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人と組織の探究

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本noteでは、人の可能性を拓く組織づくりのための新しい気付きを届けることを目的に、組織論とケースを考察していきます。
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記事一覧

ケース35. プラトー現象〜自律的成長を促す内省支援〜

ケース35. プラトー現象〜自律的成長を促す内省支援〜

努力をしているはずなのに、いつの間にか成長実感が得られなくなっていたり、かつて活躍していた他者の成長が止まっていることに、モヤモヤを感じたことはないでしょうか?

経営の視点:
・任せている役割を十二分に遂行できるパフォーマンスを発揮してほしい
・期待に対する差分を補う成長には自分で責任を持ってほしい

現場の視点:
・役割を全うするために成長の実感が得られないと不安になる
・期待に応えるための成

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戦略は組織能力に従う!キャズムを超えるための組織能力

戦略は組織能力に従う!キャズムを超えるための組織能力

成長を目指す企業が革新的な技術やビジネスモデルを市場に広める際、キャズムという大きな壁が立ちはだかります。
これは、イノベーター理論におけるアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にある深い溝を指し、多くの企業がこの段階で成長の停滞や失敗を経験します。

キャズムを超えるには、単にプロダクトの改良だけでなく、組織能力(ケイパビリティ)の変化と、それに伴う適切な人材の確保・育成が不可欠です。

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ケース34. ゼークトの組織論〜人の才覚を活かすリソースアロケーション〜

ケース34. ゼークトの組織論〜人の才覚を活かすリソースアロケーション〜

組織が大きくになり分業化が進む中で、それぞれが持ち場で一生懸命に努めているはずが、成果が上がらないことに疑問を感じたことはないでしょうか?

経営の視点:
・それぞれ配置した役割で最大限に成果を出してほしい
・最適な配置かを判断することは難しい

現場の視点:
・用意された役割は当たり前にやっている
・一生懸命に貢献したことは評価してほしい

個人差はあれども人には達成欲求があるため、合意を前提に

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事業成長を加速する採用候補者体験の考え方

事業成長を加速する採用候補者体験の考え方

転職市場の流動性が高まれども、事業の成長性を左右するような経験を有する優秀な採用候補者の希少性は高いため、War for Talent時代の獲得競争では、採用候補者の志望度を高める体験設計の工夫が勝負の決め手と言っても過言ではありません。

体験設計は、単純に他社と差別化となる”どんな設計にするのか”や”何のための設計にするのか”よりも、ターゲットとなる採用候補者のニーズを捉えて”誰のための設計に

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事業成長を加速する採用計画の考え方

事業成長を加速する採用計画の考え方

会社経営において成長率を考える際に、組織の成長と事業の成長が比例するとの前提に立ってしまいがちですが、事業の成長と組織の成長が比例しないことに、成長率をコントロールすることの難しさがあります。

なぜ事業の成長と組織の成長が比例しないのか?
それは、事業は市場の外的要因を受け、組織は人の内的要因を受けることになるからです。

社内の問題を山積みにしたままでは競争に勝って成長を維持することは難しく、

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ケース33. アンカリング〜右肩上がりの成長を促進する人材開発〜

ケース33. アンカリング〜右肩上がりの成長を促進する人材開発〜

会社と個人は成果と報酬の等価交換関係であることが原則である以上、期待と成果をすり合わせることが必要です。
一方、目標が高いのか、低いのか目標設定の基準の感じ方は人によって差があることに難しさを感じることはないでしょうか?

経営の視点:
・高い水準の成果を追求してほしい
・個人に適正な目標数値の判断が難しい

現場の視点:
・右肩上がりの成長していきたい
・非現実的な目標を追いかけると疲弊する

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事業成長につなげるための人事評価の考え方

事業成長につなげるための人事評価の考え方

成熟企業と比較して、成長企業は中途採用が中心となるため、個々人のキャリア開発と組織の成長が結び付く人事制度の重要度が高いと言えます。
人事制度に不満が生じやすい状態だと、組織が拡大するほど、報酬や評価、キャリアなどの悩みが増加して、次第に重力となって、コトに向き合えなくなります。

