「ガンバル」ってどういう状態？　読み方から考える、より良い努力の仕方とは

「頑張りましょう！」「おお、頑張ってるね！」

普段何気なく使っているこの「頑張る」という言葉。ポジティブなイメージを持つ言葉ですが、少し無理しているようなキツイイメージも併せ持っています。

この言葉について、以前になるほどと思った学びがあったので改めて整理してみます。

「がんばる」とは

この言葉、辞書でひくとこんな意味となっています。

【頑張る】
・忍耐して、努力しとおす。気張る。
・ゆずらず強く主張し通す。

「忍耐」「努力」「気張る」、かなりストイックに張り詰めた状態です。確かに、頑張っている時は、往々にして辛い状態ですね。何かのハードルや壁に向かって、逃げずに対峙し、乗り越えようと努力している状態だと思います。

その時の表情はどんな表情でしょうか。きっと眉間にしわを寄せ、汗をかいて余裕のない表情をイメージするのではないでしょうか。何かを犠牲にし、余裕のない姿が想像できます。

このイメージと真逆の解釈を以前教わりました。

「顔晴る」という解釈

以前、登山家の栗城史多さんから教わった言葉。

「がんばる」は「頑張る」ではなく「顔晴る」なんです

「顔晴る」つまり、顔が晴れやかな状態。自分がやりたいことに素直に取り組んでいる状態。目がキラキラしてわくわくしている状態が連想できます。

しかめっ面で頑張るんじゃなく、顔が晴れるように、努力していること自体を楽しむ。そんなことを教わりました。残念ながら栗城さんは亡くなられましたが、とても素敵な考え方を教わりました。

辛い時には無理にでも「顔晴る」。笑顔でいるということです。何かに挑戦する時、まずは自分の顔が曇っていてはいけません。表情は気持ちを変えます。この事を教わってから、笑顔の力に関心を持つようになりました。

「顔晴る」＝「笑顔」の効果

笑顔になると、脳科学的にも良い効果があるとされています。そのメリットをいくつかご紹介します。

1. 免疫力がアップする
笑いや笑顔には、ナチュラルキラー細胞という免疫細胞を活性化させ、免疫力をアップする効果があると言われています。つくり笑いや、口角をあげて微笑んでいるだけで、表情筋の動きは脳に伝わるようで、ひとりでニコニコしているだけでも免疫力アップに効果があります。

2 .ポジティブな気持ちになる
笑顔になることで顔の表情筋が刺激を受け、それが脳にフィードバックされると、ポジティブな感情が生まれます。アメリカの心理学者トムキンス氏の説では「顔面フィードバック仮説」というものがあり、顔の筋肉は、感情を司る脳の神経に密接に関係しているとのこと。脳科学の視点からも、笑顔を浮かべていると脳が楽しいと勘違いしてポジティブな思考になりやすくなるとのことです。心と表情はつながっているということですね。

3. コミュニケーションがスムーズになる
これは容易に想像できますが、しかめっ面の人には誰も話しかけようと思いません。コミュニケーションの定石は笑顔でいることです。店頭での販売や営業などコミュニケーションを前提とした仕事をしている人は仕事の実績にもダイレクトに影響する要素とも言えます。

4. 笑顔の波及効果
もともと人の脳には、顔や顔のように見えるモノを瞬時に認識する機能が備わっていると言われています。3つの点があれば目と口を連想してしまいます。つまり、人は無意識のうちに人の顔に敏感に反応しているということです。

自分以外の誰かの行動を見て、自分が同じ行動を取っているかのように反応するのは脳の神経細胞ミラーニューロンの働きによるものです。笑顔の人につられて笑顔になると表情筋が刺激されます。すると、ドーパミンやエンドルフィン、セロトニンといった幸福感に関する神経伝達物質が分泌され、気分がよくなります。ミラーニューロンによって、相手もまた笑顔になる。結果、お互いにいい気分になります。

このように、笑顔になることで自分の心身にプラスに影響を与えるだけでなく、周りの人にもそのプラスの影響が広がっていきます。

まとめ

人間だれしも生きていれば大なり小なり壁やハードルに直面します。その時に努力することを「頑張る」と表現しますが、そうではなく「顔晴る」と捉えてみてはいかがでしょうか。

頑張っている目線の先には自分が成し遂げたい明るい世界があるはずです。そこを見据えて、自分の気持ちに素直に向き合って取り組む。その時の顔はしかめっ面よりも晴れやかな顔の方が良いです。

笑顔になることは、自分の心身だけでなく、周りの人へのポジティブな波及効果含めてメリットが多いです。チャレンジしている厳しい状態の時こそ、努めて笑顔でいることで、その努力はより成果に結びついていくのではないでしょうか。

毎朝、鏡を見る時に「ヨシ！顔晴ろう！」とニコッと笑顔になるだけで、気持のスイッチが切り替わります。

厳しい環境でも楽しみを見出しながら、前向きなチャレンジをしていきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。