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R8.中毒に対する活性炭投与の適応【救急・集中治療Reference】


中毒に対する活性炭投与

 活性炭は、非常に吸着力が強く表面積が大きいため、ほとんどの薬物(よくよく加療内服されるベンゾジアゼピンや、アセトアミノフェンも含む)を吸着する。従って、薬毒物内服から1時間以内に投与可能であれば、気道の安定性を考慮の上、投与を検討する。

活性炭に吸着されないもの

ほとんど副作用のない活性炭投与だが、とはいえ気道系をリスクにさらすため、効かない薬剤は確認する。
A FICKLE
A:アルコール、アルカリ
F:フッ素
I:鉄(Iron)、無機酸類(Inorganic acid)
C:シアン化物
K:カリウム
L:リチウム
E:エチレングリコール

Column

1時間の目安をどう考えるかであるが、多くの薬剤は腸肝循環する、すなわち代謝の過程で血中と腸管内を行き来し循環するため、腸管内に出てきたタイミングで薬剤を吸着するという意味で、活性炭投与は考慮されると考える向きもある。つまり、胃内に現時点で薬剤がなかったとしても、早晩血中を巡った薬剤が消化管内に戻ってくるため、ここで薬剤を活性炭で回収する
戦略である。

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