夢の目前まで近付いた日。
本当に、もう少しだった。
休息を挟んで、久々のトレーニング日。
今日は跳び箱に集中しようと決めていた。
休んでいる間、色んな動画を観た。
自分の跳躍、人の跳躍。
改善できる部分がないか、必死で確認した。
そして、まだ助走に改善の余地があると気付く。
跳ばない間も、自分の中でイメージを固めた。
助走路を走る自分の足音、跳ね上がる身体を思い浮かべる。
そして、挑んだ。
過去最高の跳躍で、19段を跳んだ。
空中で着地を考える余裕があった。
最初に19段を跳んだのは昨年の9月。
それ以来、跳べたのは今回で4回目。
両足着地は初めてだった。
年齢を重ねたことで、体力の伸びは当然遅い。
でも、技術面を伸ばすことでまだ自分は高く跳べる。
それを確信した瞬間だった。
19段を越えた勢いのまま、20段に挑んだ。
身体は浮いた。
しかし。
身体が跳び箱を超える直前、左手をついた。
背中が当たると感じて、咄嗟に手をついてしまったのだ。
しかしながら、跳んだ感覚からするとおそらく手をつかなくても背中は跳び箱に当たらなかった。
つまり、体を精一杯反らしていれば跳べていたということだ。
千載一遇のチャンスを、咄嗟の判断で逃してしまった。
ただ、自分の成長には手応えを感じている。
先日は乗り上げるだけで精一杯だった20段を、身体はほぼ越えかけた。
それに、今日はこれ以外にも惜しい跳躍が何本もあった。
夢の達成は、もう近い。
あとは自分の気持ちだけ。
年内に20段を跳ぶという夢は、もうすぐそこまで来ている。