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R7.敗血症性ショックに対する循環作動薬【救急・集中治療Reference】
ノルアドレナリン
上限の判断
輸液負荷への反応が不十分であれば、第一選択薬はノルアドレナリン。
ノルアドレナリンを0.3γ(上限程度)まで使用しても、十分な循環維持が得られない場合には、バソプレシンとステロイドを考える。
用法
ノルアドレナリン 1mg/1mLの製剤生理食塩水で10倍に希釈。
0.05γ~0.3γで使用することになる。
体重50kgの患者に対して10倍希釈して使用するなら
0.05γ→1.5mL/h
0.3γ→9mL/h
となる。
バソプレシン
特徴
敗血症性ショックの際には、バソプレシン濃度の低下(相対的バソプレシン欠乏)を乗じている場合があり、これに対して使用する。末梢血管を収縮させる作用がある。また、ノルアドレナリンの作用を増強させる。
用法
バソプレシン(ピトレシン) 20U/1mLの製剤で、敗血症性ショックに対しては0.03U/分(つまり、1.8U/時間)を上限に使用するため……
例えば、2アンプル+生理食塩水で合計40mLとして、1U/1mLの製剤として、2mL/hで開始する(複数の文献を見たが、0.04U/分程度は許容する施設が多いようである)。
ヒドロコルチゾン
特徴
相対的副腎不全に対して使用される。ヒドロコルチゾンはステロイドの中で最も作用が早く即効性がある。
商品名
ハイドロコートン、サクシゾン、ソル・コーテフ、コートリル
用法
ヒドロコルチゾン100mgを静注。
その後、200~240mg/24hのペースで持続静注する。
<Column>
感覚的には、多くの敗血症性ショックはノルアドレナリンだけでしのげるように思います。但し時に、ノルアドレナリンを0.3γまで上げても循環維持できないケースにあたります。こんなとき、これ効くんか?と思いつつステロイドを開始して、開始直後に循環がいきなり安定し始めることも経験して、ああ、効くんだと実感します。