マガジン

  • 救急&集中治療のReference Note

    このマガジンでは、救急・集中治療対応をするときに「調べたくなる」ことを投稿していきます。

  • 災害医療学講座

    災害医療の基本事項について紹介するNoteのマガジンです。

  • 総合診療トピックゼミ

    地域病院で診療を行うための診療ノート(メモ書き)です。

  • 症候別内科診察

    【講座の紹介】 この講座では、救急外来でよく出会う内科的な「訴え」について、どのようにアプローチしていくのかについて考えていきます。内科疾患については、そもそもに関連する情報量が膨大です。従ってこの講座では、救急外来での対応に的を絞って、必要最小限の知識をできるだけ広くカバーするとともに、今後学習するとっかかりになる構成を目指して作成しました。

  • 救急外来総論

    【講座の紹介】 この講座では、救急外来が何をするところなのかというテーマからスタートして、疾患に関わらず”どのように動けばよいのか”について紹介しています。患者の生命を守り、後遺症を回避することが命題の救急外来は、一般外来とは異なる順序、考え方での働きが求められます(一般外来では、問診もせずに治療を開始することはまずないでしょうが、救急外来ではあるあるです)。これを一緒に学習していくことができたら嬉しいです。(全5コマ)

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Classroom of Practical Medicine

【心肺蘇生講座】この講座では、心停止患者に対応する蘇生のプロトコルとその下敷きとなっている考え方について学びます。ICLSやACLSでの学習内容に準拠して、どのように蘇生を進めるのかをお伝えするとともに、“ナゼ”このような対応をするのかという点まで深堀りができたらと考えています。蘇生を円滑に進めたい人、蘇生を理解したい人におすすめできる講座を念頭に作成しました。ぜひ一緒に学習しましょう。(全5コマ) 【外傷初期診療講座】この講座では、JATECに準拠して、外傷初期診療のエ

    • R10.脳内出血の対応【救急・集中治療Reference】

      収縮期血圧を140mmHg未満に降圧◇脳出血急性期における血圧高値をできるだけ早期に収縮期血圧140mmHg未満へ降圧し、7日間維持することは妥当である(推奨度B) ◇また、その下限を110mmHg以下に維持することを考慮しても良い(推奨度C) ⇩ ◇まずはニカルジピンで降圧を開始して、もし不十分ならジルチアゼムの併用を検討 *ジルチアゼムは50mg/1Aなので、5A+生理食塩水50mLで、250mg/50mLにして、1~3mL/hで開始。 手術適応<被殻出血> ◇JC

      • R9.JATECに拠るショック初期対応【救急・集中治療Reference】

        1.ショックの認知はSHOCKS: Skin☞皮膚の冷感、湿潤 H: HR☞脈が速く、弱い O: Outer bleeding☞外出血がある C: CRT and Consciousness☞CRTが2秒以上に延長、意識変容 K: Ketsuatsu☞血圧低下 いずれかを認めるなら、ショックと考えて動き出す。 2.ショックの対応はFIX-CFIX-C☞C(循環)をFIX(なおす)する F: FAST I : IV-line☞ルート確保 X: 胸部・骨盤レントゲン C: 圧

        • SCU(医療搬送拠点)のお作法【災害医療学】

          Q.1 SCUの役割分担とレイアウト指揮所 ☞戦略を決めるところ。上位本部と連絡したり、ヘリ手配したりする。 <cf> Push型:搬送計画に基づいて患者を搬送するもの Pull型:現場からの要請によって搬送するもの 診療部門 ◇リーダー医師 ☞搬送のマッチングをする。ERリーダー的な感じ。 ◇看護師リーダー/搬入管理 ☞受けつけて、どのベッドに患者を入れるか&担当看護師を決める。 ◇受付ロジ ☞受付表を管理する人。 ◇資機材管理 ☞いろんなDMATがモノを持ってくるので

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        • 救急&集中治療のReference Note
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        記事

          R8.中毒に対する活性炭投与の適応【救急・集中治療Reference】

          中毒に対する活性炭投与 活性炭は、非常に吸着力が強く表面積が大きいため、ほとんどの薬物(よくよく加療内服されるベンゾジアゼピンや、アセトアミノフェンも含む)を吸着する。従って、薬毒物内服から1時間以内に投与可能であれば、気道の安定性を考慮の上、投与を検討する。 活性炭に吸着されないものほとんど副作用のない活性炭投与だが、とはいえ気道系をリスクにさらすため、効かない薬剤は確認する。 A FICKLE A:アルコール、アルカリ F:フッ素 I:鉄(Iron)、無機酸類(Ino

