ちゃんあす。

小説「もしも、こんな奴がいたら」 週1を目標に不定期で更新。 この世界観、意味わかんねぇけど、面白い奴だな。そう思って頂けたら幸いです。 普段は保育士を命懸けでやっています。 サンシャイン(吉本興業)という素敵な芸人さんがいます。どうぞお見知りおきを。

ちゃんあす。

小説「もしも、こんな奴がいたら」 週1を目標に不定期で更新。 この世界観、意味わかんねぇけど、面白い奴だな。そう思って頂けたら幸いです。 普段は保育士を命懸けでやっています。 サンシャイン(吉本興業)という素敵な芸人さんがいます。どうぞお見知りおきを。

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もしも、こんな奴がいたら【第1話 はじまり】

あなたは知っているだろうか。 人間を見守る使命をもつ妖精がいることを。 沢山の星が輝いている。いずれこの星たちは、妖精と共に成長していく人間となる。妖精たちは一つの星を選ばなければならない。そして、最期まで見守らなければならない。 「ちゃんあす」という妖精がいた。ちゃんあすは、なかなか星を選べずにいた。赤く燃える情熱的な星、知的で聡明な青い星、明るく輝く黄色の星。どの星も魅力的だった。沢山の星を探す中で、ちゃんあすは小さく控えめに光る星を見つけた。今にも消えてなくなってし

    • もしも、こんな奴がいたら【第12話 草枕を越えて】

      人生に生きずらさを感じる、ある日のサクラの心の中を覗いてみた。 120年も前に書かれた小説を読みながら、深く共感する。本当にその通りだと思う。人の世は住みにくい。昔から変わらないんだな。 どんなに夢を語っても、努力をしても、言葉にならない何かに押し潰されそうになる。苦しい。 音楽療法に「同質の原理」といって、その時の感情に合わせた音楽を聴くと良いという原理がある。明るい気持ちの時は明るい曲を。暗い気持ちの時は暗い曲を。それが音楽療法においては一番効果的とされている。だか

      • もしも、こんな奴がいたら【第11話 逢】

        迷うサクラに会いに行った。人気者が好きなのか。優しい人が好きなのか。あなただから好きなのか。サクラはその答えを見つけられるかな。 サクラは繁華街の夜道を、ただただ歩いていた。考えても答えなど出ないことを考えながら。 幸せとは何か。人々は何を幸せなことだと思うのか。結婚することを幸せと呼ぶ人。美味しい物を食べることを幸せと呼ぶ人。サクラにとっての幸せと、横を通り過ぎていく人々の幸せは、きっと違う。けれど、皆それぞれの幸せを求めて生きている。 賑やかな1台のバスがサクラの目

        • そして私は月になった#想像していなかった未来

          普段は書きたいことを小説に書いているが、今回は自伝を書いてみようと思う。 20歳の4月。私は地方公務員になった。採用枠は「保育士」だ。地域の公立保育所で働く。 公務員という安定した職業に就けた上に、小さな頃からの夢だった保育士にもなれて、最高な人生が待っているのだと心を踊らせた。 しかし、私はそこで悪魔に出会ってしまった。 悪魔は、私を毎日嘲笑った。朝早くから夜遅くまでの激務を強いられた。そうせざるを得ない状況にされた。 気を利かせて園庭の草取りをした。手伝ってくれ

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        もしも、こんな奴がいたら【第1話 はじまり】

          もしも、こんな奴がいたら【第10話 ロックを聴く理由】

          満月の夜に、あなたがnoteを書いたから、昔の人を思い出してしまったよ。何回さよならを言えば気が済むんだろう。これで、君のことを思い出すのは最後にしたいな。 ここに、こんなこと書いていいのかな。昔の思い出。でも、書くしかない。明日を生きるために。愛しいあなたに言ったら何て言うかな。あなたは優しいから、きっと素敵とか言ってくれるんだろうけど、少しだけ嫉妬してくれたら嬉しいな。大丈夫。安心して。あなたを愛すと決めたから。あなたが満月の日に書いたから、私は新月の日に書くよ。 毎

          もしも、こんな奴がいたら【第10話 ロックを聴く理由】

          もしも、こんな奴がいたら【第9話 金髪の室井さん】

          熱が冷めないうちに書こう。今日サクラは、ある映画を観て心臓が痺れた。ネタバレにならないように気を付けて書くけれど、少しのネタバレも嫌な方はここまでに。 多くの日本人の心臓を痺らせてきた「踊る大捜査線」は、いつの時代に観ても素晴らしい作品だ。令和の今、「室井慎次 ~敗れざる者~ 」が公開した。心臓が痺れた。 この映画の主人公、「室井慎次」さんによく似た人を知っている。彼は、金髪のよく似合う男だった。サクラに夢をたくさん語った。 突然ですが問題です。日本人の再犯率を知ってい

          もしも、こんな奴がいたら【第9話 金髪の室井さん】

          もしも、こんな奴がいたら【第8話 平和な戦争】

          サクラは、世界で1番平和な場所で戦争をしていた。今日は、戦うサクラに会いに行った。 「子どもが好きで、この仕事を選びました。」 サクラがいつも言っている決まり文句だ。でも、この決まり文句は真っ赤な嘘。子どもなんて好きじゃない。むしろ苦手なくらいだ。うるさいし、面倒な奴らだ。そもそもサクラは、人と関わるのもあまり好きじゃない。相手が大人でも子どもでも無駄に気を遣ってしまう。 じゃあ、なんで保育士なんかやってんだよ。って話しなのだが。 仕事として続けるのに苦ではないから。

