菅野みゆき (2024年11月 salamanderから変更しました)

国連で働きたくてイギリスの大学に入るも 1年目で自分の学力と知識のなさに愕然とする。 苦しみつつ卒業したため、やらなくてはならない 義務の時は英語を読めるが、趣味で読んだりなどは できない。日本語が大好き。

菅野みゆき (2024年11月 salamanderから変更しました)

国連で働きたくてイギリスの大学に入るも 1年目で自分の学力と知識のなさに愕然とする。 苦しみつつ卒業したため、やらなくてはならない 義務の時は英語を読めるが、趣味で読んだりなどは できない。日本語が大好き。

最近の記事

うつくしくなどない話

私は、自分のことを人ごろしだと思っている。 ここ二十年ほどずっと。 一本の電話がかかってきたのは、 私が日本の大学を中退し、2001年から イギリスの大学で勉強を始めて 二年目のある日のことだった。 勉強の内容に、自分の適性のなさを 毎日痛感し、でも送り出してくれた 家族を失望させてはいけない、 自分がやりたいと言って出てきたんだ というもやもやにまみれて、 最低でも卒業だけはしようと もがいていた時だ。 その大学は、 ロンドンから三時間ほど北上した、 かつては織物など

    • ソフト王子

      私はアイスよりもソフトクリームが好きで、 あのなんというかむにむにむに〜っと 出てくる形がまたいいですよね。 コーンかカップかっていったら絶対コーンで、 しかもワッフル地じゃなくて、もなかみたいな、 時間が経つとふにゃとなるコーンであって 欲しい派なんですけども。 この前、久しぶりにちょっと遠くまでふらふら 散歩しにいった道すがらにあった、 ソフトクリームのおいしいコンビニに入ったら、 外国人の男性が対応してくれたんですよ。 名札を見たけどお名前は忘れてしまったし、 恐らく

      • ひとびと

        タクシーのりばにて 駅前でタクシーを待っていたら、 先に待っていた2人組の女性が、 やってきたタクシーに 乗り込もうとしている。 50代くらいの女性と、 もう1人は6~70代くらいだろうか、 いわゆる手押し車のようなものを 押していて足が少し 弱っておられるようだ。 手押し車の女性が先に乗り込んで、 もう1人の女性 (娘さんかつきそいの方か)が、 その手押し車をあちこちぐいぐい 押したり引いたりしてみるが、 どうやらたたむことができない模様。 そのままでは、かさばって座席

        • NO----------(訳:なぁんてねー)

          最近、私はある言葉に取り憑かれている。 すきあらば真似をしてなんども声に出して言う。 その言葉を発している人物が、その瞬間は なんならちょっと自分に乗り移っている気すらしている。 それが、タイトルの「NO----------」である。 英語で書くとうまくニュアンスが 伝えきれないのだけれど、音にすると 「ヌォォォォォウゥ」みたいな感じだ。 時々は、「イェェス?」と言ったりもする。 一体なんのバカ騒ぎなのかというと、 すべてはゴールデンウィーク中に観た ある映画のせいなのであ

        マガジン

        • Dialogue in the Dark
          2本
        • 男性によせて
          2本
        • おはなし
          6本
        • innocent
          2本
        • 映画
          6本
        • 結婚式
          2本

        記事

          生活, しいたけの天ぷらの ④

          【アホアホなお話4回目】 俺の肩(しいたけにも肩はある)に ほんの少し触れた かぼちゃの天ぷらのあったかさに 思考がやや飛びそうになる。 しかも温かい空気に乗って ほんわりと甘い香りもやってきた。 「友達になりたいんだけど」 このだいだい色のかぼちゃってやつは 確かにそう言った。 「ぬ」 俺は予想外のことすぎて、 何かよからぬ思惑があるんじゃなかろうか、 こいつと身構えた。 「ねぇ、聞こえてるんでしょ」 またしてもかぼちゃの声が聞こえる。 やはり俺に向かって 話しか

          雲出ずる国への道 その参-②

          ホテルは、なんというか 「えーと昔カラオケボックスだったですか」 というか、もっとなんというか えーとあの言葉を選ばずに言えば、 元はビジネスとか旅行で 使うんじゃない方のホテルだったんじゃ? みたいな色味なんですけど (だって部屋のドアが真っ赤で 他のところは黒が多いのだ。 廊下は灯火管制?ていう程に暗い) 友は特に何も感じていないようなので 口をつぐんでおくことにする。 働いている方々はみなさん とても感じがいいしね。不思議感覚。 ただ、働いている方々の親切さとかとは

          雲出ずる国への道 その参-①

          〜かみさまも困惑〜さて、敏腕◯◯さんの 素晴らしきアドバイスにより、 無事飛行機も寝台列車も 両方体験できることになった我らの旅。 ニヤニヤしながらいざ、 雲出ずる国へ上陸するのであります。 我が友は、(中学の時はそんなに 気にしたことなかったのだが) よくよく考えると、 結構マイペースな人だと思う。 おもしろい!て思うことがあったら 突進していくし、美味しいものには目が ないし。 一人っ子だからなのか、見ていて おもしろいなぁと思うのが 「自分で決めたこと」が はたから

