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加速主義

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2024年1月の記事一覧

スティーブン・クーニン『気候変動の真実 科学は何を語り、何を語っていないか?』読んだ

スティーブン・クーニン『気候変動の真実 科学は何を語り、何を語っていないか?』読んだ

いまごろ読んだ。

大雑把にいうと、メディア、政治家、科学者は気候変動の影響を誇張しすぎという内容だ。

過去数十年、地球が暖かくなっているのは事実だが、それにどれほど人類の活動が影響しているかはなかなか確定しがたい。というか長期的な自然変化のほうが大きくて、人類の影響はあったとしても極小ではないか、、、と指摘されている。

さらには、人類の影響を人類の努力でどれほど相殺できるかも、かなり心もとな

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『ストーリーが世界を滅ぼす』読んだ

『ストーリーが世界を滅ぼす』読んだ

一部でちょっと話題になっていた本を読んだのだ。

内容としては『反共感論』とほぼ同じ。

古来よりナラティブのもたらす破壊的影響力は知られており、プラトンが『国家』において、詩人を追放しようとした事例などが引かれている。

他の例としてはキリスト教があげられている。言うまでもなくイエス・キリストとその物語は世界で最も影響を及ぼしてきたナラティブである。その一神教的な不寛容さが理由の一つである。

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2023年読んでよかった近世以降の哲学、言語学、心理学などの本

2023年読んでよかった近世以降の哲学、言語学、心理学などの本

2023年読んでよかった本まだまだある。本日は中世哲学とかキリスト教以外の人文書を。

2020年以降、医療とか生権力にまじでうんざりしている、ということが読んだ本のリストからわかる。

これは哲学者の宮野真生子氏が乳癌の治療において困惑した「医療の正しさ」について忌憚なく著したもの。
生きるとは、ただ健康であることではないし、医療とはただ正しくあることではないと教えてくれる。

そこで宮野氏が引

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2023年読んで良かった本 ギリシャ哲学・教父哲学・中世哲学編

2023年読んで良かった本 ギリシャ哲学・教父哲学・中世哲学編

2023年に読んだ本の振り返り、まだまだ続く。

幸運なことに昨年は素晴らしい書籍に出会う確率が非常に高かった。

本日はとりあえず古代とか中世の哲学、およびキリスト教関連の本を厳選して挙げていく。

まず私にとって決定的に重要だったのが『個の誕生』である。

キリスト教に古代ギリシャ哲学、具体的には新プラトン主義が分かちがたく絡んでいること、さらには中世や近代の西欧の思想に浸透していることがよく

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