どんな制度も、公平性を追求してルールを作り込もうとも起こり得ること全てを網羅することは難しく、むしろ不透明が増して運

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組織成長の壁を突破し続ける創業メンタリティ

組織成長の壁を突破し続ける創業メンタリティ

市場のニーズに事業の強みがマッチして、どんなにモメンタムが出ている組織であっても、成長するにしたがって徐々に規模と複雑性の重圧を受けて失速していく。

組織成長の壁を突破し続けるために何が必要なのか。

かつて、度重なる経営陣の交代で組織の複雑性が増して、倒産寸前まで追い込まれたAppleがスティーブ・ジョブズの復帰によって奇跡的な復活を遂げ、アメリカ初の1兆ドルの時価総額を記録した要因の一つは、

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ケース32. コーピング〜コトに向き合い続けるセルフマネジメント〜

ケース32. コーピング〜コトに向き合い続けるセルフマネジメント〜

日々の仕事で一生懸命になるほど、仕事の難易度や人間関係、ワークライフバランスの壁にぶつかりストレスが避けられないものですが、同じような仕事をしていても、ポジティブオーラを纏う人と、ネガティブオーラを纏う人を見かけて、その違いが気になることはないでしょうか?

経営の視点:
・どんな仕事に対してもポジティブに挑める活気ある職場にしたい
・個々人に配慮することが難しく、ネガティブな人には機会を渡しづら

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事業成長視点の採用基準

事業成長視点の採用基準

ウォーフォータレントに示されるように、求めるスキルが高度化するほど労働市場に実在する人の数は限られ、採用要件を厳格にするほど青い鳥を追いかけてしまい、気付けば採用工数が徒労に終ってしまいます。

そのため、採用がゴールではなく入社後の活躍を見据えて、後天的に培うことができるスキルよりも、先天性のある素質を見極めて採用できるかで採用スピードすなわち事業成長スピードが変わります。

また、採用に投じら

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ケース31. 外集団同質性バイアス〜市場変化に強い会議設計〜

ケース31. 外集団同質性バイアス〜市場変化に強い会議設計〜

▶︎組織が内向きになってしまうのは何故か?

社会に価値を届けることが事業の成長に繋がると理解していれども、いつの間にか市場の変化に自社が追いついていないと感じることはないでしょうか?

経営の視点:
・市場のニーズを適切に捉えて変化できる組織にしたい
・現場の変化を把握することが難しい

現場の視点:
・顧客に喜ばれて誇りに思える仕事をしたい
・目の前のことで頭がいっぱいになってしまう

ドラッ

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War for Talent 人的資本の希少性に立ち向かうための組織戦略

War for Talent 人的資本の希少性に立ち向かうための組織戦略

2000年初頭、マッキンゼーはWar for Talent と題する人財の希少性への適応に警鐘を鳴らした人材獲得・育成競争に関する書籍を発刊されました。

その内容は、20年以上経った今でも、労働生産人口の減少、DX時代の産業構造の変化に伴うスキルの多様化の影響を受ける日本の労働市場においては有効的で、組織戦略を考える上でのバイブルとしておすすめです。

事業運営における業績向上には、絵に描いた餅

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ディズニーの組織開発を調べてみて

ディズニーの組織開発を調べてみて

ディズニーが多くの人を惹きつけるような高いクオリティのサービスを提供できる秘訣は何か?
ふと気になり、福島 文二郎さんの『9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方』と、『9割がバイトでも最高の感動が生まれるディズニーのホスピタリティ』を拝読して得た気づきを5つの観点で整理します。

人が育つ環境の仕掛けが興味深く、なぜ世の中になぜ研修が存在するのか、組織開発の重要度を考えるきっかけ

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Silver Bulletはない!新任マネージャーがぶつかる壁

Silver Bulletはない!新任マネージャーがぶつかる壁

ウォーフォータレントの時代において、多くの組織で、経営と現場を接続するミドルマネジメントが不足しています。

そして、個人のキャリアにおいてもマネジメント経験が重宝されるものの、個人では解決が難しいさまざまな課題の板挟みになる苦難から挫折したり、そもそもマネージャーになりたくない症候群が増えたり、と需要と供給が崩れていることが実情ではないでしょうか。

私自身もマネジメントを約3年を経験していく中

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