子供の頃、大人の世界というのは摩訶不思議なものでした。特に男女関係の機微。幼い内は異性に対する恥ずかしさや強がりが勝ってどうして中々、理解しがたいものです。 それはさておき、大人になった今もわけが分からない、という話をしようと思うんですよ。 ──────────────────── Yくんが小学生の頃のこと。ある日曜日の昼下がり、学校に宿題のプリントを忘れたことに気がついたそうです。 その小学校は警備員が常駐していて、休日に児童が校舎に入る場合は校門付近にいる
学校の怪談といえば、花子さん。子どもの頃「花子さん、遊びましょう」とトイレをノックしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ただ、古いトイレならいざ知らず最近の学校のトイレは整備が行き届いていて、ウォシュレットがついているトイレまであるそうですね。 そんな現代の学校のトイレでは花子さんも何も、恐ろしいことは起きなさそうだと思いませんか。ところがあるんですよ。花子さんが本気を出したら怖いな、という話が。 ──────────────────── 平成
辛い時、寂しい時、心細い時。誰かそばにいてほしい。いるだけでいい。誰かが隣にいるだけでほんの少し、心が安らぐ。 たとえその「誰か」がおばけでも。 そんな話があるんです。とある男性が小学生の頃に遭遇した、お姉さんのおばけの話なんですけどね。 ──────────────────── ある時一週間くらい入院することになった彼が、病室で過ごしていた時の出来事だそうです。病気そのものは大した事なくて、命に関わるような重い症状でもなく。なので彼自身、当初は軽い気持ちでい
子供にはできれば子供の領分にいて欲しい。大人の、ともすれば醜い世界に子供が必要以上に関わらないようにする、というのが社会のコンセンサスだと思います。我が子に対する親の態度など特にそうではないでしょうか。難しい話ばかりではなく、サンタクロースの存在やお年玉の行方なども同じようなものかもしれませんね。 もうとっくの昔に成人している男性が小学生の頃、妹さんと共に体験した話になります。 ──────────────────── なにせその頃は彼、小学生ですから。自分の部屋
ある日Kくんと宅飲みしていたら、彼、いきなりとんでもないことを語りだしましてね。ベロベロに酔った勢いで何でもぶっちゃける感じというか。いやあ、あの時はびっくりしました。 これはその時の酔っ払ったKくんの語りを再現したものです。 ──────────────────── 子供の頃、「こう」だと思い込んでいたら実際は全然違った……みたいなことってありません? 家の常識だと思っていたら違った、みたいな。 お面……お面ってわかりますよね? 縁日で売っているようなアニメ
子供の頃は誰もが遊びの達人でした。何でもないものに遊戯性を見出し、ちょっとしたことを遊びに発展させるのなんて朝飯前。遊び場はグラウンドや公園だけではありません。学校や家の階段も廊下も通学路も全部、少しのきっかけで遊び場へと変貌させることができて。 子供のおばけにとっても、それは変わらない性質のようです。 ──────────────────── とあるキャンプ場に子ども会だかなんだかで夏休み中の小・中学生くらいの子どもたちを集めてキャンプをした時起こった出来事だそ
ドッペルゲンガーにまつわる短い話で、一人ぼっちゲンガーという話があるんです。孤独ゲンガーとでも言いましょうか。 ──────────────────── Tくんの祖父の話になります。その人は若い頃からドッペルゲンガーをしょっちゅう目撃されていたそうです。 「きみ、昨日ぶらぶらと町を歩いていただろう。一人でサボタージュかね」 「まさか。その時は会社におりましたよ」 こんなやり取りしょっちゅう。どうやら、お爺さんのドッペルゲンガーが町中をよくぶらついていたらしい。
わたしたちは目で世界を見ているのではない、脳で見ているのだ──とはよく言及されることですね。視界とはつまり、網膜を通過した信号が大脳で処理された結果にすぎないと。錯視を利用した図を見せられて狐につままれたような感覚に陥ったことがある方もいらっしゃるでしょう。 のっぺらぼうを見た、いや、見てしまったという、とある男性が小学生の頃に体験した話です。 ──────────────────── Kくんが放課後、夕暮れ時の通学路を一人で帰っていると、道の脇に見慣れない車が停
