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ものを書くこと(ライター&創作)

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ライターであり、創作活動(アマ)をしているわたしの「ものを書くこと」関連のnote。
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#思考

7月7日。七色の日に未知の色を届け始めます

7月7日。七色の日に未知の色を届け始めます

2018年1月。参加したノオト主催のライター交流会で、わたしは目標にこんなことを書いた。

「市井の人に話を聴きに行く仕事をしたい」

当時、すでに取材の仕事をしはじめていた。お店や、病院や、地域で活動する団体。どれも「市井の人たち」だ。

今は市井の人といえども、SNSで突如著名人になる(なってしまう)可能性がある。だから、どこまでが市井の人なのかといわれると、なかなか難しいなあとも思う。

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光と陰鬱と書くこと

光と陰鬱と書くこと

どことなく陰鬱な日々がつづく。具体的に「何かがあった」わけではない、と思う。まったくのゼロではないけれど、原因として挙げるにはどこか心もとない、というか。

ストイックにはなれないし、常に全力投球、一生懸命でもない。というより、馬力が本当になくなった。おかしいな、昔はもっと全力でやれたはずなのに。そう思ってはみるものの、その「昔」は本当に昔のことだと気付く。

10代で精神を病んでから、わたしの「

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山に行くのか、山を見るのか。

山に行くのか、山を見るのか。

書いたり話したりするとき、ベクトルの向く先が「だれか」のひとと、「わたし」のひとがいると思っている。これは完璧に分かれるわけではもちろんなく、あくまでも、どちら寄りか、という話だ。

わたしは後者。自分を掘り起こして、かさぶたを引っぺがして、悶々と考え続けて、そうして書いている。

たぶん、ひとによっては「自分語り」にしか思えないだろう。確かにその一面はあるし、そもそもわたしにとって、「考える」「

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潰しがきかない選択

潰しがきかない選択

昔から、何かと考えることが好きだった。レベルとしては、書くことと同じくらい。「考える」と「書く」はわたしのなかでワンセットだから、「書くことが好き」に「考えることも好き」が含まれるのだけれど。

高校時代、「そろそろ進路を考えなければいけません」、となったとき、わたしは希死念慮真っ最中だった。そのため、「進路」を考えられる余裕はなかったのだけれど、親に希死念慮志望をスルーされたため、無理やり「それ

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親じゃない大人たち

親じゃない大人たち

叔母からメールがきた。「出産が迫る妹にお祝いをあげたいけれど、若菜ちゃんのときって何をあげたっけ?」とのこと。「本人に聞いてごめんねー。ばあちゃんだから忘れちゃって」軽快な文章が、叔母の声で再生される。

実家の親は、メールになると途端に「ど、ど、どうしましたか」とこちらが感じてしまうかしこまった文面になってしまうので、叔母の「そのまんま」な感じが楽しい。

叔母は社交的で朗らか。それでいて細やか

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思考の言語化と念能力

思考の言語化と念能力

昨日、熟成させた方が書けるものもある、というnoteを書いた。

今日は、その続きのような内容だ。

***

ふだん、考えていることはありますか?

こう問いかけられて、「まったくない」と答える人はいないのではないかと思う。人は何かしら考えながら生きている生き物なのだし、家事にしろ仕事にしろ、何も考えないだなんてことは無理だろうから。

ただ、「考え続けていることはありますか」と問われると、

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自信のカケラ

自信のカケラ

子どもの自己肯定感は、親をはじめ周囲の人たちによって育まれる。

いくらがんばっていたとしても、いくら結果が出ていたとしても、誰にも褒められたり認められたりしないままでは、がんばったり結果を出したりした自分を認められる力は得られないのではないかなと思う。

自己肯定感は、そもそも「できた自分もできない自分もまるまるOKと認められること」だ。だから、殊更結果を褒めるのは逆効果だと聞いたこともある。「

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無様にしがみつかねば生きていられない、凡才なわたし

無様にしがみつかねば生きていられない、凡才なわたし

才能。

こんなに残酷な言葉はない。

子供の頃の淡い夢ならいざ知らず、思春期以降に抱いた夢には、どうしたって高確率でこの“才能”がついて回る。

世の中に、天才なんて本当に本当に本当に一握りしかいないのに。

わたしは子供の頃から音楽に触れていた。ピアノとエレクトーンを5歳から始め、中学では吹奏楽部に所属していた。

才能というものを実感したのは、おそらく四年生の頃だ。

一学年上グループと合同

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センセーショナルの向こう側にあるもの

センセーショナルの向こう側にあるもの

センセーショナルなものは、簡単に人の目を惹きやすい。

人の感情を刺激するようなタイトルや内容、逆撫でするような表現。こうしたものが特にネット上に溢れているのは、センセーショナルなものの方が単純に閲覧者が増えるからだろう。

「これ、おかしくない?」「何か腹立つ」

そういった感情は爆発しやすい。Twitterを見ていても、次々に拡散されていくものには、こうしたものが多いなあと感じる。

だからこ

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表現者の湿度管理能力

表現者の湿度管理能力

日本の夏の不快指数が高いのは、湿度の高さのせいだ。じとりと肌にまとわりつく暑さは重苦しくて、心身を消耗させる。せめて湿度が低ければ、暑さはエネルギーを与えてくれる存在にだってなり得るのに、なんて思う。

「歯に衣着せぬ」ということに対して、悶々と考えていた。

同じように「歯に衣着せぬ」物言いであっても、その発言・言葉は、多くの人からの反感を集めるものと、好感をもって受け止められるものとに分かれる

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