#51【雑感】ACジャパンCM「聞こえてきた声」をめぐる違和感(後編)
昨日は、高校の同級生りーちゃんとランチしてきました。楽しかったー!!
しかし己の会話能力の下がりっぷりに驚愕。書くときにくらべて言葉の出てき方がカタコトレベル。「聴覚からの情報操作苦手」も行きすぎじゃないか??危機感を覚えております。
昨日に引き続き、ACジャパンのCM「聞こえてきた声」について考えます。
違和感その2:「ジェンダー平等」と「アンコンシャスバイアス」がごっちゃに語られている
これだけこのCMの巧みさについて考えてきて、いざ公式サイトを見ると、テーマが「ジェンダー平等」となっています。
え?ジェンダー平等??それはそうだろうけど……それだけ?
うーん……
そっかあー……。
もちろん「ジェンダー平等」を扱っているのは間違いないし、「無意識の」「固定的な思い込み」についても触れてあるけれど、このCMがエポックメイキングなのは、「見る人に、自分のアンコンシャスバイアスを気づかせるように作られているところ」だとくらたは思う。
昨日も書いたように「分けるはわかる」はイシス編集学校の知の巨人・松岡正剛の教え。
当の作り手が解像度低めてどうする……。
じゃあ、「アンコンシャスバイアス」ってなんだ
調べてみたら、ちょうどいい資料がありました。2年前の記事です。
アンコンシャスバイアスとは1980年代のアメリカ発祥の概念で、Googleなど名だたる米大企業の経営に取り入れられたのは2010年代とのこと。IQテスト受ける人も多いと聞くし、MBTIもアメリカ発祥。いやあアメリカさすがです。
以下に少し引用します。
そう、それな!!!
アンコンシャスバイアスは人類にとって既知の事実であって、いいとか悪いとかいうものではないのです。いいこと言ってくれた。
この文章では、日常業務が滞りなく進むのも、このアンコンシャスバイアスがあるおかげだ、とも書いていました。
以下は要点だけをかいつまんだので分かりにくいかもしれません。原文は具体例などあってわかりやすいので、ぜひ当たってみてください。くらたも大変勉強になりました。
「1歳の子どもがいる彼女には出張を指示するのをやめよう」という考え方は、ある人にとってはポジティブでも別の人にとってはネガティブである可能性もあると、原文には書かれています。「発言する側は決めつけずに一度確認してみる」「受け取る側は誤解されているかもしれないから伝えてみる」そういう活発なコミュニケーションが必要なのではないか、と。言わんとしていることはもっともです。
うむー、しかし、実務上は難しいかも……。職場の成員みんながこの考えを共有できていないと、「子持ちに一泊の出張なんてあり得ない、そこまで言わなきゃわかんないの?」という反発もあり得ます。
アンコンシャスバイアスという概念はひとりだけが意識していても効果が薄くて、集団に共有されて初めて働くものと言えそうです。
閑話休題。
アンコンシャスバイアスはジェンダーだけでなく、日常のあらゆる場面にあるとも明記されています。原文では、障害者、外国人などが例示されています。
また、同記事の卓越したところは、「アンコンシャスバイアスをなくすことは目標にはならない」としているところです。
企業向け研修コンサル会社のコラムなので、最後は「従業員エンゲージメント」「業務改善」などとなっていますが、より広くとらえるなら「誰もが活躍できる環境づくり」「生きやすい社会」という感じでしょうか。
なるほどそのとおりである。このACジャパンのCMの目指すところも、まさにそこにあると、くらたは愚考します。
はあ。昨日と今日で、6000文字弱。ようやっとたどり着きました。
これでこのCMをめぐるモヤモヤをくらたのなかでは考え尽くすことができました。すっきりした。
「今・現在脳みそがドライブしている話題」について考えて、手を動かす・書くことによって、今はじめて生成されていく考えの先を追うことは、とても楽しい作業だと再認識しました。
ここまで読んでくださった方、毎度のことながら、お付き合いありがとうございました!