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一番大事なのは「想像力」だと思う。
やさしさ、思いやり、そういうのを子供に育ませるにはどうしたらいいかを考えたことはないかな。親ならそういうこと、思うよね。私は考えたことがある。
いろいろ考えて、行き着いた答えは「想像力」を育ててあげることが大事ということ。
ひどい事件とかをニュースで見て「想像力がないんじゃないか」とよく感じる。
こんなことをしたら相手がどう思うか。こんなことをされたら自分ならどう感じるか。誰かの痛みや苦しみを自分に置き換えて考えてみる。自分がやろうとすることの先に起こりうることを考える。
そういうことを想像する力。これが欠如していると、ひどいことをしてしまったりするんじゃないかな。
想像力を養うためには、親からの言葉がけが重要になる。いろんな場面で語りかけ、人の気持ちを想像できるような言葉がけをする。「きっと○○くんは悲しかったんだろうね」とか「もしこんなことをされたらあなたならどう思う?」とかそういうやりとり。
できるだけ子供が小さいうちにこうした会話をたくさんすることはすごく大切だと思う。お勉強のために鉛筆を持たせる時間もいいけど、誰かの気持ちや自分の気持ちを考える時間はそれよりももっとたくさん作ってあげたい。
こうしたことに「本」は良い題材になる。絵本を一緒に読んであげて親子で登場人物たちの気持ちを考えたり、先々を想像したりする。子供の頭や心の中に、もくもくと想像力がふくらむ。素敵なことだね。
少し大きくなれば自分で本を選んで読むようになる。親が語りかける手助けをしなくても、自ら想像力を伸ばしていく。
想像力が育てば、やさしさも育つし、思いやりも育つ。
私はそんなふうに感じる。だから一番育てたいのは「想像力」だと思うな。
昨日、買い物をした荷物を自転車に乗せようとしたら、カゴの中に緑の葉っぱがついた小枝が落ちているのに気がついた。
つまんで拾い上げながら、鳥が小枝をくわえてやってきてカゴにポトリと落とした姿を想像した。鳥はカゴにちょこんと止まったのかもしれない。どんな鳥だったのかな。
鳥のことを思ったら空を見上げたくなった。視線を空に移すと、大きな木が枝をたくさん広げていた。
鳥じゃなくて、風の仕業だったのかも。風が吹いて木が揺れて、小枝がひらひらと落ちてきたのかも。
日常のちょっとした瞬間に、こんなふうに小さなストーリーを想像できると人生が少しだけ楽しくなる。
想像力にはそんな良さもあるね。
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