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ものづくりのツボ

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イノベーションにおける正当性のデザインと、サービスデザインにおけるアダプション・デザイン

イノベーションにおける正当性のデザインと、サービスデザインにおけるアダプション・デザイン

また勝手なことを書きます。

ぼくたちのデザインチーム「INFOBAHN DESIGN LAB.(IDL)」では、日頃いろいろな企業・機関からご依頼を頂いて製品やサービス、そして事業そのもののデザインを支援することを生業にしています。

特にここ5年ほどは貴重なご縁に恵まれ、企業内において新規事業をつくり出す取り組み(いわゆる「企業内企業家育成プログラム」や「コーポレート・アクセラレーション・プロ

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実施棚卸しは会社の成績表?

12月も終わりです。
来年のことを念頭にいつもより早い締め日に忙しさを感じる日々です。

と同時に期末の棚卸しの実施時期でもあります。

やり方はいろいろありますが、入出庫を止め、1日~2日かけ実際製品の在庫数をかぞえます。

いつもは人の行き来、設備の稼動音、フォークリフトの警告音が鳴り響いてますが棚卸しの日はシーンと静かです。

その上、倉庫や工場の中はとても寒く、一日をとおして気温は上がりま

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“心地”の表現を詳しくする。

商品特徴を使い心地、さわり心地、すわり心地、寝心地など”ここち”で表現する場合があります。

〜心地がいいです。とか〜心地が最高とか表現されてますが、あまり心地の内容が表現されていない気がします。

ネット販売、youtubeでの商品紹介、インスタライブでの発信が重要な販売手段となっている中、五感にどう訴求するかがpointとなっています。

消費者は実際に五感で感じることが出来ないので細かく表現

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品質レベルの向上はマメな図面の更新から

不具合品を検証するために、寸法を当たります。
最新の図面と照らし合わせ各部の寸法、形状、穴位置、材質などチェックします。
図面どおりに作られているか、公差内で作られているか原因を調査します。
調べていくうちに最新の図面が何枚も出てきたり、更新履歴のないもののあります。
どの図面が正しいのかわからない場合もあり、困惑します。

中には最新の図面は外注さんが持っていたりすることもあります。

発売後の

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台湾の工場で学んだこと

何年か前、台湾の生産メーカーに新商品発売時の製品チェックに行ったときのことです。
工場も整理整頓され、日本の企業以上に立派でした。
設備も新しく、日本の企業が何十年も前の設備をだましだまし使っているのと大違いでした。
新商品のファーストロットは一筋縄ではいかないのが常です。
案の定、予感が当たりました。
組立段階で、外注さんからの部材の入庫がおくれました。
組立を止めて 入庫がされるのを待ちました

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取説は一人よがり?

取り扱い説明書や組み立て説明書はわかりやすいほうが良いというのは誰しも思うことです。
企業様ごとに制作のノウハウがあり、独自の体裁となっています。工夫が凝らされ経験知も加味され苦労されているなと感じます。

説明書は雛形に沿って作成します。発売前のチェックも他部門で行います。
実際に使われる方の意見は入りづらいものになっています。
開発設計の人は自分がわかってるからわかるだろうという観点で制作しま

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計測機器の校正は?

出来そうで忘れてしまうのが計測機器の校正です。
毎年、 計測機器の有効期限を見ながら、そろそろ校正しようと頭の中にはあるのですが忙しさに負けてつい先送りになることがあります。

ノギス、鋼尺、はかり、コンベックス、プッシュプルゲージ、ハイトゲージ、エアーシリンダー、ロードセル、恒温恒湿機など数多くの機器が対象です。

また、限度見本や色調光沢標準板の更新も同時に行う必要があります。

校正の必要性

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梱包も商品の一部です。

商品納品時に多いクレームは、キズ、打コン、破損の類いが多く、次に部品不足などとなります。
どこでどう発生したのかわからないケースがほとんどです。

お客様にお届けするまでが商品とよく言われます。
稀に梱包材がボロボロで商品の一部がはみでた状態でお客様に届いたという場合もあります。
これではお客様の信用はガタ落ち、二度と商品を買っていただけません。
こうならないためにも梱包はものづくりの重要な要素で

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無意識のニーズを具現化する。

企画段階でセールスポイント(お客様のベネフィット)がサイズが選べるとかデザインがいいとか書かれてある企画書を目にします。
お客様はサイズやデザインだけで買っていただけるでしょうか?
他社で売れているからとか、同等品で少し安いからという理由だけでは商品は売れません。

よく言われる差別化ポイント、機能面のセールスポイントにお客様はベネフィットを感じ購買行動を起こします。
お客様にこんなものがほしかっ

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大事な限度見本

内作工程や仕入れ品の検査時に色が違う、バリ処理が出来てない、シワが多いなどで製品としてNGとなる場合があります。
色や質感、手触りなど感覚が判断基準の場合、言葉にするより、限度見本を作成します。
これ以下のレベルのものは使いませんよという見本です。
色調光沢標準板、張地見本、縫製の仕上がり見本など様々な限度見本があります。
生産ロットによって色のばらつき、仕上がりのばらつきは必ず生じます。
ロット

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計測機器の使い手はすごい

計測機器の使い手はすごい

試作品や新商品、ロットの抜き取り検査で様々な計測機器を使います。
鋼尺、コンベックス、ノギス、プッシュプルゲージ、膜厚計などをよく使います。

中でものノギスの使い方を見ているとその人の熟練度がわかります。
図面を見ながら、現物を見てノギスのお尻や背中を駆使して計測します。
また、補助ジグをあてながら寸法検査を行います。

そのほか、鋼尺の当て方やコンベックスを折ったりしながら寸法を測ります。

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開発日程はなぜいつもタイト?

製品開発の工程は大雑把に企画⇒設計⇒試作⇒量産⇒発売となります。
それぞれの間に品質確認、工程表、手順書作成、調達、発注、物流、パッケージ、取り説、販促、カタログ(HP)など様々な工程があります。
往々にして開発日程は遅れます。必ず遅れます。
遅れる理由は少ない人員でパラレルで開発業務をこなさなければいけないし、いろんな会議に召集されてまったく時間が無いので遅れると決まりきった理由です。
開発過程

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陽の無いところで黄色くなるのは?

白色や淡い色の樹脂や繊維を使った製品で、お客様のところに納品後、
「色が黄色くみえる」とか、「黄色い斑点がある。」などのクレームが入ります。

送られたきた写真や返却品を見ると黄色く見える部分があります。
私など還暦を過ぎた目には黄色い部分がなかなか見えません。
若い方ならすぐにここが黄色いと判別できます。
目の機能の年齢差をつくづく感じます。

さて、なぜこのようなことが起こるのでしょう?
倉庫

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クレームにかかる費用は?

1件のクレームが発生します。いくら費用がかかるでしょう?
目に見える製品代や運賃だけではなく多くの人が関係しいわゆる目に見えないお金が発生します。

例えば、不具合の内容はともあれ、製品交換を行った場合を考えましょう。
まず、クレームを担当が受付け、供給先とやりとりをし、製品交換の手配を行います。
お客様にも製品交換の旨をご連絡しご了解をいただきます。
交換品の手配が確定し、お客様に納品可能日をご

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