「2024年のノーベル文学賞」と「大学時代の思い出」
今年は「おおっ!」となりました。
2024年のノーベル文学賞を受賞した韓国のハン・ガンさん。すいません、未読です。ただ読書メーターのレビューや知人の感想に触れるたびに気になる存在でした。
2017年のカズオ・イシグロさんみたいに、読んだことのある好きな書き手が受賞するとシンプルに嬉しい。図々しいのは百も承知だけど、少しだけ誇らしい気分に浸ります。しかしずっと読みたいと思っていた作家が獲ることも、文学好き書店員としてはありがたい。一歩踏み出すきっかけになり、なおかつ売りたくなるから。
まず手に取りたいのは↓です。
かつて大学で知り合った人が菜食主義者でした(彼女の場合、卵や牛乳はOK)。私が魚介類や肉を食べても気にしていないように見えましたが、やっぱり遠慮してしまう。よく「サイゼリヤ」へ一緒に入り、安価でお腹に溜まるメニューの組み合わせを考えました。
ヨーロッパから来た留学生でしたが、日本で菜食主義を続けるのは経済的に厳しく、体重がかなり落ちたと話していました。ゆえに作中で描かれているであろう、日に日にやせ細る妻を眺める夫の心情に惹かれます。
比較的入手しやすいのは、文庫になっている↓でしょうか。
あらすじを見て、光州事件が舞台の「少年が来る」を先に読むべきかなと感じました。ちなみに韓国は唯一行ったことのある外国です。やはり大学時代に現地の学生と法制度や歴史認識に関するシビアな議論をし、夜は酒を飲み、カラオケへ行き、どうでもいい話で盛り上がりました。
容易にわかり合えない壁の実存を噛み締め、それとは関係なく共に笑える部分もあることを体感できました。彼ら彼女らのことに思いを馳せると、この本と「少年が来る」も読まずにいられません。
ハン・ガンさん、おめでとうございます。
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