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詩集

9
感じる、思うをことばに。
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2020年9月の記事一覧

詩「おばさんになりたくない」

鏡に皺

シミが映ってもいい

更年期を迎えてもいい

おばさんと言われてもいい

隣に愛してくれる人がいなくてもいい

でも

せっかちにはなりたくない

ぶっきらぼうになりたくない

安心できる環境に浸りたくない

嘘で着飾りたくもない

ただ

やさしくいたい

朗らかでありたい

毅然としていたい

素直でありたい

冒険を忘れたくない

わがままは言わないから

実直な皺を刻む

おばさ

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詩「眠りにつきたい」

詩「眠りにつきたい」

あなたの街では

不穏な音が鳴ってるの

都会の音がどくどくってきこえてきそうね

眠たいのに眠りにつけなくて

ここは鈴虫の音と河原の風が冷たいわ

でも星の王子さまは私を置いて行ってしまった

わたし

シーラカンスになりたい

深い海の底で

化石のようにねむりたい

詩「ぐるぐる心模様」

詩「ぐるぐる心模様」

いやなこと

にがてなひと

こわいこと

ぐるぐる ぐるぐる まわってる

ぐるぐる 大きな渦となって こちらに向かってくる

痛い 痛いと 言いながらも

すべてが黒く灰と化すことはなく

どこかに美しい色が存在している

誰も触れられず 見ることもできない

ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる

黒い渦があなたの身体をすべて覆い尽くしても

"きみは無理だ"とつぶやき 

過ぎ去っていく

あの美

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詩「屑」

いるものといらないもの                     
どちらも大量に溢れている

あぁ、文字を打つのが追いつかない

頭に流れてくる ことばのポップコーンが
津波のように迫りきては停滞している
ごみ混じりのその中に
あなたが求めている本当のものが
どこにあるかわかりますか

時々
迷路にはまって抜け出せなくなる
正しい選択が何か分からなくなって
こわくなる 
光が入ってこなくなって

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散文詩「海をおよぐ金魚」

散文詩「海をおよぐ金魚」

貴方だけにささげる愛のことば
精いっぱい伝えている
いつもありがとうのメッセージは軽いのだろうか
愛してるも大好きも
言い尽くしてしまった

だから
今日もあしたも
もっと揺すぶる愛情表現をさがすの

こころの金魚が踊ったの
狭い狭い水槽の中を
石も水草もポンプもない寂しいそこに 
溜まっていくフンは身と心にべったりとくっついて 
自分で自分の首を絞めるような
でも死ねない辛さ 

苦しみの地下の

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詩「白昼の少女」

駆け抜ける

私の前を

ふんわりした風を纏って

走る走る少女

メロスのような

険しい表情と

身代わりの友人のための

懸命な走りではない

軽やかに

"こんにちは" と

笑った顔は

私のこころの

疎ましい能面すらを

するりと外して粉々に

あの風がさらっていった

もう戻れない 

私の知らない 

Blue Springを駆ける

少女よ

詩「書きたい」

詩「書きたい」

かきたい

思いのままに

文字をひたすらに

綴りたい

上等なやつじゃなく

そこら辺のちりがみでいい

書きたい

あなたに届くのなら

この想いが伝わるように

書きたい

丁寧に

出てくる

溢れてくる

口には出来ない

その心

文字に映したい

詩「月曜日」

詩「月曜日」

朝は不安だから

雨が降っていてほしい

太陽の木漏れ日は

少し憂鬱で

もやもやする

雨の音は冷たいくらいが

ちょうどいい

雨と私のリズムが

程よく馴染む

静かな月曜日を

欲している

詩「Secret」

二人だけの あの日の約束

忘れてないよ

どうでもよくなったわけじゃない

足取りが重くなって

首筋がむずかゆくなった

一つの悪い予感

夢の中では救急車が

土砂降りの中の血溜まり遺体

あれは

一つの警告だった

ナース姿で

あなたの前を通り過ぎる

誰にも知られぬよう

会いたくても

会えなかった

しゃぼん玉みたいに

はかない出来事