R6.広範囲熱傷の初動【救急・集中治療Reference】

2024年10月11日 14:59

1.熱傷面積を評価して、Baxter法に従って輸液

◇熱傷面積を求める（Column）参照

◇4ｍL×体重（kg）×熱傷面積（Ⅰ～Ⅲ度）を24時間の輸液量として
受傷から8時間で上記の半量、残りの半量は16時間かけて投与する。

◇過剰輸液を避けるため、係数を2として24時間の輸液量を決めることも。
2ｍL×体重（kg）×熱傷面積（Ⅰ～Ⅲ度）

Ⅰ度熱傷（発赤のみ）
→ワセリン基材軟膏
Ⅱ度熱傷（水泡形成されるもので、真皮はが赤なら浅達、白なら深達）
→ワセリン基材軟膏+銀含有の被覆材（アクアセルAgなど）も検討
Ⅲ度熱傷（皮膚全層の壊死。白or褐色～炭化）
→ゲーベンクリーム

BI（バーンインデックス）
＝1/2×II 度熱傷面積（％）＋III 度熱傷面積（％）
BI が 10〜15 以上を重症としている。

PBI＝年齢+BI
120以上致死的熱傷で救命はきわめて稀
100-120 救命率20％程度
80-100 救命率50％程度
80以下重篤な合併症、基礎疾患がなければ救命可能

◇破傷風予防を行う。
◇予防的抗菌薬投与は、明らかな汚染や易感染性がないなら非推奨
◇時間経過とともに心筋感染（カンジダなど）が起こりやすい
◇急性腎障害の出現に注意

Lund and Browder法の内訳がきちんと100％になるか確認してみましょう。

-頸部（合計：2％）-
頸部前面：1%
頸部背面：1%

-体幹（合計：32％）-
前胸腹部：13％
背部：13％
右臀部：2.5％
左臀部：2.5％
会陰部：1％

-上肢（合計：19％）-
右上腕前面：2％
左上腕前面：2％
右上腕背面：2％
左上腕背面：2％
右前腕前面：1.5％
左前面前面：1.5％
右前腕背面：1.5％
左前面背面：1.5％
右手前面：1.25％
左手前面：1.25％
右手後面：1.25％
左手背面：1.25％

-下肢（合計7％）-
右足前面：1.75
左足前面：1.75
右足背面：1.75
左足背面：1.75

-頭部（合計7％）-
頭部前面：3.5％
頭部背面：3.5％

-下肢（合計33％）-
右大腿部前面：4.75％
左大腿部前面：4.75％
右大腿部背面：4.75％
左大腿部背面：4.75％
右下腿部前面：3.5％
左下腿部前面：3.5％
右下腿部背面：3.5％
左下腿部背面：3.5％

すごく長くて恐縮ですが、これでしっかり100％です。15歳以下で比率が変わるのでご注意ください。