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#78 ご機嫌を削ってまで気に掛けるに値するものは、あまりない

(825字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)
 
 思えば10代の頃、私はいつもイライラしていた。
 身体の発育が進み体内ホルモンの分泌が不安定だったのもあるが、何よりも大人になりたくて背伸びしても、たどり着きたい場所になかなか届かないのにストレスを感じていた。
 
 思春期に差し掛かると妙に怒りっぽくなるのもそのせいかもしれない。
 ストレスが溜まりに溜まると、人はちょっとしたことでも爆発してしまうのだろう。
 
 
 そういったイライラは20代まで続いた。
 社会に出ても相変わらず感情的になりやすく、周りに当たり散らしては不機嫌の時間が多かったが、30代を迎えてからぱたりと止んだ。
 
 いや、正確に言うと心の中のどこかでイライラは続いているはずなのだが、明らかに勢いが下がったのだ。
 
 
 10代、20代の頃と比べて向き合うべき課題が減った訳ではない。
 ただ一つ違うのは、解決出来ていなくても「何とかなる」と思えるようになったことだ。
 
 解決方法がまだ無くても、どういった手順でそれが見つかるのかも大体分かっているのも、焦らず心を落ち着かせて構えられるようになれた理由だろう。
 
 そして何よりもイライラを気にしたり、それを外側に出したりするのが非常に面倒くさくなった。
 怒りを表すこと自体、エネルギーの無駄だと、
 大半のことは、そんな血相を変えてまで怒る必要が無いと思えるようになったのかもしれない。

 
 10代、20代の頃の私にとって一大事と思えたことが、いざ30代になってみれば全てどうでも良いことに気付いたのだ。
 
 
 そんな30代の私が一番大事にしているもの。
 それは「ご機嫌」である。
 
 ご機嫌でいれば、周りに優しく出来る、愛情豊かになれる、人間関係が改善される、何かあった時に頼れる場所も増える。
 トラブルが起きても、気持ちが安定していれば前向きになれる、冷静になれる、より解決につながる。
 メンタルが安定して環境に振り回される回数が減り、自分軸がブレにくくなる。
 
 
 こんな自分も周りも大切に出来るご機嫌を削ってまで気に掛けるに値するものは、あまりないのではないかと思うこの頃である。

📚一にご機嫌、二に上機嫌

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