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ショートショート小説

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1話完結の、ショートショート小説を集めました。現代小説からファンタジー、ミステリーやホラーまで、幅広いジャンルを揃えています。
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#ショートストーリー

超ショートショート あの時、きみの気持ち

 夢を見た。  一番印象的だったところだけ、覚えている。  すごく、綺麗な女の子が出てきた…

草方良月
4年前
7

ショートショート 23世紀の彼女

 沈みゆく夕暮れの空を見上げながら、ミヤタ・コウイチはため息をついた。  明日から、また…

草方良月
4年前
5

ショートショート 悪魔のささやきと、祖父の導き

 11月11日。  35歳の誕生日を迎える前日、七瀬恭介は頭を抱えていた。  朝からふさぎこんで…

草方良月
4年前
5

ショートショート まやかしの恐怖

 本当に得体の知れないものを見た時、人はそれが何かは分からず、ただきょとんとする。  も…

草方良月
4年前
4

ショートショート 最後で最初の希望

「空が落ちてくる」  頭上を見上げ、彼が言った。そして、落ちてくるはずの空に向かって、真…

草方良月
4年前
5

ショートショート 歪んだ真の愛情

 憧れていた、大好きだった人の凋落を見たい――。  そう思う私は、歪んでいるのだろうか? …

草方良月
4年前
5

ショートショート 忍法 『俺なら出来る!』

 私の弟は、とびきり優秀なのにどこか抜けている。  忍術学校に在学中は、抜群の成績で周囲からの注目を一身に集めていた。座学でも実技でも、弟の右に出る者はいない。そして、こう言っては何だが、弟はそれなりに見栄えも良く、女子からの注目度も高かった。同じ学校に通う姉としては鼻が高く、私自身の容姿はそれなりにも関わらず、『あの弟の姉』ということで、自然と私の評価も吊り上げられていた。  弟の人生は、何もかも順調に思われた。そう、歴代トップの成績で、総代として忍術学校を卒業するまでは

ショートショート 盗賊たちの絆

 熊谷浩平がアジトに戻ったとき、そこはすでにもぬけの殻だった。かわりに、突如ドアが音を立…

草方良月
4年前
3

ショートショート あなたがいてくれたから

 これからお話するのは、ある女性の話です。  初めて彼女に出会ったのは、彼女がまだ、小学…

草方良月
4年前
8

超ショートショート 引き継がれた記憶

 一番星が弾けた。  砕けた破片が二番星にあたって、火山が噴火。そうして発生した溶岩がミ…

草方良月
4年前
4

ショートショート 紅と蒼

 路上や街中で、ふと猫を目にしたとき――。  紅を思い出すことがある。  幼い頃の私を救っ…

草方良月
4年前
26

ショートショート ルビー色の思い出

「長い間、ほんとうにご苦労さま」  そう言って、絹代は私の肩に手を置いた。ともに歩んだ30…

草方良月
4年前
3

ショートショート その男を見てはいけない

 初めてそれを見たのは、ある金曜の夜だった。  明日から休日。気持ちが弾んで、いつもとは…

草方良月
4年前
5

ショートショート マスクの下で、ときめいて

 通学路を歩く他の生徒の数が増えるにしたがって、私の胸もどきどきしてきた。  長期間の休校明けで、久しぶりの学校。  道を歩く、ランドセルを背負った背中が、ひとつ、またひとつと増えていく。次第に、にぎやかな声が大きくなるに連れて、そわそわと落ち着かない気持ちになる。 「あ、えみこちゃん! おはよう!」  声の方を振り返ると、大きく手を振る、まどかちゃんの姿が目に入った。こっちに向かい、駆けて来る。 「えみこちゃん、久しぶり。元気だった」 「うん。まどかちゃんは?」  白い