          R8.中毒に対する活性炭投与の適応【救急・集中治療Reference】

          R7.敗血症性ショックに対する循環作動薬【救急・集中治療Reference】

          ノルアドレナリン上限の判断 輸液負荷への反応が不十分であれば、第一選択薬はノルアドレナリン。 ノルアドレナリンを0.3γ(上限程度)まで使用しても、十分な循環維持が得られない場合には、バソプレシンとステロイドを考える。 用法 ノルアドレナリン 1mg/1mLの製剤生理食塩水で10倍に希釈。 0.05γ~0.3γで使用することになる。 体重50kgの患者に対して10倍希釈して使用するなら 0.05γ→1.5mL/h 0.3γ→9mL/h となる。 バソプレシン特徴

          R7.敗血症性ショックに対する循環作動薬【救急・集中治療Reference】

          R6.広範囲熱傷の初動【救急・集中治療Reference】

          1.熱傷面積を評価して、Baxter法に従って輸液◇熱傷面積を求める(Column)参照 ◇4mL×体重(kg)×熱傷面積(Ⅰ~Ⅲ度)を24時間の輸液量として 受傷から8時間で上記の半量、残りの半量は16時間かけて投与する。 ◇過剰輸液を避けるため、係数を2として24時間の輸液量を決めることも。 2mL×体重(kg)×熱傷面積(Ⅰ~Ⅲ度) 2.創処置を行うⅠ度熱傷(発赤のみ) →ワセリン基材軟膏 Ⅱ度熱傷(水泡形成されるもので、真皮はが赤なら浅達、白なら深達) →ワセ

          R6.広範囲熱傷の初動【救急・集中治療Reference】

          R5.鎮静薬ケタミン【救急・集中治療Reference】

          1.ケタミンの特徴<ケタミンの強み> 鎮静薬ケタミンの最大の強みは2つあると考えます。 1.鎮静薬だが、鎮痛作用もしっかりしている。 →1剤で鎮静と鎮痛の2役こなしてもらえます。 2.循環抑制、呼吸抑制がない。 →重症患者の鎮静・鎮痛を行う場合には、これらに伴う循環抑制(つまり血圧低下)と呼吸抑制(つまり自発呼吸の停止)のリスクがあり、これらとの駆け引きが必要になります。一方ケタミンは、交感神経賦活作用があるため、基本的にこれらの心肺が要りません。 <ケタミンの弱み

          R5.鎮静薬ケタミン【救急・集中治療Reference】

          R4.Hartmann手術【救急・集中治療Reference】

          1.どんなときに行われる手術か 理由は炎症/感染でも腫瘍でも、だが…… ①S状結腸から直腸にかけての切除が必要”な病態 ②一期的に残った腸管を縫い合わせると、縫合不全になりそう という場合に採用される。 2.手術で行うこと①S状結腸から直腸にかけて腸管を切除 ②肛門側は縫合閉鎖 ③大腸側は、人工肛門を作る。 ⇩ 時間が経過して、お腹の状態を落ち着かせることができたら…… ④腸管同士を吻合して、人工肛門は閉鎖する。

          R4.Hartmann手術【救急・集中治療Reference】

          R3.循環作動薬ミルリノン【救急・集中治療Reference】

          1.ミルリノンの特徴<まず、何に使う薬か> 〇心収縮力・心拍出量を増やす作用がある。 <使いやすい点> 〇カテコラミンとは異なる作用機序である →心筋細胞のcAMPを増やし、PKAを活性化。 →β遮断薬内服中の患者等に有用 〇頻脈になりにくい(陽性変事作用が少ない) <使いにくい点> 〇血管拡張作用が強い(特にローディングする場合) →つまり、血圧が下がりやすいということ 〇腎機能による調節が必要(カテコラミンは不要) 〇作用の発現はゆっくり。また、OFFしても効