日記って本来自分のためにつけるものだと思うんです。自分のためにつけるものだから、他人の目を気にして書くことはないし読ませることもない。でもたまに、誰かが読んでもいいように立派なことを書いてみたりするのも日記あるあるだとは思うんですが。 気味が悪い日記のような記録をつけた、とある男性の話になります。 ──────────────────── 「仙人」と呼ばれている人がいたんです。山嶺で霞食べてるありがたい人ではなくて、大学にもう何年もいる人。全然ありがたくない。
安物買いの銭失いなんてよく言いますけれどね。少額のお金を失うだけで済むならマシですよ。場合によっては健康を損ない、最悪の場合、命を失うまでに至りますから。いえ、この話の体験者は今も元気にしていらっしゃいますのでご安心ください。 ──────────────────── とある男性から聞いた話です。ドライブ先で寄ったコンビニの横にリサイクルショップがあったので、何の気なしに覗いてみたんですって。そのリサイクルショップは全国展開しているようなお店ではなくて、そこでしかやっ
「あれ、何だったのだろう……?」となる幼い頃の記憶、ありませんか? 全然付き合いのない親族の家に一度だけ泊まったとか、親に手を引かれて街を彷徨ったとか……大抵の場合は、関係者から話を聞いたり成長することで得た知識や経験則で腑に落ちる、ということになるものですが。 でもたまに、よくわからない、未解決のまま大人になってしまうこともあります。魚の小骨が喉につっかえているような、そんな不安感を残して。 ──────────────────── Hくんが小学生の頃の話です。
だるまさんが転んだはよくないんじゃないかなあって話があるんですよ。いやいや子供の遊びじゃん、と舐めてはいけません。廃墟や心霊スポットでやるのはもちろんのこと、真夜中の公園でだるまさんが転んだをやるのもよくないかもしれない。 それも酔っ払い同士で。 ──────────────────── とある会社の人たちが集まって飲み会をやったんですって。翌日は休日。それはもう、飲んで、飲んで、飲みまくって、酔っ払って。お店から出ると帰り道はベロンベロンの千鳥足。 「部長のバ
小中学生の頃の宿泊学習ってワクワクしませんでした? 少年自然の家に一泊二日くらいで泊まるやつ。普段とはまったく違う環境で、同級生の意外な一面が見れたりして。 ただ、その施設が曰く付きだったりすると、よくない。 とある部屋にはおばけが出る、という噂が絶えない少年自然の家が昔あったんですよ。今はもう、なくなっちゃってるんですけどね。その施設にまつわる話をば二つ。 ──────────────────── 当時女子中学生だったAさんは学校の行事で問題の部屋に泊まるこ
鍵ってありますでしょ。普通、鍵って、外側から内側へ侵入できないようにするための物ですよね。玄関、窓、車、ロッカー。とある学校の倉庫もがっちりと鍵が掛けられていまして。それにまつわる話があるんですよ。 鍵をしてても内から外へはあっさり出られるよねって話が。 ──────────────────── 女性の友だちから聞いた話です。彼女が中学生の時のこと。 テスト前、放課後一人で教室に残って勉強をしていたんですって。時が経つのも忘れて集中して、机に広げたノートに向か
今現在、成人年齢は18歳ですが以前は20歳でした。変わるものですね。もっと前は「成人の日」といえば1月の第二月曜日ではなく1月15日に固定でしたから。まだ違和感を抱えてらっしゃる方も中にはいらっしゃったり。 成人年齢を20歳から18歳に引き下げるだけでも喧々諤々の議論が積み重ねられてきたわけですが、古くは元服の儀式があったように、長い年月で見れば「成人」というのは多少なり幅があってしかるべきなんでしょうね。その時の社会の仕組みに左右されるというか。 ただ、現代におい
おばけというのは時に突拍子もないことを言ったりやったりして、我々をぎょっとさせます。逆に言えば、我々をぎょっとさせる目的のおばけというのはその実大したことはない、と言えるのかもしれませんね。驚かすことが目的ですから。それ以上の害にはならない、かもしれない。 ただやっぱり心臓にはよくありません。 ──────────────────── 体験者の彼。親戚の方が亡くなって、葬儀場に泊まらないといけなくなったんですって。いわゆる寝ずの番というのは故人に近しい人がやってい