくないことも少なくありません。
 いざという時のためにも、家や職場の近くにかかりつけ薬局があると安心です。
 ただ薬局自体も無事とは限らず、在庫が確約されているわけではないため、自分の分のお薬は手元に準備しておきましょう。

 糖尿病手帳も、直近の管理状況がわかることから、もっていると通りすがりの糖尿病内科医がとても助かります。
 災害中に測定した血糖値についても、なんらかのかたちで記録しておいてもらえると助かります。

 お薬手帳や糖尿病手帳は常に持ち歩いていただけると、災害時だけでなく、たまたま出先で救急車のお世話になったときも受け手の医者が非常に助かるので、持ち歩いてくれるとありがたいです。

sick day rules(ご飯が食べられない日に)

 災害時に困ることのひとつとして、ご飯の種類が選べなかったりタイミングがわからなかったり、食べられたり食べられなかったりすることがあります。
 ひとは食べなきゃ生きていけませんから、食べられるときに食べすぎない程度に食べましょう。
 どうしても糖質多め、味濃いめ、野菜少なめにはなるでしょうが、背に腹はかえられませんし、血糖値は多少乱れても落ち着いてからまた整える、でいいかと。
 食べる内容や量、血糖値に応じてインスリンを調整する「カーボカウント」ができていれば、超速効型インスリンに関してはその対応を継続すればよいです。
 
 ただやっぱり困るのは、ご飯が食べられない時。
 食べられなくてもインスリンは必要。高血糖も低血糖も危険。じゃあどうしたらいいんだ?って。

 まずは、次回の外来で主治医に聞いておきましょう。聞きそびれや言いそびれに備えて、以下わたしならこういう指導をする、の1例です。
 ※ あくまで1例なので、自分に当てはまるかどうかはわかりませんから、確実に主治医の意見を聞いておいてください。

① 持効型インスリンは半量、ポンプなら1時基礎レートひとまず24時間50%にする
 多くの場合、持効型インスリンや基礎レートインスリンは食事による血糖上昇を1部カバー(主に脂質やタンパク質による上昇)しています。
 だからご飯が食べられないのにいつも通り打つと、多くの場合は低血糖になります。
 ひとによって必要な基礎インスリン量は異なるので一概には言えませんが、一般的には4-6割程度の量にするとよいそうなので、ひとまず半分にしておきましょう。

② 超速効型インスリンはいつものご飯と比較して調整
③ 血糖値が高ければ追加もありだけど打ちすぎないように
 基本的に、いつもの食事量と同じであってもインスリンはちょい少なめくらいでいいと思います。
 持効型も減量しており高血糖があれば補正のための追加はしてよいと思いますが、打ちすぎて低血糖になっていざというとき動けないよりは、多少高め安定の方が安心かなと思います。個人的に。

④ 1型糖尿病の飲み薬は落ち着くまでやめる
 現在、1型糖尿病に使える飲み薬もいくつかあるのですが、いずれもインスリンを補充してくれるわけではないどころか、食事がとれないときは危険なものもあります。
 2型糖尿病に関してはより細かな検討が必要ですが、1型糖尿病患者さんで「糖尿病の薬を飲んでいる」方に関しては基本的に、糖尿病の薬はやめるべきかと思います。
 ほかに薬飲んでたらそれはそれで主治医に聞いておきましょう。

低血糖に「ならないために」

 低血糖、しんどいですよね。
 おなかすくし、しんどいし、体が動かなくなる。
 避難中に起こしたら大変です。でも、特に普段動かない人は、こういうとき急な運動で低血糖になりやすいです。
 
 とはいえ、実は人間、低血糖ですぐ死んでしまうことはそうそうありません。
 体には蓄えられた栄養があり、血糖値をあげるためのホルモンがそれを引き出してくれるからです。
 だからもし持効型インスリンか補食か、の2択を迫られたら、問答無用で選ぶべきはインスリンです。
 一時的に血糖がさがっても、インスリンが過剰でなければゆるやかに回復するはずなので。打ちすぎは危険ですけど。

 普段低血糖を避けるべき、という1番の理由は、特に大きな血管の合併症や認知症に関係すると言われているから、です。
 それから、普段から低血糖を繰り返していると、症状なく突然、意識を失うことがあるので、普段から低血糖に慣れてしまわないことも大事です。

  例えば、逃げてる途中で急に意識を失ったら?
 これはかなり危険ですね。

 からだが動かなくなる低血糖、なってからなんとかするより、ならないように対策をしておけるとよいです。
 具体的には、先述の通りインスリンを減らすとか、動く前にカンパンなどのはらもちのいい補食をとるとか、飴を舐めながら行動するとか。

