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2022年4月の記事一覧

ゆらゆら帝国と神経症

ゆらゆら帝国と神経症

90年代に最盛期を迎えた日本のロック音楽に関して重要なことのひとつは、それは背景に、社会の神経症的な感性、ようはイライラ感を持っていたということだ。時代全体が不安で神経質に傾いていたことが、ロックンロールのカッコ良さに結びついている。ギターには殺意が宿っていて、リスナーは熱狂した。バンドも観客も狂気的だった。

ロックバンドは、存在自体が矛盾している。ヒリヒリとした佇まいでデビューしたバンドも、そ

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ツイッター哲学

ツイッター哲学

このところ仕事がストレスフルだったこともあって頭が回らない。30分くらいの短いテレビ番組を見ようと思っても、すぐにスマホに流れてしまう。集中力に欠けている。考えごとが、深い次元まで潜れない。ポメラも家に置きっぱなしで、いまはスマホでつるつると原稿を書いている。



とうぜん、論理を積み重ねるような本も読めない時期なので、読んでいなかった千葉雅也さんの『ツイッター哲学』に手を伸ばしたら、これがお

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「批評」対「共感」、「お笑い語り」

「批評」対「共感」、「お笑い語り」

議論vs非議論、というようなことを昨日また書いたら、今日速水健朗さんの記事を遭遇した。

ここでは議論vs非議論という対立軸は、「批評」対「共感」として表現され、さらにそれは「解釈」対「経験」の対立だと論じられている。

経験則というのは個体差や誤りも多い。感情は流されやすい。個々人の経験を精査・検証し、普遍的で再現可能なものにしたのが科学であり、人文知だ。そしてその精査の作業こそ、批評であり議論

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フェミニストと議論

フェミニストと議論

なるべく見ないようにしているのだけれど、帰りの電車でフェミニストの記事を読んでしまった。失敗した。社会学者の宮台真司氏がTBSラジオに出演したときの発言を、「おもしろおかしい」風にツッコミを入れています、みたいなコラムで、読まなきゃよかったと途中で後悔すれど時すでに遅し。あーあ。あーあーあ!!!(そもそも反論とはいえ宮台氏本人が拡散する状況には少しウンザリする)



正確な論旨や文章はradi

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うちの会社は急に給与体系が変更になる。

うちの会社は急に給与体系が変更になる。

うちの会社は急に給与体系が変更になる。勝手に。基本的には営業会社なので、売上金額○○円にたいして△△円がお給料になりますよ、とか、入金額のうち××パーセントがお給料ね、とか、売上歩合のパーセンテージの部分が変更になる。勝手に。この変更でノルマは上がるけど、その分売上をあげればお金稼げるようになりますよ、あなたたちのためなんですよ、という建前で。勝手に。

金額変更は突然やってくる。というか雑に。紙

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《多様性》を認めるとは

《多様性》を認めるとは

多様性のことをときどき考えるのだけれど、ちょうどいつもブログを拝読しているやひろさんが、多様性についての投稿をされていた。整理された丁寧な文章だったので、そして自分の例ばかり書くのもつまらないので、今日は引用からはじめる



「多様性を認める」という言葉が世間で頻繁に唱えられている。私たちはつい、《多様性》という見慣れない語のほうに気を取られてしまうけれど、私はこの流行語の核は「認める」のほう

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うっすら

うっすら

これは前に書いたことの変奏になるのだけれど、人生では、例えば歯医者で数十万もするような治療を提案されるときや、英語を数年かけて学び直して新たな業務にチャレンジしようかというときだったり、わりと大きな決断が迫られるような機会が定期的にやってくる。そういうとき、本当はやったほうがいいのは判っているんだけど、結局は現状維持を選んでしまう。天秤の反対側の皿にいつも、「でもどうせ死ぬし」という気持ちが載って

