自己肯定感の高め方とは?(「木」のイメージで育む工夫)
「人材育成には『自己肯定感』を高めることが重要ですよね」
最近こうした会話を、仕事の中で組織運営や人材教育の視点で交わしたりします。この「自己肯定感」という言葉を耳にすることが以前より増えて来ました。書店に行ってもこの関連の本はたくさん出版されていますね。
ですが、いまいち掴みどころのない言葉のようにも思います。
そこで、今回は自己肯定感を構成している要素は何なのか、どうすれば高められるのかについて考えます。
2つのラフを大切にする
以前、この「自己肯定感」については記事にしたことがあります。
この記事では「大ざっぱ(rough)と、笑顔になる(laugh)の2つのラフを生活の中で大切にしつつ、60点くらいでOKとする」という意識を持つことで、自己肯定感を高めながら前向きに生きていけるということを書きました。
これは心の持って行き方についての工夫でした。今回は改めて自己肯定感とはどんな要素で成り立っているのか、その構造を分解します。
自己肯定感が高い状態とは
そもそも自己肯定感が高い状態とはどういう状態でしょうか。「自分にyes」「自分に○」「I'm OK」と言える状態が自己肯定感が満たされている状態といえますね。
自分で自分を受け入れ、自分の存在を肯定している状態です。エネルギーに満ちている状態です。
では逆に自己肯定感が低い状態とは、自分を肯定的に捉えることができず否定的に捉えている状態。エネルギーが不足していて、マイナスのオーラをまとっている状態です。
自己肯定感を支える6つの要素
自己肯定感にはそれを支える『6つの“感”』があると整理することができます。
①自尊感情 :自分には価値があると思える感覚
②自己受容感:ありのままの自分を認める感覚
③自己効力感:自分にはできると思える感覚
④自己信頼感:自分を信じられる感覚
⑤自己決定感:自分で決定できるという感覚
⑥自己有用感:自分は何かの役に立っているという感覚
似たような言葉が並ぶので少し頭が混乱しそうですが、「大きな木」をイメージすると理解しやすいです。
①自尊感情は、木の「根」
根っこが深くなければ木は倒れてしまう
②自己受容感は、木の「幹」
しなやかでなければ木は折れてしまいます
③自己効力感は、木の「枝」
伸び伸びとしていなければ、広がっていきません
④自己信頼感は、木の「葉」
自分を信じなければ、イキイキと輝きません
⑤自己決定感は、木の「花」
花は主体的に自分で決めることで、開きます
⑥自己有用感は、木の「実」
誰かの役に立てること、それ自体が甘いご褒美
大きな木を育んでいくにはいずれの要素も大事です。そして、木という植物は一朝一夕には育ちません。我々の自己肯定感の木もすぐに身につきません。木が種から芽や葉が出て、いずれ大樹になるように少しずつ育んでいくことが大切です。
そしてこれらの6つの要素はそれぞれが互いに密接に繋がり、連鎖的に影響を受け合いながら自己肯定感を形作っています。
この「大樹」と見る考え方は、詳しくはこちらの書籍に丁寧に解説されていますので、ご興味のある方は一読いただければと思います。自分自身のこと会社での人間関係、恋愛関係、親子関係など様々な環境下で自己肯定感を高める工夫が紹介されています。非常によくできた一冊かと思います。超おススメです。
木を育てるのに遅すぎることはない
自己肯定感を木で捉えた時に、こう考える人もいるかもしれません。
「私はもう結構な年齢だ。今から自己肯定感を高めるには遅すぎる‥」
でもご安心を。自己肯定感は後天的に何歳からでも育むことができます。昨日、下記の記事をまとめました。この記事の中で「growth mindset」という、しなやかに自己成長していくマインドセットをご紹介しました。
「人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことが出来る」、そういう考え方を持つことで、人生を前向きに捉えることもできます。そしてそれは「自己肯定感」も同じです。遅すぎるということはありません。
「木の鑑定士」の目で自分を診る
「自己肯定感を高めよう」と思っても、どこから手をつけるべきか、何からすべきかわからないようにも思います。
そんな時は、「木の鑑定士」の目で自分を客観視し、自己診断しましょう。先ほど挙げた6つの「感」のどこが自分に欠けているのかがわかれば、アプローチすることも見えてきます。
①自尊感情 :今の自分に価値があると思えているか?
②自己受容感:ありのままの自分を肯定できているか?
③自己効力感:目の前の課題を自分にはできると思えているか?
④自己信頼感:自分で自分を信じられているか?
⑤自己決定感:目の前の事を自分で決定できているか?
⑥自己有用感:自分は何かの役に立てているか?
この中に欠けている感覚があれば、そこからテコ入れしていくことで自己肯定感を高めて行くことはできます。
そして不足している感覚を埋めていく時には、一気に解決しようとしないことです。ここでも「木のイメージ」を持つこと。スモールステップで、できることからはじめて、少しずつ継続して変えていく。木が太陽の光を浴び、雨を受けて、少しずつ大きくなるイメージそのものです。
そして「木のイメージ」は自分がへこたれた時にも有効に働きます。仮に、今自分が周りに流されて自分で意思決定できず「自己決定感」が不足していると感じたとしても、自分という「大木」がいきなり全部腐ったわけではありません。
大木はすぐにはダメにならない。それは自分の自己肯定感も同じです。一時的に低い状態があっても、「木としてはどっしりと立っている」という気持ちでおれば、必要以上に落ち込んだり、ネガティブにならずに済みますね。
まとめ
今回は「自己肯定感」というイマイチ捉えどころのない感覚を、6つの感覚に分解し、「大きな木」のイメージで捉える手法をご紹介しました。
漠然と「自己肯定感」と捉えると、なかなか手を打ちにくいですが、6つの要素にブレイクダウンして、的を絞ってケアして行けば、効率よくセルフケアできます。
そして大切なのは「木」のイメージ。少しずつ育んでいく感覚が大切です。自己肯定感はいきなり高まったりしません。コツコツ日々の生活の中で育てていくイメージが大切ですね。
私は6つの要素の中で最も重要なのは「自己決定感」ではないかと思っています。自分で決めて、自分で行動する。その結果失敗したとしても、それを学びと捉えて、自分を変えて行けばよいのではないかと思います。それを繰り返すことで、自己肯定感の木は少しずつ大きくなっていきます。
この「決定」を避け続けると、目の前の事象を誰かのせいにしたり、うまくいっている状況でも自分がそれを導いたと思えなかったりします。決めることから逃げずに、一つ一つ決めていくというプロセスが大切かなと思います。
捉えにくい「自己肯定感」という感情を、自分でセルフケアしてメンタルをコントロールしていけると良いですね。
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