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岩波少年文庫を全部読む。

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シミルボンから移行してきました。 少しでも長く続くよう、いや、全タイトルをレヴューできるよう、みなさん応援してください。
戦後日本の児童文学を牽引してきた存在のひとつ、岩波少年文庫のレパートリーを、毎週1タイトル取り上げ…
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#日本文学

岩波少年文庫を全部読む。(146)回想の戦後東京、母を失った少年と小動物たち 舟崎克…

舟崎克彦の『雨の動物園 私の博物誌』(1974)は、少年時代を16篇の断章で振り返った回想録で…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(137)もしあなたに「ひとりの時間」があるなら 池内了編『…

池内了編『科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集』(岩波少年文庫)は、1908年から1935年…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(132)浦上四番崩れから原爆投下までを貫く重厚な歴史物語 …

今西祐行『浦上の旅人たち』 (1969。岩波少年文庫)は、明治3(1870)年から昭和40(1965)年…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(131)小学生版『折々のうた』 大岡信編『星の林に月の船 …

大岡信編『星の林に月の舟 声で楽しむ和歌・俳句』 (岩波少年文庫、2005)は、岩波少年文庫…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(125)「日本近代文学」への入口として妥当なのか? 芥川龍…

芥川龍之介『羅生門 杜子春』(岩波少年文庫)には、1915年から1922年までに書かれた短篇小説…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(111)神話と伝説と歌に溢れたミュージカルファンタジー史書…

むかしの史書にはいろんなものが混じってる 福永武彦の『古事記物語』(1957)を読みました。…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(106)子どもには成長が、大人には変化がある。大人こそ変わろう。 ヨハンナ・シュピリ『ハイジ』

ヨハンナ・シュピリ『ハイジ』(上田真而子訳、岩波少年文庫、全2分冊)は、『ハイジの修業と遍歴の時代』(1880)とその続篇『ハイジは学んだことを役立てる』(1881)の2篇が、ひとつながりの長篇小説1篇として読まれるようになったものです。 マイエンフェルトでの修業時代 ハイジ(ハイディ)はアーデルハイトの愛称。5歳の彼女が、保護者である叔母デーテに連れられて、グラウビュンデン州マイエンフェルトの高台にある世捨て人の祖父・アルムじいさんの家に引き取られるところから、物語が始

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岩波少年文庫を全部読む。(100)世界が苦手な中年男のインナースペースに小学生読者…

舟崎克彦の『ぽっぺん先生と笑うカモメ号』(1976)は、岩波少年文庫版では対象年齢が〈小学4…

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千野 帽子
2年前
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岩波少年文庫を全部読む。(98)「鳥右ェ門諸国をめぐる」がすごい。天才ってこういう…

新美南吉が1930年代から1940年代初頭にかけて発表した童話は、のちにさまざまな版で書籍化され…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(86)世界が思うままにならないと泣きわめく母親は赤ん坊だ…

(タイトル画像は角川つばさ文庫版の書影です) 優秀な兄妹のなかの冴えない三男 山中恒の長…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(78)藤沢周平を思わせるハードボイルドさ。 今西祐行『肥…

今西祐行の『肥後の石工』(1965)は、肥後・薩摩両藩で石材加工によって土木工事に貢献した岩…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(71)中年男、アリスの穴へ 舟崎克彦『ぽっぺん先生と帰ら…

前回の『ぽっぺん先生の日曜日』(1973。岩波少年文庫)に続くシリーズ第2弾(1974)。 この…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(70)独身中年理系エリート、学童疎開体験あり。 舟崎克彦…

僕はこういう「中年が主人公の児童文学」って好きですね。 中年が主人公の児童文学 しかも舟…

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千野 帽子
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岩波少年文庫を全部読む。(57) 民話に風景と時間を持ちこむ 木下順二『わらしべ長者 日本民話選』

木下順二×赤羽末吉 劇作家・木下順二の、死の6年前の仕事です。 本書は、かつて岩波少年文庫で『日本民話選』(1958年)という形で出たものを、何度か増補改訂したすえに、2000年に刊行されたものです。 装画を担当した、大塚勇三再話のあの『スーホの白い馬』(1961/1967。福音館書店《日本傑作絵本シリーズ》)で有名な赤羽末吉は、その10年前に亡くなっています。ですからこの2000年の版で新たに描き下ろした絵はないわけですね。 スーホの白い馬 (日本傑作絵本シリーズ)w

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