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議論vs非議論、より失礼に言えば、対話vs非対話

議論vs非議論、より失礼に言えば、対話vs非対話

これは予感にすぎないのだけれど、ここ数年のネット論壇における対立というのは、議論vs非議論、より失礼に言えば、対話vs非対話、ではないだろうか。

そしてそれは、ポピュリズムの暴走ともいえる。以前は政治もジェンダーもいわゆる学者の議題で、一般市民には縁遠かった話題だけれど、それが市民に降りてくるときに、キッチュ化というか、変形して降りてきたのだと思う。

建設的に、社会全体が(一応)取りこぼしなく

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労働はおしまい!!!!帰るわよ!!!!!

労働はおしまい!!!!帰るわよ!!!!!

今週一週間は本当にしんどかった。胃痛で二度遅刻をし、重い身体でなんとか業務を乗り切った。頭は重く、胃が常にジンジンと痛むのでコーヒーも飲めない。頬杖を突き続け、ため息をはき続け、なんとか始業時間まで耐え抜いた。スコアレスドローを目指す弱小チームのような戦い方だった。



不調の状態に入ると、仕事のパフォーマンスが落ちる。苦手なことからできなくなっていく。自分の場合には、それは相談することだと痛

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省エネ

省エネ

今日は気圧&胃痛で体調が悪く、あまり体力を使いたくない。そんなときには好きなYouTubeの動画でもあげっか。

先のスプリングツアーのハイライトのひとつだった「その未来」は、田中さんのシャウトを堪能できる曲のひとつ。GRAPEVINEでは数少ない、前向きな歌詞。

個人的に再ブームが来ている赤い公園の代表曲。アンサンブルの強固さと、ボーカルの存在感。最後まで愛されるのの下手なバンドだった。

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スピリチュアル

スピリチュアル

とりあえずまず。昨日AVの例えを出したときに「男性の方々はご理解いただけるだろうか」ということを書いて、つまらないことを書いてしまったと思った。世間には多様な欲望があるということを無視した記述で、書いたあと後悔した。客側のリテラシーとどこまで寄せるかの話はまた今度考えたい。



彼女に連れられ、スピリチュアル系の店に行った。界隈では有名らしい。店内には珍しい石や仏像がわちゃわちゃと並んでいる。

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「生娘シャブ漬け戦略」

「生娘シャブ漬け戦略」

「生娘シャブ漬け戦略」という言葉が事件を起こしている。ふだんからインターネット上の炎上騒ぎに流されないよう心がけているものの、昨日のこの一件は謎の腹立ちを覚えて、なぜなのだろうなぁ、と今日は一日ぼんやりと考えていた。

事件のあらましを説明する(どうせ話題はすぐに収束していくだろうから記録用に)と、某牛丼チェーンの取締役社員が、大学での社会人セミナー内において、若い女性向けの販促戦略を「生娘シャブ

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いつでも売れる準備をしておく

いつでも売れる準備をしておく

20代も末になってくると、まわりは転職の話ばかりになる。夢を追い続けるか考えたり、新天地に飛び込むリミットを感じたりする。かくいう私は週末に仕事で大きめのヤラカシをして憂鬱な週末を過ごしていて、向いていないから転職をしたい的な弱音を親しい人に漏らしていた。情けなく慰めの言葉を摂取しているとき、ふと昔聞いたある格言を思い出した。

それは【いつ売れてもいいように準備しとけ】という言葉。若手芸人界で頻

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相談

相談

これは最近驚いたことなのだけれど、友人や後輩から悩みや相談を受けることが稀にあるのだけれど、そのとき私は同じような答えばかりしていることに気付いた。悩みは人それぞれ、仕事のことや人間関係のことだったりバリエーションがある。私のほうもそれぞれの事情に真剣に寄り添って答えているつもりだ。なのに同じような答えばかりしてしまうなんて。おれがメチャバカなの、答えが完璧なの!?

で、その答えというのが、

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