記事一覧
危険なプロット:文学という血縁が、孤独な他人を父子にする
Dans la maison(原題), In the House(英語題名)(2012).
フランスのフローベール高校(リセ)に赴任してきた、国語(フランス語)教師のジャーマン(ファブリス・ルッキーニ)は、生徒が書いた週末に何をしたかという作文を採点しながら、その内容のなさに辟易していた。ピザとスマホのことばかりなのだ。
かれらが少しでも本を読むように仕向け、かれらの文学的教養を向上させ、それ
ある女流作家の罪と罰:他人のアイデンティティをまとっていますが、何か?
『ある女流作家の罪と罰』(Can you ever forgive me?)のポスターを、よく見かけるようになった。最近ロンドンの映画館で、一般公開されるようになったのだ。この映画は、ロンドン・フィルム・フェスティバルの、目玉作品のひとつだった。
フィルム・フェスティバルの映画は、なんとなく選んで観ても、どれも驚くような面白さだったが、特別な余興(headline gala)であったこの映画は、
足元を見るのではなく、星を見上げること
うちの高校は、行事ばかりやっているところで、受験指導などというものは、一切なかった。この行事というのが、ちょっとやっかいだった。つまり、行事というのは、外側からくるものだ。自分がやりたくてやるものでは、ないことも多い。
何しろ精神的に未熟なので、やる状況に陥っているときに、やっぱりやらないです、というような勇気もなかった。万事がこういう調子で、わたしの高校生活は過ぎていった。やらされていることば
島田順子さんの、ヌーヴェルヴァーグなライフスタイル
パリを起点に、79歳にして、いまもスタイリッシュな服を精力的にデザインしつづけられている、島田順子さん。彼女にお会いする機会が近づいてきたので、『おしゃれライフスタイル』という本を読む。なんと彼女がパリに来たのは、ヌーヴェルヴァーグの映画が好きだったからだ、という。
ヌーヴェルヴァーグの映画人、ゴダールは1930年生まれ、トリュフォーは1932年生まれ。映画の世界を震撼させたヌーヴェルヴァーグの
死ぬときに後悔する5つのことと、酔いつぶれて寝込んでしまった同級生の話
医療関係の仕事の経験はまったくなかったブロニー・ウェアBronnie Wareは、興味を持てて(a job with a heart)家賃が払える仕事を探していて、終末パーソナルケアに行きついた。余命3週間から12週間くらいの人を、かれらの家で世話する仕事だ。
ここで彼女は、ある発見をした。彼女の仕事である、かれらの食事や入浴の世話は、二次的なものであり、彼女の本当の役割は、かれらの話を聞くこと
ナンシー・ミットフォードの『愛の追跡』 Pursuit of Love
昨日のナンシー・ミットフォードの話が、あまりにもサワリだけだったので、もうすこし具体的な話を書いてみる。Love in a Cold Climateのドラマの原作のひとつというか、そのより重要なほうである、『愛の追跡』The Pursuit of Loveの話をすこし。
ヒロインはリンダというのだが、とにかく彼女がかわいい。それは彼女が、お嬢さまだから。ここで強調しておかなければいけないことは、