 いざ動けなくなった時におんぶしてくれるだれかがそばに居てくれたら、いちばん安心ではあるんですけども。

普段から準備しておこう

 先の震災の頃の話を聞く機会がありました。
 病院や薬局に置いてあるインスリンや消耗品は、基本的に無駄を減らすため、さほど多くはないそうです。
 つまり、やっぱり、自分の分のインスリンは自分で用意しておいたほうがいい。

 そして、用意しておく場所が絶対に安心とも限りません。
 家屋の倒壊、津波、土砂崩れ、氾濫、通行止め。
 さまざまな障害があなたに立ちはだかるかもしれない。

 その対策としていちばん有効なのは、「事前に準備をしておくこと」「分けて置いておくこと」だそうです。
 1箇所に留めておけない在庫分を、それぞれ個人が足りる分、色んな場所に置いておくのは、とても有効らしいとの事でした。
 もちろん無駄にしてしまうのは勿体ないので、できれば時々期限をみながら、切らす前に入れ替えて古いものを使うようにするとよいですよ。

 急にあれやこれや、を準備するのも大変です。
 以下、糖尿病患者さん向けの避難時チェックリストを作成しましたので参考にしてください。
 空白部分は主治医と相談しておきましょう。

❶ インスリン注射をしている患者さん向け
❷ 内服管理中の糖尿病患者さん向け
❸ インスリンポンプ療法中の患者さん向け
※ 注射器からのインスリン吸い出しは推奨されなくなりました


 あとは、緊急連絡先を記録しておきましょう。かかりつけ先の電話番号とか、再掲ですが、こちらの連絡先とか。
 スマホに登録しておくだけでなく、手書きのメモをお財布に入れておいてもいいと思います。


主治医に協力してもらうべきこと

 ここまで、あれやこれやと能書きをたれてきましたが、私が語れるのはあくまで一般論であって、あなたのためだけのお話ではありません。
 実際のあなたを知っている、あなたの病気に詳しいひとといえばやはり主治医です。

 でも、有事の際に主治医に直接話を聞けることはなかなかないでしょうし、そもそも主治医が生き残っているかどうかもわかりません。
 だから、いざというときの対応法は、いざというときになる前に聞いておくべきです。
 そしてそれらは、災害のときだけでなくあなたを助けてくれることもあるでしょう。

❶ 常に余裕をもって薬をもらっておく
 災害は忘れた頃にやってきますから、常に、いつ災害が起こっても対応できるよう、薬には余裕をもっておきましょう。
 薬に余裕があれば、具合が悪くなって予約に間に合わなかったり、感染症等の影響で外来が閉じてしまった場合にも対応できます。
 家と職場に分けて薬を置いておけば、飲み忘れや持参忘れのときにも助けてくれるでしょう。

❷ 食事が摂れない場合や、ポンプが壊れた場合の薬の使い方、切り替え法を確認しておく
 災害時は安定した生活を継続できなくなるもので、食事や生活リズムもはちゃめちゃになるでしょう。
 そういうとき、続けるべき治療とやめるべき治療があり、細かくは人によって変わります。
 どの薬を続けるべきか?インスリンの用量はどうするのか?ポンプが壊れたらどうするのか?
 事前に確認しておきましょう。もちろん災害時でない時に体調を崩したりポンプが壊れたときにも応用できますから、事前に知っておいた方がよいです。

❸ 食事の目安量を考えておく
 避難時の食事は、皆に平等に配られるものです。
 普段と違う食事だとして、足りないこともありますが多すぎることも考えられます。
 どのくらい食べるべきか、残した方がいいのか、というのは、結局その場にならなければ考えるのは難しいものの、例えばカロリーや糖質量の参考値を聞いておければ、調整の参考になるはずです。
 普段からその量を気にかけておけば、感覚的にも掴みやすくなるでしょう。


 ひとまず今私が思いつくのはこの辺りですが、ほかにもあるよ!って方は教えてくださると嬉しいです。適宜追記させていただきます。


 コンパクトにまとめるつもりが、能書きたれてたらこんなに長くなってしまいました。なんてこったい。
 ここまで読んでくれた方、ありがとう。災害時の準備はお済みですか?準備する気になりましたか?

 ほんと、最近、いつ災害に巻き込まれてもおかしくないなあ、人災もあるなあと思います。
 備えあれば憂いなし、とはよくいったものです。
 災害があれば憂いてしかるべしですが、備えがなければ憂うどころじゃありません。
 ちゃんと準備しておきましょうね!

 note有償にしようかなとか言ってましたが、こちらのnoteも無償公開を継続させていただきます。いざというとき、思い出した時、また読んでみてくれるとうれしいな。

 それではどうも。えあでした。

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