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【短編】クズの猟犬⑦
⑥はこちらから
⑦
左腕は、新しく澤田たちが作っている。
撃たれた右腕は銃弾を抜いて骨を人工物と結合した。でも、すぐには治らない。手も動きづらくなっている。頭はMRIを撮ったが異常はなく、顔が腫れているくらいだ。歩けるけど手が使えないから不自由。治るまで出動できない。怠いから部屋で寝たり起きたりしてる。
「風呂入りてえー。しんど。」
高木は、俺の腕を撃った後、爆弾の遠隔スイッチを押した。爆破さ
【短編】クズの猟犬⑥
⑤は、こちらから
⑥
高木と初めて会ったのは、新歓コンパの時だった。どうせ行く気もないサークルに適当に入って、なんとなく合コン気分で行った飲み会。18歳で、まだ酒は飲めないから持ち帰れそうな女の子に声かけて口説いてLINE交換したその後、俺に馴れ馴れしく声かけて来たのが高木だった。
ココナッツの匂いのする香水はつけすぎていて、3メートル離れていてもよく分かった。
「ハム?」
「あ?」
一年生は
【短編】クズの猟犬⑤
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⑤
蹴り飛ばされて背中から床に落ちた。頭に衝撃がくる。
「甘い。もっと痛めつけろ。」
川嶋が、ギャラリー席から言ってくる。
「すぐ立てキミノリ。高木に負ける。」
わかってるけど、訓練の相手が強すぎる。もうやだ。疲れた。いや疲れてはいないけど、頭痛いし、もうやだ。動けないふりして少し休もう。
「君は、やる気が無いのか。すぐに立て。」
コイツは、実践訓練用のアンドロイドで殉職した警
【短編】クズの猟犬④
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④
ラボには新聞がある。一応毎日ニュースを読みにくる。飛翔体落下の詳細な記事は載ってない日の方が多い。
「今日のニュースは何がトップ項目?」
澤田はコーヒーを飲みながらそんなことを聞いてくる。
「ガソリン値上げ止まらず。」
「それは困るねえ。」
「…うん。」
コーヒーがいい匂いで必要以上に嗅いで吸い込む。澤田が羨ましい。
「コーヒー好き?」
澤田を睨みつけた。俺が水しか飲めないの
【短編】クズの猟犬③
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③
フロアに侵入。エレベーターホールにでた。匂いが強くてえずく。吐きそう。1番匂いが強い場所についた。
ガラス張りの自動ドア。蹴破られたあとだ。ラビット金融って書いてある。金貸しの会社か。
中では、犯人が人質に何か話している。脅しているのか。なるほどこれが立て篭もりか。
中にゆっくり入っていく。
「誰だよ!」
またもやラッキーだ。ナイフを持った男が俺を見ている。首の辺りに目線が
【短編】クズの猟犬②
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②
鼻を修理しろと言われて、ラボってところに来た。
「川嶋から聞いてたよ。」
俺の体をなんとかかんとか作ったのは澤田彰ってやつで。
「鼻の修理ってエグいの?」
コロナの抗原検査を思い出して、俺の背筋は凍りついていた。
「鼻を効くようにしろって話だよね。君の場合、生きていた頃の君の顔そのまま使ってるからね。元々の嗅覚のポテンシャルもあるし。」
鼻の穴をすごい見られてる。
俺以外の
【短編】クズの猟犬①
「もし、地球に隕石が迫ってきて、それが落ちるのが日本だったら、…どうする?しかも、日本と同じ大きさで」
高木はいつも意味のない質問をする。だから、なんだよ?って言ってやりたい。けど、周りは盛り上がる。大学の学食で安い定食を食べながら。
「お前、それ隕石のレベルじゃねーよ」
って、軽くツッコミを入れるのが岩橋。
「あたし、迎撃ミサイル撃ちに行く!!」
変な責任感というか、訳のわかんねえ正義感を放り込