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Day.45 関節リウマチの診療メモ【総合診療トピックゼミ】


<関節リウマチの診断基準>

以下に米国・欧州リウマチ学会合同関節リウマチ分類基準を紹介する。
合計6点以上で関節リウマチの診断となる。

◇罹患関節
0点:大関節(肩、肘、股、膝、足関節)1か所
1点:大関節2~10か所
2点:小関節(手指、足趾、手関節など)1~3か所
3点:小関節4~10か所
5点:小関節を含め、11か所以上

◇血清学的検査
0点:リウマトイド因子陰性かつ抗CCP抗体陰性
2点:いずれかが低値陽性
3点:いずれかが高値陽性(正常上限の3倍越え)

◇急性期反応物質
0点:CRP正常かつ赤沈正常
1点:CRPあるいは赤沈が異常

◇症状の持続
0点:6週間未満
1点:6週間以上

<診断後の初動>

初動でまず使用するのは、アンカードラックであるメトトレキサートである。

◇メトトレキサート

・通常6~8mg/週で開始。
・効果不十分であれば、0.3mg/kgを目安に16mg/週まで増量できる。
・下記に該当するなら、低用量(2~4mg/週)から開始する。
  1)高齢者
  2)低体重
  3)腎機能低下症例
  4)肺病変を有する例
  5)アルコール常飲者
  6)NSAID複数内服例.
・下記の副作用に注意
  1)骨髄障害
  2)間質性肺炎
  3)感染症→なので導入前にB肝、C肝確認を
  4)消化管障害
  5)肝障害
・感染等に対して、メトトレキサートの一時休薬は可能である。

◇葉酸(フォリアミン)

 消化器症状や肝障害、貧血の原因として、メトトレキサートによる葉酸の作用抑制があります。従って、高齢者等に対しては、葉酸(フォリアミン)の予防投与を考慮します。
 ただし、そもそもメトトレキサートは葉酸の作用を抑制することで効果を得ているため、投与のタイミングに注意が必要です。最終投与から24~48時間あけて補充すると、治療効果に差が出ず、副作用も抑えられるとされています。

<Column>

 今日において関節リウマチは、早期に診断して早期に薬物療法を開始することが推奨されています。症状の出現から3か月以内の薬物療法開始を目指します。

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