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『規則より思いやりが大事な場所で』 カルロ・ロヴェッリ
本書は、『時間は存在しない』や『世界は「関係」でできている』などの著者である物理学者のカルロ・ロヴェッリが、2010年から2020年にかけてイタリア、イギリス、スイスのメディアに発表したエッセイを一冊にまとめたものである。
著者による「はじめに」と題される一文に、本書の内容及び本書が伝えんとする事が分かりやすく述べられているので、ほぼ丸写しとなるがここに引用したい。
科学、文学、宗教、詩といった
『サンダカン八番娼館』 山崎朋子
1972年初版の本書は、70代80代の老女となった元からゆきさん達の生の声を取材したドキュメンタリー作品である。
貧困ゆえに苦しく耐えがたい人生を送った女性達の声なき声を聞くことが、女性史研究者としての仕事であるという著者の強い想いが、プロローグで語られる。
貧困地から南洋に送られて行った彼女達に、階級と性という二重の虐げが集中して表されている、つまり、日本における女性の苦しみの原点がある、と著
『時間の終わりまで』 ブライアン・グリーン
「我思う、故に我在り」とは言うが、そんな我とは何ぞや?
太陽の周りを周る地球の上に存在する人間という生命体、分子の集合体である有機物が、思う、その思いとは何から作れどこに存在するのか。
そんな、考えてみたら不思議なことについて、改めてじっくり考えるための、こっくりと濃密な手引き書がここにある。
壮大なテーマを扱う本書は、次のような筋立てで書かれている。
・エントロピーの法則
・宇宙の誕生と生命