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2020年11月の記事一覧

人種差別を真っ向から描いたナイキのCMは、なぜ作られたか

人種差別を真っ向から描いたナイキのCMは、なぜ作られたか

ナイキが制作し公開したCM は、予想されたとおりに一定の反発と、称賛と、様々な議論を読んでいます。

私はもちろんこのCMについて肯定的な立場に立つものですが、中には不買運動などを主張したり、Twitterで怒りの感情を吐露するユーザーも居るようです。

このような怒りが適切なものであるかどうかは別にして、そもそもなぜこのような「社会的な」CMが作られたのかを解説しましょう。

話は2年前にさかの

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旅する日本語と写真たち

旅する日本語と写真たち

現在noteで開催中のコンテスト「旅する日本語」のお題にあがっている言葉達を、勝手に写真と編んでみた。本来はお題にそって旅にまつわるエッセイを投稿するものなのだけれど、並んでいる言葉達がとても美しかったので写真でこそっと参加してみました。

ちなみに去年は私もエッセイでこっそりと参加させていただき、短い言葉から妄想を爆発させて物語を描くのが大好きなので、とてもとても面白く書かせていただきました。今

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noteで書いていく上で、覚えておきたいこと。

noteで書いていく上で、覚えておきたいこと。

このnoteはあくまでnoteの書き手(とくにまだはじめて日が浅い人)のために書いたものであり、特定のだれかを批判する意図はありません。



好きなクリエイターやメディアが炎上する機会をたびたび目にする。
建設的な批判はいい。ただし、その他大勢(※)の見苦しいコメントでタイムラインがあふれかえることは苦痛でしかない。そうなると本来批判されるべきこと、問題、改善策、当事者、それらの影がいつの間に

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もう、生きらんたてないいはあ。

もう、生きらんたてないいはあ。

※この記事は投げ銭制です。全文読めます。

診察机上のディスプレイに表示された今日の血液と尿検査の結果をみて、一瞬ふらつきそうになった。

腎機能、ナトリウム、尿たんぱく、ヘモグロビン…。とにかくあちこちの数値が、異常値を示す赤文字になっている。特に気になったのが腎機能だった。尿素窒素、クレアチニン、共に過去最悪の数値になっている。

主治医よりさまざまな説明を受けたが、かいつまむと、私のからだは

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死んでから永い

死んでから永い

あれは京都だったか。
幼い私の背丈を超えて、紫陽花はどこまでも続いていた。
春先で、花はまだない。瑞々しい萌芽が色あせた枝から次々と湧き出ていた。

ひいばあちゃんに手を曳かれ、俯きながら歩いていた。喜寿の祝いの小旅行。
皺だらけの乾いた手は馴染みがなく、私は少し怯えていた。

「あ…」

紫陽花の根本に白く光るものを見つけて立ち止まる。

「どうしたぁ?」

低くしゃがれた声が優しく降ってくる。

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やばいかもなあ、を、ごみ箱に捨てる。

やばいかもなあ、を、ごみ箱に捨てる。

朝、6時。いつもの時間、スマートフォンのアラームで目が覚めた。一度トイレに行って、また寝間に戻り、着替えをすませる。そのあと居間に行き、血圧測定、洗顔、そしてロールパンに野菜ジュースと飲むヨーグルトを混ぜた、いつもの朝食を食べる。

その時、ついテーブルの向かいの席を見た。というより、見てしまった。そして、ため息をついた。少し前からなるべくつかないようにしようと決めていたのにはやくもやってしまった

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一番大事なのは「想像力」だと思う。

一番大事なのは「想像力」だと思う。

やさしさ、思いやり、そういうのを子供に育ませるにはどうしたらいいかを考えたことはないかな。親ならそういうこと、思うよね。私は考えたことがある。

いろいろ考えて、行き着いた答えは「想像力」を育ててあげることが大事ということ。

ひどい事件とかをニュースで見て「想像力がないんじゃないか」とよく感じる。

こんなことをしたら相手がどう思うか。こんなことをされたら自分ならどう感じるか。誰かの痛みや苦しみ

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外国人の悩みを知り、浅はかな自分を恥じた #挑戦している君へ

外国人の悩みを知り、浅はかな自分を恥じた #挑戦している君へ

「外国人を採用する目的が、日本企業のなかで不明ではありませんか?」

中央アジア出身の彼は、流暢な日本語でそう問いかけた。受講者は、え?という表情で身を乗り出す。

「外国人をなんのために採用するのか。多くの企業がそれをはっきり決めていないように思えます。これは、日本企業が抱える課題の1つではないでしょうか」

そう言いながら、彼はスクリーンに次のスライドを映しだす。

「この目的がはっきりしない

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優しい人が好きだけど、人に優しくされるのがおそろしい

優しい人が好きだけど、人に優しくされるのがおそろしい

わたしには、友だちがいなかった。世のなかにいろんな情あれど、友情は特にすばらしい。

そんなことはわかっている。

そこらへんの漫画本も、トレンディなドラマも、いやになるほど流れてる歌も、友情はいいぞと言ってくるのだから。

そうは言っても、思い当たる友だちがいない。

作家になってから人と会う回数が増え、ありがたいことにごく薄い友情のようなものを何人かと結べたけど、それ以外はさっぱりだ。2年以上

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ロックがダウン 5日目

ロックがダウン 5日目

11月10日火曜日 10637歩

友だちと朝カフェ。といっても店には入れないので、テイクアウトして公園でベンチに1m以上開けて座って話す。30分くらい。薄着で出てしまったせいで寒い。朝晩はしっかり冬。SARSとか、過去の他の病気とかみる限り、国外の移動が平常に戻るのはまぁ2〜3年かなって言う話をする。

友だちとやっているpodcast (トリトラジオ)のゲスト回を録音。3人でガイドブックを作り

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知性を交換するということ

知性を交換するということ

愛の営みは魂の交換であり、親しく話すことは品性の交換であり、本棚を見せ合うことは知性の交換である。

プロフィールの文章を読み上げるよりも、好きな本について語ることの方が、その人のことがよくわかる。ということは往々にしてある。本というプロダクトは、所有者の〈人となり〉を間接的によく教えてくれる。本と所有者の関係性もまた、本が抱える物語なのである。

ウィルスが世界に蔓延し、人に会えない日が続いた。

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1000文字の手紙〈篭田雪江さん〉

1000文字の手紙〈篭田雪江さん〉

『ゆなさん』を拝見してから一年。「教養のエチュード賞」全ての回に作品を応募してくださり、ありがとうございます。

今作は第一作とのゆるやかなつながりがあり、輪郭のはっきりとした結び目があるわけではない分、奥行きと広がりを感じました。第一作では心の機微を繊細に、そして瑞々しく描き、そのやわらかさと激しさのタッチに心を奪われました。今作は鬼気迫るものを感じます。人物たちの感情や行動は静かであるにも関わ

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