          R3.循環作動薬ミルリノン【救急・集中治療Reference】

          R2.胸腔ドレーン挿入(手技以外)【救急・集中治療Reference】

          1.適応疾患気胸、血胸、胸水 2.ドレナージチューブの太さの選択成人気胸:24~28Fr 成人血胸:32~36Fr 15歳以下小児は8~16Fr 3.体位仰臥位またはFowler位(半座位)だが、最も大切なのは、挿入側の上肢の挙上。 4.穿刺位置原則は第4~第5肋間の前腋窩線から中腋窩線の間に挿入する。 これは基本的には乳頭の高さである。 但し、気胸であればLung Pointより頭側に置くなど、症例によってエコーで確認しつつ調整することになる。 5.固定とその後糸は

          R2.胸腔ドレーン挿入(手技以外)【救急・集中治療Reference】

          R1.心肺蘇生のサブ薬剤【救急・集中治療Reference】

          1.リドカイン心停止時に静注で使用する。(一般的にはアミオダロンを使用する) 初回投与量:1~1.5mg/kg 2回目投与量:0.5~0.75mg/kg 簡易な換算としては…… 2%(100mg/5mL)リドカインのシリンジを使用する場合には 初回量 体重67kg~100kgなら、1シリンジ 体重34kg~50kgなら、0.5シリンジ と考えて、その間については 体重51kg~67kgについては、0.75シリンジ と考えるのが良いだろう。 2.マグネシウムtorsade

          R1.心肺蘇生のサブ薬剤【救急・集中治療Reference】

          Day.46 ステロイドパルスの診療メモ【総合診療トピックゼミ】

          <初めにおことわり> 今までの記事もいろんな書籍を参照して作成しておりますが、本記事はほとんど「研修医のためのステロイドの使い方のコツ」の情報を引用して、病棟で使いやすいように並べ替え等を行ったものです。 <ステロイドパルスの適応> ステロイドパルスは、免疫を強力に抑える一方で副作用も多い療法です。出番は下記等の疾患で重篤な病態を示すタイミングです。 ◇全身性エリテマトーデスのループス腎炎、中枢神経ループス ◇皮膚筋炎・多発筋炎 ◇膠原病による間質性肺炎 ◇血管炎 ◇重症

          Day.46 ステロイドパルスの診療メモ【総合診療トピックゼミ】

          Day.45 関節リウマチの診療メモ【総合診療トピックゼミ】

          <関節リウマチの診断基準>以下に米国・欧州リウマチ学会合同関節リウマチ分類基準を紹介する。 合計6点以上で関節リウマチの診断となる。 ◇罹患関節 0点:大関節(肩、肘、股、膝、足関節)1か所 1点:大関節2~10か所 2点:小関節(手指、足趾、手関節など)1~3か所 3点:小関節4~10か所 5点:小関節を含め、11か所以上 ◇血清学的検査 0点:リウマトイド因子陰性かつ抗CCP抗体陰性 2点:いずれかが低値陽性 3点:いずれかが高値陽性(正常上限の3倍越え) ◇急性

          Day.45 関節リウマチの診療メモ【総合診療トピックゼミ】

          Day.44 開放創の診療メモ【総合診療トピックゼミ】

          <はじめに> 猫咬傷をはじめとして、感染リスクに対して開放創としての管理を考慮する場合において創部の管理をどのように行うのかについてご紹介します。大原則は、中に感染性の物質(膿や膿瘍や)が溜まらないようにすることです。この大原則を踏まえて、実際にはいくつかの方法があります。 <プラン1.開放創での管理> 初診の段階で十分な洗浄を行い、開放創として管理。縫合せずに上皮化してくるのを待つ(10日くらい)。上皮化しきったら、創部がそのままで整容的にOKと患者さんが判断するなら、

          Day.44 開放創の診療メモ【総合診療トピックゼミ】

          Day.43 DICの診療メモ【総合診療トピックゼミ】

          <DICとは何か>〇そもそも生理的(正常と言い換えてもよい)な状態にある人は、止血血栓(出血を止めるために血を固める)と、免疫血栓(感染に対して微生物を閉じ込めるために血栓を作る)を”局所的に”作る作用がある。 〇生体の侵襲に伴って、この止血血栓や免疫血栓が暴走し、病的に”全身に”できる病態がDIC(播種性血管内凝固症候群)である。 〇結果として、体中に邪魔な血栓ができると同時に、この血栓形成によって血小板や凝固因子を消費してしまい、必要なところで血が固まってくれなくな

          Day.43 DICの診療メモ【総合診療トピックゼミ】