          もしも、こんな奴がいたら【第8話 平和な戦争】

          もしも、こんな奴がいたら【第7話 届け】

          いつもと書き方が違うかもしれないが、許してほしい。 食べるのも眠るのも忘れて、やりたいことをして生きている。命懸けで生きている。魂を燃やして。削って。磨いて。そんなサクラのある日の日記。 最近、咳が止まらない。 魂を磨きすぎたのか、昔に吸っていた煙草のせいか。そんなのは、どうでもいいのだけれど。 テレビに出た人は死なない。ずっと生き続ける。テレビだけではない。舞台でも劇場でも、人目に触れた人は、誰かの記憶の中で一生、生き続けるんだ。そう信じている。 彼らは色んな人生

          もしも、こんな奴がいたら【第7話 届け】

          もしも、こんな奴がいたら【第6話 ファンは突然に】

          ファンとは、どのような存在か。応援してくれる見ず知らずの第三者のことをファンと呼ぶのなら、サクラにファンができたのは17歳の時だ。17歳のサクラに会いに行ってみよう。 17歳、高校2年生。この年代の女子は、皆ダイエットに興味を持ちはじめる。サクラもまた、その一人だった。お弁当箱を小さくしてみたり、脚が細くなる靴下を履いてみたりと、周りの女子たちが頑張る中、サクラは少し違った。本格的だった。まず、高校の図書室に通いダイエットの本を端から読んだ。どうやら、ダイエット成功の秘訣は

          もしも、こんな奴がいたら【第6話 ファンは突然に】

          もしも、こんな奴がいたら【第5話 ピアノ】

          今日は、7歳のサクラに会いに行った。 母:「何か、習い事してみる?貧乏だから1つしかさせてあげられないけど。」 サクラ:「ん~。じゃあ、ピアノ!」 母:「いいね!なんでピアノなの?」 サクラ:「まゆちゃんが、ピアノやってるから」 まゆちゃんは、ピアノが上手な近所のお姉ちゃん。サクラにとって憧れの存在だった。 次の日、サクラはまゆちゃんの通うピアノ教室へ見学に行った。まゆちゃんの隣に座っているのが葉子(ようこ)先生。将来、サクラの恩師になる人だ。ピアノを弾くまゆちゃ

          もしも、こんな奴がいたら【第5話 ピアノ】

          もしも、こんな奴がいたら【第4話 勝手な共感】

          色々なサクラに会いたいのだけれど、今日はどうしても会いたくて、22歳のサクラに会いに行った。 サクラは、顔も素性もわからない人たちが簡単につながってしまうSNSを、怖いものだと思っていた。というか、その考えは何歳になってもあまり変わらない。けれど、22年間生きてきた中で唯一、SNSの中で興味を持った人がいた。 名前はMさんとしよう。まず断っておきたいことが二つ。 まず一つ目。もしMさんが、この文章を読んだとして、少し怖いと思わせてしまったら申し訳ないということだ。だって

          もしも、こんな奴がいたら【第4話 勝手な共感】

          もしも、こんな奴がいたら【第3話 プロポーズなんて要らない】

          今日は、生まれる前ののサクラに会いに行った。 ある夏の夜。中学の同級生や各々の職場の同僚が集まる飲み会があった。 康子(やすこ)は友人と時間通りに集まり、お酒を楽しんでいた。飲み会が始まってから1時間。カランッ、コロンッ。店のドアが勢いよく開いて、みんなの視線はドアの方に集まった。 「すいません!どうもすいませんね~遅くなって。」 という元気な声。マスコットキャラクターみたいな小さな男が店に入ってきた。彼が健二(けんじ)。サクラのお父さんになる人だ。 康子は、健二のこと

          もしも、こんな奴がいたら【第3話 プロポーズなんて要らない】

          もしも、こんな奴がいたら【第2話 親友の定義】

          今日は、14歳のサクラに会いに行った。 サクラは中学3年生。部活動はソフトボールをしていた。運動神経が悪すぎるサクラは、試合になんて1度も出たことがなかった。でも、サクラは頑張っていた。自分にできることを常に考えて。ベンチで何ができるだろう。やっぱり声だしかな。サクラは、全力でベンチから声を出し続けた。 そしたら、それを見ていた監督が言った。 監督:「サードコーチャーをしなさい。」 野球やソフトボールを知っている人なら分かると思うが、サードコーチャーって大事な役割なん

          もしも、こんな奴がいたら【第2話 親友の定義】

          もしも、こんな奴がいたら

          はじめまして。ちゃんあすです。 いつか始めようとずっと思っていたnote。 毎日読むきっかけができて、はじめました。 時間にも心にも余裕がある時にnoteを書いていけたらと思います。 ちゃんあす。という妖精が時空を旅する小説「もしも、こんな奴がいたら」を書きます。 書きたいことが沢山ありすぎる。 普段、人に自分をなかなか伝えられないから。心で想っていることを恥ずかしがらずにここに綴ります。 さあ今日は何を書こうかな? いつかあなたに届きますように。 ここまで読ん

          もしも、こんな奴がいたら