          私もずっとそっと他人でありたい

          仕事でうへぇとなった日の帰り道、 スーパーのレジのおばちゃんが ちょうど¥888になったディスプレイを見て 「あら、なんていい数!ぴったり!」って 言ってくれたこと。 これから抗争か討ち入りですかみたいな ぶっといチェーンを首に巻いた 見るからにいかついお兄さんが、 杖ついたばあちゃんとその伴侶らしき じいちゃんが電車に乗ってきた瞬間、 「おい」と隣に座っていた恋人らしき 女性に目配せして、一緒になって スッと立ち上がったのを見たこと。 銀行のATMで順番を待っていたら 後ろ

          雲出ずる国への道 その弐

          前回【その壱】を書いてから すでに9か月が過ぎてしまいました。 しかし、皆さんご承知の通り、 それはコロナさんの「前」であり、 今になると何だか懐かしさすら感じる あれこれを振り返ることにもなりました。 期せずして。怠惰もたまにはいいことあるな。 〜旅行会社にGO。そこにいるのに離れてる〜さて、我々二人は旅行会社に乗り込むのです。 鼻息も荒く。順番待ちの番号を「ちーーーー」と 自分で発券して深めの黒い革張りのソファに すっぽりとはまって待ちます。腰が痛い。 制服のお姉さんが

          This is Bradford ⑤

          <イギリス人にすらも あまり馴染みのないらしい 英国の小さな町の大学で、 留学生として過ごした3年間の日々を、 思い出しながらぽつぽつと 綴ります。> さて、いよいよ2週間の pre-sessional courseが始まった。 これは、大学の本授業が始まる前に、 英語を母国語としない留学生を対象に 英語の授業を事前に行うコースのことで、 8月中の一般の学生がいない 夏休み期間中に行われるのだ。 恐らく管理が大変なのと、 受け入れる教員の人数も 限られているからだろう、

          生活, しいたけの天ぷらの ③

          【アホアホなお話 3回目】 「ちょっと!スナップえんどうもいいけど、 天ぷらも熱いうちに食べてよ」 たえさんが、少々ピリッとした声で 子供たち+泰之に訴えかける。 彼女は(まあ、料理が好きだったり 得意だったりする人は誰でもそうかも しれないが)熱いものは熱いうちに、 冷たいものはその温度で食べるのが サイコーと信じているので、 揚げたての俺たちが皿の上で、 無残な油を吸ったベシャッとした衣に 成り果てていくのが許せないのだ。 「あ、うん、そうだね。天ぷら天ぷら〜」 泰

          生活, しいたけの天ぷらの ②

          【アホアホなお話の2回目】 さて、本日も外側はさっくりと、 内側はしっとりと、揚げあがった。 この家は少し変わっていて、 天ぷらが食卓にあがる時に、 塩・天つゆと共にウスターソースが並ぶ。 なんでも、夫の泰之が会社員なるものに なりたての頃、課長とかいう人に 連れられていったお店で ソースが一緒に出されたらしい。 その味に衝撃をうけて以来、 泰之は天ぷらを食べる際に 必ずソースをセットし、 家庭を持ってからもその伝統(?)は 引き継がれたのであった。 それにしても、

          歌う えーあい

          AI美空ひばりさんの 歌っている姿をテレビで見ました。 私のごく限られた範囲で接した情報によると、 なかなかの賛否両論が起こっているらしく、 非常に興味深いことだと思いました。 以前、noteにも少し書きましたが 私は美空ひばりさんの愛燦燦という曲が 非常に好きで、それは彼女の歌 そのものもそうですが 歌詞にキュンとなってしまう部分が あるからです。 本物をいいな〜と思っている人間なのに それを認めていいのか、と言われるかもしれない ですが、私はあの映像(番組)を見て、

          生活,しいたけの天ぷらの ①

          【こんな時期だからこそ、 アホアホなお話を書くことにしました】 オレこと、しいたけの天ぷらはその日 (も、というべきか)憂鬱だった。 だって、きっと今日も せっかくのかっこいいイガイガの衣は 外されちゃうだろうし 「においがくさいからイヤ」と顔を しかめられるに決まっているからだ。 この家の長女ゆうかは、14歳。 春から中学3年生だ。 まだ14年しか生きていないような 感じもするが、女子という生き物は 3歳くらいからもう「女子」であり 女子というものが対外的に どのような

          やわらかいうさぎはおどるのか

          先日観た映画「ジョジョ・ラビット」 のことを綴ります。ジョジョ! (もしこれからご覧になる 予定がある方は少々ご注意ください) ジョジョ・ラビットは 強烈に私のことを呼んでいた。 変な誤解を招きたくないのだが書くと、 私は昔からヒトラーやらナチズムというものに 関する映画・本・コラムなどなどに遭遇すると、 「なんでこんなことになってしまうのだ」 とか「人間の心理って……」と思ってしまい、 どうしても見ないで通り過ぎることができない。 怖いもの見たさ、というのともちょっと

          見る ことと 見える こと②

          Dialogue in the Darkを 体験したことを①で書きました。 そのつづき。 そこから思い出した イギリスでの経験を 書いておこうと思います。 イギリスで勉強していた時に、 People with special needs という 言葉の持つフラットさに気づくことが たくさんあったのです。 まず、入学して早々の オリエンテーションのようなところで、 説明を担当する教授が 「この中でDyslexiaの人〜?」と聞きました。 「なんじゃそりゃ?」と思っていたら、