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とおくのまち 女装回顧録

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女装。性同一性障害。トランスジェンダー。 私小説。回顧録。
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記事一覧

性転換の衝撃 とおくのまち 17

   お店に行く途中、ブティックのショーウィンドに、とても綺麗なミニのスーツが飾られてい…

れいか
2年前
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新人ニューハーフの日常       とおくのまち16

   夜明け前。 深夜をとうに越して、もうすぐ夜明けが近い。そんな時間に、行動していて、朝…

れいか
2年前
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いきなり大勢のお客様 新人、ピンチ!       とおくのまち15

   ホテルを引き払って最寄りの駅まで行った。 ママへ電話をして、お家の場所を教えてもらい…

れいか
2年前
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新人ニューハーフの休日 とおくのまち14

 次の日は、日曜日で店は、お休みだった。 ママと、Uちゃんに、昼から会うことになっていた。 …

れいか
2年前
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復帰、やっぱりニューハーフになります! とおくのまち13

 電車を乗り継いて、行きつけの女装ルームに寄る。 隠してあった女装用品を取りだして、ター…

れいか
2年前
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とおくのまち12

一月、新年を迎える。家族が揃って遊んだ最後のお正月となった。 田舎だったので、のどかに凧…

れいか
2年前
9

とおくのまち11

昼頃、チェックアウトのため起きる。 ホテルを出て、自宅へと荷物をとりに行こうと思った。 もう、思い切って、女装のまま、行こうかなという考えが走ったけど、 家の近所を歩くのは、やはり気後れし、男装にもどって自宅へと向かう。  鍵を持ってなかったので、入れなかったら困るから、妻へ電話で確認する。それが、まずかったとあとで気づくのだが…。 最寄りの駅に着き、もうここにも来ることもないかもなぁ、などと感慨にふけりながら改札へ行くと、なんと、改札のむこうに待ち構えていた3人の影が目

とおくのまち10 真夜中の木の葉どんぶり

店の営業時間が終了した後、ママたちに誘ってもらい御飯を食べに行く。近くの飯屋さんでこんな…

れいか
2年前
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9 ニューハーフの夜

京都駅に到着したのは、すでに夕方だった。 新幹線のホームから見た景色は広大で、とても巨大…

れいか
2年前
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8 失踪 ほんとうの自分を探して

夏の終わりの夕刻、ターミナル駅の地下街を彷徨っていた。 家出したというのか、これから失踪…

れいか
2年前
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とおくのまち 7 崩れ行く家庭

結婚式も終わり、新婚旅行から戻る。 義務と責任感だけで生きているような毎日だ。新しい生活…

れいか
2年前
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とおくのまち 6 女装ルーム

 就職して、社会人になった。 社会はバブル崩壊の直後で、私も厳しい毎日に押しつぶされなが…

れいか
2年前
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とおくのまち 5 変身旅行

 それは、シンデレラの魔法のようなものなのかもしれない。 時間が来るとすぐに消えてしまっ…

れいか
2年前
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とおくのまち 4 きれいなお姉さん

   ファッション雑誌を時々、購入しては、かわいい服や靴がほしくてため息をついた。お金もなかったし、デパートはなんだか煌びやかで敷居が高いというのかとても近寄れなかった。    街を歩くOLのきれいなお姉さんやファッション雑誌に登場する女子大生たちの姿に憧れた。     当時は自分のほうがまだ年下だったので、いつかは自分も成長したらあんな風になりたいなぁと夢見ていた。現実は、成長してもオニイサンやオッサンになるだけで、時が来てもオネエサンにはなれないのだけれど。きれいなお