NO,29 ナカタニ米と米騒動

スーパーに行ったらお米が全部売り切れていた
お米の棚にはお米が１つもなかった

どうゆう事なんだろうか？
こんな事態は初めてだ

私は困惑して空になった棚を
だだ呆然と眺めていた

その時ふとナカタニさんの事を思いだした
ナカタニさんは私の飲み友達であった

ナカタニさんのお家は米農家だ
正確には兼業農家で
サラリーマンをやりながら
お米を作っていた

ある秋の日
ナカタニさんが精米したての
新米をスナックに持ってきてくれた

ママがナカタニさんのお米を
土鍋で炊いておにぎりにしてくれた

シンプルなごはんと塩だけのおにぎり
炊き立てごはんのいい香りがした

１口食べてみる

ナカタニさんのお米は美味しかった
はっきり言って今までで１番美味しかった

あまりの美味しさに一気に食べてしまい
お代わりまで食べてしまった

私がごはんをお代わりする事は珍しい
正直お子様離乳食用お茶碗でいいぐらいなのだ

ナカタニさんは
３０キロ持ってきたから沢山食べていいよ
と言って笑っていた

ナカタニさんが言うには
１番美味しい品種のお米だそうだ

あれから私は
ごはんもおにぎりも沢山食べた
色々な場所で食べた

でも今だにナカタニ米を超える
ごはんには出会えていない

空になったお米の棚を見つめながら
沢山食べていいよと笑った
ナカタニさんの事を思い出していた